メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその27回目です。
前回は、「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法の3つ目「トーナメント方式」についてお話ししました。
私達は目の前の選択肢が多すぎると、判断が及ばずに無力感を抱き、脳への負担を下げようと いつもと同じ選択をしがちです(「現状維持の法則」といわれてます)。
さらには、無力感に打ち勝って判断を下したとしても、多くの選択肢と自分の選んだものを比較して、自分の選択への満足感が下がってしまう、ともいわれています。
そこで、いつも同じ選択をしてしまうことを回避し、選んだものへの不満足感を解消する方法として勧められているのが、「トーナメント方式」のトレーニング法です。
トーナメント方式での選択の方法は、
- 選択肢を4つずつランダムにグループ分けする
- それぞれのグループの中で、ランダムに2つを比較し、「これがベスト」と思える選択肢を1つ選ぶ
- 残った2つからも1つを選び、ステップ2で選んだものと比較する。さらに1つを選ぶ
- 勝ち残った選択肢を比較し、1つを選ぶ(勝ち残った選択肢が4つ以上の場合は、さらに2つのグループに分けて、各グループごとの2つの選択肢を比較し、「こちらがいい」と思ったものを選ぶ)
このようにトーナメント方式では、2つから1つ、2つから1つと、シンプルな選択を繰り返すために注意力が大きくすり減ることなく、無力感に陥るのを防いでくれます。
また、2つの選択肢から選んでいくので、選択した後の不満足感も小さくすることができる、というメリットがあります。
前回の詳細はこちら

今回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の4つ目「プチ断食」をお話ししていきます。
- 「後悔しない選択」をするためのトレーニング法-5つのキーワード
- 感情知性
- 1日再構成法
- トーナメント方式
- プチ断食
- コアバリューノート
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「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法
トレーニング法④ プチ断食
空腹時?満腹時?意思決定に最適な状態とは
4番目のトレーニング法として勧められているのが「プチ断食」です。
「後悔しない選択をする」ということに関しては、適度な空腹状態のほうが判断力が高くなることが最近の研究によってわかってきている、といわれています。
これに関して、オランダのユトレヒト大学が行った研究が紹介されていました。
その研究では、被験者を2つにグループに分けます。
一方のグループは23時から課題開始まで断食をしてもらい、
もう一方のグループは23時から何も食べないようにしてもらった後で、たっぷり朝食を食べてから課題に参加してもらいました。
朝食を抜くグループ | たっぷり朝食を食べるグループ |
![]() | ![]() |
その課題とは「アイオワ・ギャンブリング課題」というもので、
当たりとハズレの入っているカードの山を4組(A・B・C・D)用意し、被験者にカードを引いてもらう、というものです。当たりのカードはいずれの山にも一定の割合で入っています。
ただ、A・Bは当たりを引いたときの報酬が高額な一方、ハズレを引いたときの罰金も高額。
C・Dは、当たりの報酬は少額なものの、ハズレを引いたときの罰金も少額、というルールがあります。
C・Dからカードを引き続けたほうが最終的には儲かる仕組みになっていますが、被験者にはそのことは知らされていません。
得をするには、途中で「C・Dから引いたほうが儲かる」ということに気づき、目先の利益に惑わされることなくA・Bを選択肢から外すかどうかです。
「A・B」の組み | 「C・D」の組み |
報酬も罰金も高額 | 報酬も罰金も少額 |
引き続けると、最終的には損をする | 引き続けると、最終的には儲かる |
結果は、朝食を抜いた空腹状態の被験者のグループのほうが、有利な選択をする(C・Dを引き続ける)ことがわかりました。
これまでは、感情が高ぶっている空腹状態のほうが非合理な意思決定をしやすいと考えられてきましたが、
ユトレヒト大学の研究によって、適度な空腹感によって感情機能が高まった状態のほうが、不確かな状況における複雑な選択はうまくいくことが判明したのでした。
※「適切な意思決定は、理性と感情との両方が必要になる」という他の研究結果とも重なります
では、適度な空腹状態をつくるにはどうすればいいのでしょうか。
「プチ断食」で高まる選択力
適度な空腹感をつくり出し、選択力を上げる方法として勧められているのが「プチ断食」です。
これは、男性で1日およそ14時間、女性はもう少し緩やかに1日およそ12時間、何も食べない時間をつくるというものです。
断食時間には睡眠時間も含まれるため、それを約8時間と見なすと、男性ならば起きている間の6時間、女性なら4時間を何も食べない断食時間に当てます。
著者のDaiGoさんの場合は、以下のようなプチ断食を実践しているそうです。
- 起床
- 朝食・昼食は抜き、15時までカロリーのあるものは口にしない
- 15時ごろに食事
- 19時~23時の間に食事
- 就寝
朝食・昼食は抜くことで(この間、カロリーのあるものはいっさいに口にしない。お茶・コーヒー・水・炭酸水などは飲み、サプリもとっている)、14時間以上の断食時間をつくっているとわかりますね。
こうしてつくられる ほどよい空腹状態により、判断力・選択力を上げることができるのです。
DaiGoさんは朝食・昼食を抜き、昼過ぎの食事・夕食と、食事の回数は1日2回です。この食べる回数を減らすことにもメリットがあります。
たとえば、昼に炭水化物中心の食事をしてしまうと、午後一からはボーッとしてしまいます。
これは、食事をすると、私達の体では食べたものを消化するために消化器系に血液が集中し、脳への血液が減ってしまうから、
また、血糖値が上がることを予測して体がインシュリンを大量に放出して血糖値を下げようとしますが、このインシュリンの分泌によって血糖値が大きく上下動するから、といわれています。
しかしプチ断食によって食事の回数を減らすことで、この血糖値の上下動をなくせるため、集中力の低下を防げます。
さらには、プチ断食によるカロリー摂取の制限は、老化を防ぐ効果もあるといわれています(カロリー摂取を減らすことで、成長ホルモンの分泌が活発になるため)。
プチ断食で得られるメリット | 理由 |
選択力が向上する | 空腹よる感情機能の高まりが合理的な選択を可能にする |
集中力が高まる | 食事の回数が減ることで、血糖値の上下動をなくせる |
老化を防ぐ | カロリー摂取が減ることで、成長ホルモンの分泌が活発になる |
いきなり朝食・昼食を抜いてしまうのは難しいかもしれませんが、食事量を減らしたり、カロリーのあるものを摂取する時間を遅らせて空腹状態の時間を増やしてみたりと、自分に合った食事の仕方をぜひ考えてみてください。
自らほどよい空腹状態をつくり出すことで、選択力は着実に高まっていくでしょう。
次回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の5つ目「コアバリューノート」についてお話ししていきます。
まとめ
- 最近の研究によって、感情機能が高まる空腹状態のほうが判断力が高くなり、複雑で不確かな状況でも適切な選択ができることがわかっています
- 適度な空腹状態をつくる方法として勧められているのが「プチ断食」です。睡眠時間を含めて男性なら6時間、女性ならば4時間を断食時間に当てることが勧められています
- プチ断食のメリットとして、判断力・選択力を上げるだけでなく、食事回数減による集中力の高まり、カロリー摂取を減らすことによる老化の防止も挙げられています
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