メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその26回目です。
前回は、「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法の2つ目「1日再構成法」についてお話ししました。
「1日再構成法」とは、1日のうちに行った選択を記録し続けることで、自分が本当に幸せを感じた選択はどれなのかを把握する、というものです。
私達の何かに注意を払う能力には、1日ごとに限りがあります。その限られた注意力を何にどう使うかによって人間の幸せは決まる、といわれています。
ゆえに、事前に自分にとって価値ある選択とはどれかを知り、それらに注意を向けることで、私達は幸福感をより高めることができるのです。
その価値ある選択は何かを知る方法が「1日再構成法」なのですね。
1日再構成法の実践内容
「1日再構成法」では1日の終わりに、自分の選択によって起きた出来事を、次の項目を満たすように記録することが勧められています。
項目 | 記入例(同僚とお酒を飲みに行く) | |
1 | 開始時刻 | 20時00分 |
2 | 終了時刻 | 22時30分 |
3 | やっていたことの内容 | 居酒屋で上司への不満を肴に酒を飲んだ |
4 | 誰とやっていたか | 同僚のA、B、Cの3人 |
5 | 得られた快楽はどの程度だったか(1~10点で採点と寸評) | 5点-最近あった上司の理不尽な振る舞いへの不満を言って、少しすっきり |
6 | 感じたやりがいはどの程度だったのか(1~10点で採点と寸評) | 2点-家で英会話の勉強をしていたほうがよかったなと思った |
ポイントは、「快楽」と「やりがい」を分けて評価することです。
快楽だけではやがては虚しくなり、スキルや能力も上がりませんし、
やりがいだけでは、継続するのが苦しくなります。
快楽とやりがいを採点し、両方が高い選択とは何かを把握して、その選択肢を選ぶようにする。
そうすれば、後悔せずに幸福感を高められる選択ができるようになっていくのですね。
前回の詳細はこちら

今回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の3つ目「トーナメント方式」をお話ししていきます。
- 「後悔しない選択」をするためのトレーニング法-5つのキーワード
- 感情知性
- 1日再構成法
- トーナメント方式
- プチ断食
- コアバリューノート
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「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法
トレーニング法③ トーナメント方式
3つ目の「トーナメント方式」とは、実際に複数の選択肢があるときに「後悔しない選択」をするためのトレーニング法です。
私達は目の前の選択肢が多すぎると、判断が及ばずに意思決定力がどんどん奪われ、無力感を抱きます。
そして、脳の考える負担を減らすためにいつもと同じ選択肢を選んでしまう、といわれています(=現状維持の法則)。
さらに、たとえ無力感に打ち勝って判断を下したとしても、選択肢が多ければ、自分が選んだ選択肢への満足が下がってしまうのです(もっと別の選択肢を選んでおけば、もっと満足できたかもしれない、と思うのですね。)。
選択肢が多すぎるとからといって、いつもと同じような選択をすれば大きなチャンスを逃してしまうかもしれませんし、
どんな選択をしても、選択後の不満足感が残りかねません。
そのように選択肢が多い場合にはどうすればいいのでしょうか。
勝ち抜きトーナメント方式で「後悔しない選択」が可能になる
選択肢が多すぎる場合の解決策として、2015年にジョージア大学で行われた「選択肢が多すぎるときに最良の選択をする方法」に関する研究の結果が紹介されていました。
研究チームは車・家・スマートフォンをそれぞれ16種類ずつ用意し、
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被験者には以下の3パターンの方法を提示して、選択をしてもらいました。
- 同時選択方式-16種類の中から、一気に好きなものを選ぶ
- 連続消去方式-16種類の中からランダムに4種類を選び、その中から1つだけ好きなものを選ぶ。その後、残りの選択肢からまた4種類を選び、1つだけに絞るという作業を繰り返す
- トーナメント方式-16種類の選択肢をランダムに4グループに分け、トーナメント方式で2つのものを比較し、勝ち負けを決め、最後の1つに絞り込んでいく
結果は、車・家・スマートフォンのいずれの場合も、トーナメント方式を使ったほうが満足度の高い選択になったのでした。
これはゲーム感覚で実践でき、日常のさまざまなシーンでの応用も可能です。
トーナメント方式の具体的な進め方については、このように解説されています。
- 選択肢を4つずつランダムにグループ分けする
- それぞれのグループの中で、ランダムに2つを比較し、「これがベスト」と思える選択肢を1つ選ぶ
- 残った2つからも1つを選び、ステップ2で選んだものと比較する。さらに1つを選ぶ
- 勝ち残った選択肢を比較し、1つを選ぶ(勝ち残った選択肢が4つ以上の場合は、さらに2つのグループに分けて、各グループごとの2つの選択肢を比較し、「こちらがいい」と思ったものを選ぶ)
トーナメント方式で得られるメリット
このトーナメント方式では、2つから1つ、2つから1つと、シンプルな選択を繰り返すため、一度に多くの選択肢を見て判断が及ばずに無力感に陥る、ということを防いでくれます。
また、別の選択肢を選んでおけばよかった、という不満足感も小さく抑えられ、選択のパラドックス(「選択肢が多いほど、選ばなかった選択のほうがよかったと思える」心理効果)も避けることができるのです。
休日の過ごし方や仕事での意思決定など、日常で複数の選択肢を前にしたとき、ぜひこのトーナメント方式のトレーニング法を試していただければと思います。
このやり方に慣れていけば、短時間で、後悔のない選択肢を選ぶことも可能になるでしょう。
次回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の4つ目「プチ断食」についてお話ししていきます。
まとめ
- 選択肢が多すぎると、私達は判断が及ばずに無力感を抱き、脳への負担を下げようと いつもと同じ選択をしがちです。また、選択肢が多いと選択したものへの不満足も抱きやすくなります。それらを解消する手法が「トーナメント方式」のトレーニング法です
- トーナメント方式での選択は、シンプルな選択を繰り返すために注意力がすり減ることなく、選択した後の不満足感も小さくすることができるのです
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