メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその25回目です。
前回は、「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法の1つ目「感情を操る」についてお話ししました。
後悔しない選択をする能力を高めるときに注目したいものの1つが「感情知性」です。
これはエモーショナル・インテリジェンス(EI)とも呼ばれ、自分や他人の感情を正確に把握し、自分の感情をコントロールしたり、他人の感情にうまく働きかけたりする能力のことです。
私達は、緊張や不安といったネガティブな感情を抱くと、合理的な選択ができなくなる傾向があります。
しかし、この感情知性の高い人は、プレッシャーを受けているなかでも、自分の感情を客観的に分析し、コントロールすることができるため、合理的な選択をしやすいことがわかっています。
ゆえに感情知性を高められれば、感情をうまく調整できるようになり、ストレスのかかる場面でも後悔しない選択ができるようになるのです。
その感情知性を上げる方法として、2つをご紹介しました。
①瞑想
瞑想をすることで、緊張や不安、ストレスを和らげ、感情のコントロールにつながります。
②感情の粒度を上げる
「感情の粒度」とは、自分の感情をどこまで詳しく表現できるか、というものです。
「感情の粒度」の高い人は、自分の感情をさまざま言葉で正確に表現できるため、自分の気持ちを客観視しやすく、感情にとらわれて衝動的に行動することが少ないです(つまり、感情知性が高いともいえます)。
それとは逆に、「感情の粒度」の低い人はちょっとしたことでも最悪な気分ととらえ、衝動的に行動しやすいのです。
この感情の粒度を上げて感情知性を高くするには、さまざまな言葉を使って感情を表現することが勧められています。
前回の詳細はこちら

今回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の2つ目「1日再構成法」をお話ししていきます。
- 「後悔しない選択」をするためのトレーニング法-5つのキーワード
- 感情知性
- 1日再構成法
- トーナメント方式
- プチ断食
- コアバリューノート
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「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法
トレーニング法② 1日再構成法
2つ目のトレーニング法の「1日再構成法」とは、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの行動科学教授 ポール・ドーラン氏が提唱した方法で、
「幸せな選択をするにはどうしたらいいか」
という研究をまとめたもの、といわれています。
これは、1日のうちに行った選択を記録し続けることで、自分が本当に幸せを感じた選択はどれなのかを把握する、というものです。
自分の注意を何に振り分けるかで幸せは決まる
ドーラン教授は、
人間の幸せは自分の注意を何にどう割り振るかで決まる
といわれているそうです。
注意力はどんどんすり減っていくものであり、限りのある資源のようなものです。その希少な注意をどう割り振っていくかが幸せになるために大切なのですね。
ところが、現代の私達の暮らしには注意を奪う情報や刺激が多くあります。
価値や幸福をもたらさないものに注意を向けていては、本当に価値のあるものに注意がいかず、通り過ぎてしまいかねません。
そうなれば価値あるものに注意を向かなかったことを後悔することになりますね。
裏を返せば、自分にとって価値ある選択はどれであったかを見返すことで、「後悔しない選択」をするために何に注意を払えばいいかがわかり、無駄な反応をしなくてもよくなります。
そのためのトレーニング法が「1日再構成法」です。
1日再構成法の実践例
実践例として、仕事のあとに「同僚とお酒を飲みに行く」という選択をした場合が紹介されていました。
「1日再構成法」では、1日の終わりに、自分の選択によって起きた出来事を、次の項目を満たすように記録することが勧められています。
- 開始時刻
- 終了時刻
- やっていたことの内容
- 誰とやっていたか
- 得られた快楽はどの程度だったか(1~10点で採点と寸評)
- 感じたやりがいはどの程度だったのか(1~10点で採点と寸評)
「同僚とお酒を飲みに行く」という選択をあてはめると、
- 20時00分
- 22時30分
- 居酒屋で上司への不満を肴に酒を飲んだ
- 同僚のA、B、Cの3人
- 5点-最近あった上司の理不尽な振る舞いへの不満を言って、少しすっきり
- 2点-家で英会話の勉強をしていたほうがよかったなと思った
のように、自分が1日の間にどんな選択をし、どう感じたかを記録していきます。
ポイントは「快楽」と「やりがい」を分けて評価するところ、といわれています。
快楽は衝動的な視点、
やりがいは建設的な視点です。
快楽を求めるのがダメで、やりがいだけを重視するのがいい、というわけではなく、どちらもバランスよく揃っているのが理想です。
それは、快楽だけではやがて虚しくなり、苦しくもなりますし、
やりがいだけを求めていては息苦しく、続けられなくなってしまうからです。
快楽とやりがいの両方を書き出していくことで、自分にとって価値ある選択、後悔せずに幸福感へとつながる選択とは何かがわかるようになってきます。
そうなれば、本当に幸せを感じる選択に注意を払えるようになっていけるのですね。
大事なのは“継続”
これは「1日再構成法」に限ったことではありませんが、大事なのは続けることです。
目安として約2ヶ月記録をつけることで、自然と「快楽」と「やりがい」のバランスを踏まえた選択ができるようになります。
ぜひ記録と見返しを続けて、自分にとって幸せになれる選択に注意を向ける力を磨いていっていただければと思います。
次回は、「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の3つ目「トーナメント方式」についてお話ししていきます。
まとめ
- 「1日再構成法」とは、1日のうちに行った選択を記録し続けることで、自分が本当に幸せを感じた選択はどれかを見極め、把握することです
- 幸せは、自分の注意を何に向けるかで決まる、といわれています。「1日再構成法」によって自分にとって価値ある選択はどれであるかがわかるようになれば、そこに注意を向けられ、幸福感を高めて後悔しないようになれます
- 「1日再構成法」のポイントは「快楽」と「やりがい」を分けて評価し、両方がバランスよく揃っている選択を把握することです
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