メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその24回目です。
前回は、メモリーバイアスへの対処法と、バイアスを避けるためのトレーニングについてお話ししました。
私達は進化の過程で、最悪な経験の記憶・特にネガティブだと感じた出来事の記憶が残りやすくなった、といわれています。
嫌な記憶ほど残りやすくなったことで、その記憶にとらわれて、非合理的な選択をしやすくなるのです(この働きがメモリーバイアスです)。
このメモリーバイアスに惑わされずに、合理的な判断をするための方法として、以下の2つをご紹介しました。
対策① 最高の体験・最悪の体験のどちらかしか思い出していないのではないか、と疑う
意識的に複数の体験を思い出し、記憶のサンプルを増やすことで、嫌な記憶のみにとらわれないようになります。
対策② 記憶に関する日記をつける
毎日の記憶を箇条書きにしてメモすることです。
小さな記憶も箇条書きにしていくことで、記憶の平均化が進みます(「今日はいいことはまったくなく、最悪な日だった」などとは思わなくなります)。
そして、書き残したことによって 後で日記を見返すことができ、それにより悪い記憶だけを思い出してモチベーションが下がったり、落ち込んだりするのを防ぐことが可能となるのです。
前回の詳細はこちら

今回は、「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法をご紹介していきます。
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「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法
「後悔しない選択」をするには、自分に合った、合理的な選択をするための方法を見つけて、訓練し、それを身につけることが欠かせません。
『後悔しない超選択術』の最後の章には、より「選択する力」を高めるための5つの訓練法が紹介されています。
以下が、そのキーワードです。
- 感情知性
- 1日再構成法
- トーナメント方式
- プチ断食
- コアバリューノート
いずれも不安やストレスをうまくコントロールし、バイアスの罠を避けることで、選択力を上げていこうというアプローチ、と説明されています。
これら5つのうち、すべてのトレーニングを継続的にする必要はなく、自分に合っていると思う1つや2つを続けるだけでも、十分に効果は得られるともいわれています。
これから訓練法を1つ1つ、詳しく見ていきます。「これは特に実践しやすそうだ。私に合っている」と思うものから、まずは一度、実践してみください。
トレーニング法① 感情を操る
「後悔しない選択」をする能力を上げるときに注目したいのが、「感情知性」です。
感情知性は、エモーショナル・インテリジェンス(=EI)ともいわれ、
- 自分や他人の感情を把握する能力
- 自分の感情をコントロールする能力
- 他人の感情にうまく働きかける能力
を総称したものです。
これは、遺伝的な要素の強いIQとは異なり、後天的な訓練によって身につけることができるといわれています。
※日本ではEQ(心の知能指数)と表記されがちですが、英語圏ではEIが一般的だそうです
この感情知性と「後悔しない選択」には、具体的にどのような関係があるのでしょうか。
感情知性が選択に与える影響とは?
アメリカのイェール大学では、感情知性に関する以下のような実験が行われたそうです。
まず研究者たちは、被験者に「20分間、100人の前でスピーチ」を行うように指示しました。
※ただし、このスピーチは実際には行われず、被験者に緊張と不安を抱いてもらうための偽の指示です
その後、被験者に
「インフルエンザのワクチンを注射しますか?」
「健康に気をつけるために運動をしますか?」
といった、いざ行うとなると面倒だと思うことをするかどうかの質問をしていきました。
私達は緊張や不安といったネガティブな気持ちを抱くと、合理的な選択ができなくなる傾向にあります。
実験でも、インフルエンザのワクチンを打ったり、運動をしたりすることはいいことだとはわかっていても、「面倒だから、やめておこう」と選択することが多いと予想されました。
ところが感情知性の高い人のグループの66%が「インフルエンザのワクチンを打つ」と答えたのです。
一方で、感情知性の低いグループは7%しか「インフルエンザのワクチンを打つ」という選択はしなかったことから、感情知性が選択に与える影響は非常に大きいといえます。
感情知性の高い人は、プレッシャーを受けた状況下でも、自分の感情を客観的に分析してコントロールできるため、合理的な選択ができるのですね。
ゆえに、感情知性を高めることができれば、緊張や不安を抱える状況下でも、後悔しない選択をする能力が保つことができるといえます。
感情知性を上げる2つの方法
ではどうすれば感情知性を上げることができるのか。それについて2つ、紹介されています。
①瞑想
1つ目は瞑想です。瞑想することで緊張や不安、ストレスを客観視でき、感情を調整することができます。
※具体的なやり方は、以下の記事で詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください
数息観についてはこちら

マインドフルネス瞑想についてはこちら

②感情の粒度を上げる
もう1つの実践法は、感情の粒度を上げることです。
「感情の粒度」とは、「自分の感情をどこまで詳しく表現できるか?」ということです。
感情知性が低い人は「感情の粒度」が低い、つまり、自分がいまどんな気分であるのか、なぜそんな気分になっているかを表現できない傾向にあります。
自分の感情がよくわからないゆえ、衝動的な行動、選択をしてしまうのです。
感情をどう表すかについては、
気分がいいといっても
- 幸せ
- 心地よい
- 満足
- 安心感
- 自信
など、さまざま表現ができます。
逆の感情も
- 頭にきた
- 悩んでいる
- がっかりしている
- 失望
- 不安
など、いくつもの言い回しがありますね。
そういったさまざま言葉を使って自分の感情をより正確に表現できる人が「感情の粒度」の高い人です。
この「感情の粒度」の高い人は感情のコントロールが得意であり、ストレスが大きい状況でも感情にとらわれることなく、衝動的な行動をとらないことがわかっています。
反対に感情の粒度の低い人は、小さなつまづきでも最悪な気分になり、非合理的な選択をしてしまうのです。
この感情の粒度を上げて感情知性を高めるには、さまざまな言葉を使って自分の感情を表現することです。
「気分がいい」「最悪」などど、ひと言で片付けるのではなく、
私は〇〇くらい気分がいい。上機嫌といってもいいくらいだ。こんな気持ちになったのは〇〇のおかげだろう。
私は少し気が滅入っている。不安な気持ちがある。それはこれから〇〇があるからだ。
と、「どんな気分か・どれくらいの気持ちか・なぜそう感じるのか」を意識して、ぜひ自分の感情を表してみてください。
次回は、「後悔しない選択」をするための5つのトレーニング法の2つ目、「1日再構成法」をお話ししていきます。
まとめ
- 「後悔しない選択」をするためのトレーニング法の1つが、感情を操ることです。自分の感情を把握し、コントロールする力(=感情知性・EI)の高い人は、プレッシャーのかかる状況下でも感情にとらわれずに、合理的な選択ができることがわかっています
- 感情知性を上げる方法として、以下の2つをご紹介しました
- 瞑想-
緊張や不安、ストレスを客観視でき、ネガティブな感情に巻き込まれなくなります - 感情の粒度を上げる-
感情の粒度とは、自分の感情をどこまで正確に表現できるかをいいます。「どんな気分で、どれくらいの気持ちで、なぜそう感じるのか」を意識して、さまざまな言葉を使って感情表現することで、感情の粒度は上がっていきます
- 瞑想-
続きの記事はこちら

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