メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその15回目です。
前回から、選択力を鈍らせてしまう5つのバイアスについてご紹介しています。
私達は大きな不安やプレッシャー、あるいはポジティブな感情を過剰に抱いているとき、すなわち心のバランスを崩しているとき、後悔する選択をしやすい、といわれています。
では心のバランスの乱れにいち早く気づけば合理的な選択ができるはず、と思われるかもしれません。
しかし心が乱れているときほど、これまでの経験からくる偏った見方(=バイアス)にとらわれやすくなり、「過去もこうだったから、今回もこうだろう。自分は間違っていない」という感覚に陥りやすくなるのです。
このようなバイアスによる後悔する選択を防ぐためには、
そもそもどのようなバイアスがあるのかを知り、
それぞれのバイアスに応じた対処法も知って、それを身につけること
が大切です。
前回は、選択力を鈍らせる代表的な5つのバイアス、その中でも特に「感情バイアス」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

感情バイアスとは“感情によって生じる意思決定や認知の歪み”のことをいいます。
ネガティブでもポジティブでも、過剰な感情は物事への適切な認識を妨げ、悲観的になり過ぎたり、あるいは楽観的になり過ぎたりして合理的な意思決定をできなくさせるのです。
このような感情バイアスの影響を和らげ、合理的な選択をするにはどうすればいいのか。
今回は、感情バイアスへの対処法をご紹介していきます。

選択力を鈍らせる5つのバイアス
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選択力を鈍らせる5つのバイアス
感情バイアスへの3つの対処法
感情バイアスの罠を避ける方法として、DaiGoさんは計3つの対処法を紹介されています。
まず、ペンシルベニア大学とデューク大学の共同チームが意思決定論のジャーナルに発表している「バイアスを避けるためのガイドライン」から2つ、挙げられています。
①自分の認知、判断が感情に左右されることがあると自覚する
1つ目は、自分の認知、判断が感情に左右されることがあると自覚することです。
「自分は感情になど左右されない、適切な意思決ができる」と慢心していれば、ろくに対策を立てることもしないため、まんまとバイアスの罠にはまり、不適切な選択をしてしまいます。
そのため「自分は感情や衝動に抗えない生き物だ」と心に刻み、その上で、「自分はどういう状況で特に感情的になってしまうだろうか」と振り返り、
「こういうときは、あの人からの意見を聞くようにしよう」
「衝動に駆られないよう、先を見通す習慣をつけよう」
という対策を施すことで、後悔する選択を避けられるのです。
②ストレスが大きいときに大切な選択をしない
2つ目は、ストレスが大きいときに大切な選択をしないことです。
怒りや焦りなどのネガティブな感情を抱いているときだけでなく、空腹や疲労感などのストレスも合理的な判断を歪ませる原因になる、といわれています。
ストレスを感じ、精神的に追い詰められていたときの選択は短絡的になるため、後悔する結果になるケースがほとんどです。
大切な選択は、後悔しない選択をするための習慣の中でも紹介されていたように、最もクリアな状態でいられる午前中に済ませるようにしてみましょう。
午前中での選択が難しい場合は、少なくとも強いストレスを感じているときには判断を先延ばしにすることが重要ですね。
また、すごく楽しいときにも注意が必要、とも指摘されています。
感情の振れ幅が大きく、バランスを崩しているという点では、楽しさや喜びもネガティブな感情と同じように合理的な判断を妨げてしまいます。
興奮のあまり判断力が低下し、より衝動的な選択をしてしまうことがありますね。
何かに挑戦をするときには自らを奮い立たせることは大切ですが、大きなリスクに関わる選択は、過剰にポジティブになっているときは回避しましょう。
③エモーショナル・ディスクロージャー
ストレスが過ぎ去るのをじっと待ってから大切な選択することも有効ですが、手早くストレスを手放せるテクニックも紹介されていました。
それが「エモーショナル・ディスクロージャー」という手法です。
エモーショナルは「感情」、ディスクロージャーは「開示」を意味します。
ストレスを感じている事態に直面したときに、自分の気持ちをありのままに書き出してみることが「エモーショナル・ディスクロージャー」です。
たとえば、
「実家から電話があり、親から結婚のことを遠回しに聞かれて、イラついた」
「取引先からの無茶振りがあり、休日出勤が確定してしまった。楽しみにしていた予定が潰れて、本当に残念だし、腹が立つ」
「子供に注意したとき、思わず感情的になって、ひどい言い方をしてしまった。感情をコントロールできなかったことを後悔し、自己嫌悪している」
などです。
このように、些細なこともいいので、ストレスと感情の動きを包み隠さずに、思ったままを書き出していくことが勧められています。
手書きでも、スマホのメモ機能でも、用途は問いません。
手軽にできるやり方であるものの、その効果は科学的にしっかりと認められている、といわれています。
日々の仕事や生活で、自分はどういったことにストレスを感じるのか、ネガティブな気持ちになりやすいかという記録を残すことで、
自分が特にストレスを感じやすいシチュエーションやタイミングがわかるようになり、「自分はこういったときに嫌な感情が出てきやすいから、こういった場は避けるようにしよう」と、ストレス対策を立てやすくなります。
ぜひ実践してみてください。
次回は、選択力を鈍らせる5つのバイアスの2番目「プロジェクション・バイアス」についてお話ししていきます。
まとめ
- 感情によって生じる意思決定や認知の歪みが「感情バイアス」です。感情バイアスを克服する方法として以下の3つをご紹介しました
- 自分の認知、判断が感情に左右されることがあると自覚する
-自分は感情・衝動に駆られやすい、と自覚することで、感情的になりやすい状況をあらかじめ想定し、事前に対策を施すことができます - ストレスが大きいときに大切な選択をしない
-ストレスがかかり、精神的に追い詰められてる状態では物事を短絡的に考えてしまい、後悔する選択につながります。ゆえにストレスを感じているときは、あえて選択を先延ばしすることが勧められています - エモーショナル・ディスクロージャー
-ストレスに直面したとき、思いのままにストレスや気持ちを書き出すことです。手軽にでき、手早くストレスを手放せる確かな効果があります
- 自分の認知、判断が感情に左右されることがあると自覚する
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