メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその14回目です。
前回は、「不安への対策をする習慣」の中で紹介されている、不安への2つの対策をお話ししました。

不安への 2つの対策
不安への対策の1つ目が、「呼吸法」「メンタルトレーニング」です。
呼吸を変える(ゆっくりと息を吐いて、ゆっくり息を吸う)ことを繰り返すだけで、肩の力が抜けて体の反応を変えることができます。
その数ある呼吸法の中でも、無理なく続けられる「タクティカル・ブリージング」が紹介されていました。
呼吸という、1つのことに集中することで、脳の鎮静作用が活発になり、落ち着きを取り戻しやすくなるのです。
メンタルトレーニングとしては「瞑想」が勧められています。こちらも数ある瞑想法がある中で、初めてでも試しやすい「数息観」という方法が紹介されていました。
ポイントは、注意がそれてしまったときでも、あまりに気にせずに呼吸に意識を戻すことです。それによって日常生活で心が乱れたときも、気持ちを整えやすくなります。
(詳細は、下記のリンクから前回の記事をご覧ください)
不安への対策の2つ目が、「解釈を変え、不安をエネルギーに変える」ことです。
不安をポジティブな要素として捉える(「この緊張は、ベストなパーフォマンスを発揮するための準備なんだ」と考える)ことで、その不安を物事に取り組むエネルギーへと変えることができます。
このように不安に対する解釈を変え、前向きな要素を見出すこと(=リフレーミング)で、不安に対処できるようになるのです。
前回の記事はこちら

今回から、選択力を鈍らせてしまう5つのバイアスとその対処法をご紹介していきます。
思い込みや思考の偏りは「バイアス」と呼ばれています。このバイアスは、私達の選択・意思決定に深く関与し、特に精神状態が不安定なときに大きな影響を及ぼすこともわかっているそうです。
選択力を鈍らせるバイアスにはどのようなものがあるのか、また、その対処法を見ていきます。
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選択力を鈍らせる5つのバイアス
心に余裕がないときほどバイアスにとらわれ、非合理的な判断をしてしまう
これまでの人生を振り返れば、どんな人にも後悔をする選択をした経験があると思います。
その後悔につながる選択したとき、直前のあなたの心はどのような状況だったでしょうか。
選択時の精神状態は、「選択する力(先を見通し、合理的に判断する力)」に大きな影響を与える、といわれています。
大きなプレッシャーを感じていたり、あるいは楽観的になり過ぎたりしているなど、心のバランスを欠いた状態では、後悔する選択をしやすいことが、心理学の研究でわかっているそうです。
先で思い出された後悔することになる選択したとき、あなたの心の状態も不安定であったのではないかと思います。
ゆえに後悔しない選択、合理的な意思決定をするには心の乱れに気づき、バランスを整えることが大切といえますね。
しかしやっかいなことに、私達は自分自身の心のバランスが崩れているかどうかを判断するのが苦手なのです。
自分の心の状態を常に省みることができる人は少なく、私達は知らず知らずのうちにストレスやプレッシャー、あるいは過剰なポジティブ感情にとらわれ、非合理的な選択をし、後悔するという事態に陥っています。
なぜ自分の心の状態に気づけないのでしょうか。
その原因は、物事を、これまでの経験からくる先入観・偏った見方で判断するという「バイアス」にあります。
日々、たくさんの情報を処理しなければならない脳は、「過去もこうだったから、今回もきっとこうだ」と、バイアスを使ってすばやく判断を下せるように発達してきた、といわれています。
その結果、心に余裕のない状態ほど脳が楽をしようとしてバイアスをかけて、あたかも合理的な判断をしているような感覚になるのです。
後悔する選択を招く、5つの代表的なバイアス
後悔する選択を招くバイアスにはどのようなものがあるのか。DaiGoさんは代表的なバイアスとして、以下の5つのものを挙げられています。
①感情バイアス
自分にとって不快な事実を認めようとせず、肯定的な意見ばかりを取り入れようとするもの。
②プロジェクション・バイアス
現在の感情を基軸にして、未来に獲られる幸福の量を見積もってしまうもの。
③サンクコスト・バイアス
すでにかけたお金や時間の元を取ろうとして、損な取引を続けてしまうもの。
④正常性バイアス
多少の異常事態が起こっても、それを正常の範囲内と捉えて、心の平静を保とうとするもの。
⑤メモリー・バイアス
過去の歪められた記憶に基づいて未来の選択を行ってしまうもの。
これらのバイアスをよく知り、対処法を学んで、ゆくゆくはそれを身につけることで、どんな心理状態でも合理的な判断ができるようになる、といわれています。
今回は、1つ目の感情バイアスとはどのような状態であるかを見ていきます。
後悔につながるバイアス① 感情バイアス
怒りや焦り、不安、喜びなどの感情は 人間の選択に強い影響を与える、といわれています。
たとえば、悲観的なときは必要以上にリアリストになったり、焦っているときは直感的な思いを信じやすくなったりします。
あるいは、怒っているときは判断基準が厳しくなり、反対に喜んでいるときは基準がゆるくなることがありますね。
また感情は、間違いだといわれる情報を正しいと思い込んでしまうなど、物事の認知の仕方にも影響を与える、ともいわれています。
これらの感情的要因による意思決定・認知の歪みが「感情バイアス」です。
同じ人の言動でも、自分の気分が良ければ受け入れられるものの、自分がストレスを感じているときにはその言動が鼻につくことはないでしょうか。
その気分のいい・悪いによって、物事の認知の仕方が変化し、その後の意思決定にも影響が出るのですね。

感情による認知の仕方の変化
本来は合理的な判断ができる人も、感情にとらわれると、何でもないことをネガティブに捉えてしまい、後悔につながる非合理的な選択をしてしまう可能性があります。
このような感情バイアスの影響を緩和し、非合理的な選択を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
次回は、感情バイアスへの具体的な対策法をご紹介していきます。
まとめ
- 極度にプレッシャーを感じていたり、楽観的になり過ぎたりなど、心のバランスが欠いた状態は後悔する選択をしやすい、といわれています。その心のバランスの崩れに気づきにくくしているのが「バイアス(これまでの経験からくる先入観・偏った見方)」です
- 後悔を招くバイアスとして、以下の5つが挙げられています
- 感情バイアス
- プロジェクション・バイアス
- サンクコスト・バイアス
- 正常性バイアス
- メモリー・バイアス
- 怒りや焦りや不安、あるいは喜びなどの感情によって認知や意思決定が歪められるのが「感情バイアス」です。この感情バイアスによって、何でもないことも悲観的に捉え(あるいはポジティブに捉えすぎて)、後悔する選択をしやすくなります
続きの記事はこちら

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