メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその12回目です。
前回は、後悔しない選択をするための習慣の2つ目「難しい選択は午前中に済ませる習慣」についてお話ししました。
私達は意思決定を続けていると、物事を判断する力(=意志力)が低下していき、やがては枯渇してしまいます。
意志力が欠けている状態(選択疲れ)では、楽な選択肢へと流れ、やるべきことを簡単に先延ばししてしまうのです。
その選択疲れを避け、先延ばしを防ぐために勧められているのが、「特に難しい選択は午前中に済ませる」習慣を身につけることです。
朝起きてから2時間が脳が最もクリアな状態であるため(中でも朝食後の30分間がゴールデンタイムとされています)、その時間に1日のスケジュールを組み、午前中に特に集中力を必要とする取り組み、知的な作業を入れる。
そうすることで、力を入れるべき作業にリソースを注ぎ込めて、余計な意志力の消耗も防止できるのですね。
前回の詳細はこちら

今回は、3つ目の「不安への対策をする習慣」をご紹介します。
- 後悔しない選択をするための3つの習慣
- 複数のサンプルを用意する習慣
- 難しい選択は午前中に済ませる習慣
- 不安への対策をする習慣
スポンサーリンク
後悔しない選択をするための3つの習慣
不安への対策をする習慣
不安は、あなたの眼を曇らせ、後悔する選択を引き寄せる、といわれています。
不安傾向の強い人は、身の回りの環境や状況の変化に気づきにくく、新たな価値観や取り組みを受け入れにくいということが、ダニエル・カーネマン博士(心理学車・行動経済学者)の研究で明らかになっています。
通常の状態であれば、いくつもの選択肢があることに気づき、状況に応じて適切な意思決定ができる人であっても、不安に駆られてしまうと、視野が狭まって特定の行動しか取れなくなったり、考えすぎて動けなくなったりしてしまいます。
不安な状態のままでは、消極的な選択しかできないか、選択を先延ばしにするかになり、状況は改善されないのですね。
さらに、不安な状態では「ネガティブバイアス」が呼ばれる心理状態が働きやすくなる、といわれています。
ネガティブバイアスは、否定的な現象に目が行くことを指します。
「失敗する可能性が高そうだから、どうせやってもうまくいかない」
「以前もできなかった。今回もその二の舞になる」
など、出来事のネガティブな面ばかり見てしまうのです。
このように不安を抱えたままでは、視野が狭くなり、ネガティブバイアスも働いて悪い面ばかりを見てしまって選択の先延ばしをし、状況はよくならないどころから悪化する。
これでは、「あのとき、どうしてもっと積極的に行動しなかったのか。否定的に考えてばかりいるんじゃなかった」と、後悔してしまいかねません。
ゆえに不安を抱えたまま対策を取らず、放置したままにするのは絶対NG、といわれています。
では、不安と向き合って、それに対処するには具体的にどうすればいいのでしょうか。
前提とすべきは「ネガティブバイアスの存在を意識すること」
まず、前提とすべきは、ネガティブバイアスの存在を意識することです。
「自分は不安に駆られ、過度な心配をしているかもしれない」
「冷静さを失い、悪い面ばかりを見てしまっているのではないか」
と、ネガティブバイアスにとらわれていることに気づければ、落ち着きを取り戻し、状況を見直すことができるでしょう。
物事を見るときの偏りに気づき、状況を捉え直せば、以後の自分のふるまいや態度を変えることができ、事態を好転させることもできます。
例として、あなたが仮に取引先とのミーティングに数分遅刻をしたことが挙げられていました。
すでに参加者が揃っている会議室のドアを開くと、あなたの姿を見た取引先のキーパーソンが、微笑みとも怒りを隠した笑顔とも取れる中途半端な表情を浮かべました。
キーパーソンはあなたを見て喜んでいるでしょうか。それとも遅刻したことに不満を持っているでしょうか。
あなたは、キーパーソンの浮かべた表情をどのように受け止めるでしょうか。
ここで極度の不安を感じ、ネガティブバイアスが働いたならば、「遅刻を怒っている」と受け止め、ミーティング中は平静ではいられなくなるでしょう。
失敗を取り戻そうと無理をして、不用意な発言をしてしまう可能性もありますね。
または、キーパーソンから厳しく遅刻を咎められることばかりを恐れ、ミーティングの内容が頭に入らず、別のミスを招くこともあるかもしれません。
一方で、ネガティブバイアスが不意に働いていることに気づければ、
「キーパーソンは遅刻したことをかなり怒っているかもしれないが、会議中にそのことを気にしても、集中力を欠いて、もっとミスを重ねるかもしれない。ここはまずミーティングに集中し、ミーティング後に誠心誠意、謝罪をしよう」
と思えて、気を取り直してミーティングに臨めるでしょう。
このように、不安や恐れの感情を受け止め、ネガティブバイアスの存在に気づければ、物事の解釈を変えられ、見えてくる世界はガラリと変化し、その後の選択・行動も前向きなものになり、状況をよくしていくことができるのです。
次回は、ネガティブバイアスにいち早く気づき、不安に対処して合理的な選択ができるようになる2つの対策をご紹介していきます。
まとめ
- 後悔しない選択をするための習慣の3つ目が「不安への対策をする習慣」です。不安傾向の強い人は視野が狭まり、身の回りの環境や状況への変化に気づきにくく、新たな価値観を受け入れにくいため、思い切った選択肢を取ることが難しく、行動を先延ばしにしがちです
- また、不安はネガティブバイアスをもたらし、否定的な面をばかりを見てしまうことで、先延ばしに拍車がかかります。結果、状況は悪化し、積極的に行動しなかったことを後悔しかねません。不安な状態を放置するのはNGなのです
- 不安に対処する前提として、ネガティブバイアスの存在を意識すべきといわれています。ネガティブバイアスに気づくことで、状況を冷静に捉え直すことができ、自分のふるまいや行動が変えられ、事態の悪化を防げます
続きの記事はこちら

スポンサーリンク