メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその11回目です。
前回は、後悔しない選択をするための習慣の1つ目「複数のサンプルを用意する習慣」についてお話ししました。
私達にはバイアス(物事の見方の偏り)による思い込みや、社会的証明の心理が働くことで、誤った判断による選択をし、後悔することがあります。
第一印象のみでその人の内面までいい人と思い込み、その人の欠点が目に入らなくなって不用意に信用してしまったこと、
周囲の判断こそ正しいと思い、評価やレビューを鵜呑みにして、実は欠陥のある商品を買ってしまったことなどがあったかもしれません。
そのようなバイアスや集団からの影響に大きく左右されることなく、合理的な選択するにはどうすればいいのか。それには複数のサンプル(判断材料)を用意する習慣をつけることです。
具体的には、
- 対立する意見を求める
- 自分自身を他人に置き換える-「〇〇さんが自分の立場だったとしたら、どう考えるかな?」と想像する
- 2冊ほど文献(特に科学的な根拠にもとづいて意見が述べられている書籍)を読む
という方法を取り入れることで判断材料が増やせて、バイアスや思い込みに気づきやすくなる、ということをお話ししました。
前回の詳細はこちら

今回は、2つ目の「難しい選択は午前中に済ませる習慣」をご紹介します。
- 後悔しない選択をするための3つの習慣
- 複数のサンプルを用意する習慣
- 難しい選択は午前中に済ませる習慣
- 不安への対策をする習慣
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後悔しない選択をするための3つの習慣
難しい選択は午前中に済ませる習慣
選択し続けると、疲弊して判断力が著しく落ちる
私達は1日のうちに約70回もの人生を左右する選択を行っている、といわれています。
日々の生活の中で「やる/やらない」「決める/決めない」「Aか、Bか、Cか」といった選択を繰り返すたびに、私達の物事を判断する力(意志力といわれます)は減少していき、疲弊して集中できない状態に陥っていくのです。
多くの人は、家を出る朝は意欲十分、高いモチベーションを持っていますが、退社時間になる頃には疲れてしまいますね。
夕方は特に意志力が枯渇している時間帯であり、それは当然であるといえます。
意志力が低下し、判断力が欠如した状態での選択は、できるだけ楽な選択肢へと流れてしまい、後悔しやすいものになるのです。
いつまででも覚えていて、判断力を鈍らせる?“先延ばし”が与える悪影響
あるいは、選択すること自体を先延ばしにするかもしれません。
しかし脳は先延ばしにしたことを忘れない、ともいわれています。
先延ばしにしたことは気にかかるものです。
あなたがその何かを気にかけていると、それを忘れてしまうことを灰白質(脳の神経細胞の集まり)が恐れ、「リハーサルループ」と呼ばれる脳の一群の領域を活動させるそうです。
すると延々と先延ばししたことを気にし続けてしまいます。
そうなれば脳は疲弊しやすくなり、別の物事の判断・選択にも悪影響を与えかねないのです。
選択疲れは考えることの放棄、選択の先延ばしを招く
選択疲れによる判断力の欠如の顕著な例が、イスラエルの刑務所において下される仮釈放の決定です。
スタンフォード大学のジョナサン・レバブ氏とベン・グリオン大学のシャイ・ダンジガー氏が、1年間に下された1100件以上の仮釈放決定の選択について分析したところ、その選択に最も影響を与えていたのは“受刑者が審問を受けた時間”だったのです。
具体的には、まず、仮釈放が認められた件数は、仮釈放の申請に対して約3分の1でした。そして、仮釈放が認められた受刑者の約70%が午前中の早い時間に審問官の審問を受けていました。
一方で、午後の遅い時間に審問を受けて仮釈放された受刑者は全体の10%にも届いていなかったのです。
審問の時刻よってこうも決定にばらつきが出たのは、選択疲れにあったと考えられています。
受刑者の今後の人生を決めかねない仮釈放の可否という、重要な選択であっても、夕方に近づいて疲れがピークに達してくると、さまざまな要因(仮釈放でいえば、受刑者の民族的背景、犯罪や判決の内容、刑務所での生活態度など)を分析し、比較検討する力が残っておらず、無難なほうを選択していたのしょう。
このような選択疲れをおこせば、綿密に考えることが煩雑になってしまい、衝動的な選択や、あるいは選択の回避による先延ばしを招きやすくしてしまうのですね。
朝の時間に行動プランを立て、難しい選択こそ午前中に済ませる
この選択疲れを避け、先延ばしを防ぐためには、「特に難しい選択は午前中に済ませる」ことを習慣化することです。
脳科学の研究によると、脳は朝起きてから約2時間が最もクリアな状態であり、中でも朝食を摂った後の約30分間がゴールデンタイムとされているそうです。
1日の中で最も自制心が強まっているこの時間帯にこそ、人生を左右するような意思決定や、集中が特に必要となる新しい取り組みを持ってくるべきなのですね。
このセルフコントロール力が最も高い時間帯を有効活用するには、事前にスケジュールを組んでおくことです。
朝のフレッシュな状態のうちに、その日のスケジュールを組み立ててしまいます。
「最初は何から始め、何時を目処に終わらせるのか?」
「次に取りかかる仕事は何か? 途中で割り込む仕事はないか?」
などを考え、特にお昼前の時間(11時前)までに知的な作業を組み入れておきましょう。
こうしてスケジュールを組んでおけば、最も難しい作業や意思決定に 最も力を入れることができ、余計な選択疲れを予防することも可能になりますね。
作ったプランは紙に書き出すなど、可視化できるようにしておくことも勧められています。書き出しておけば、プラン通りに物事が運ばない場合でも、慌てずに対応できます。
- 難しい選択は午前中に行う
- 朝のうちに1日の行動プランを作っておくこと
をぜひ心がけ、習慣化していただければと思います。
行動プランの作成に関するプラスアルファとして、「自分の中でルールを作る」ことも合わせて勧められています。
「朝食は何を食べるか」「いつ家を出るか」「スケジュールは何に記入するか」など、毎日の行いはあらかじめルールを決めて選択肢を絞っておけば、意志力を余計に使うことを避けられます。
次回は、後悔しない選択をしないための習慣の3つ目「不安への対策をする習慣」についてお話ししていきます。
まとめ
- 私達は決断を繰り返すたびに、物事を判断する力が減少していき、やがては疲弊して集中できない状態(選択疲れ)になります。選択疲れを起こすと、できるだけ楽な選択肢を選んだり、決断を先延ばしにしたりしがちになり、選択に後悔する可能性を高めてしまいます
- 決断を先延ばしにしても、脳は先延ばしにしたことを忘れないため、疲弊しやすい状態になり、後の選択にも影響を与えるのです
- 選択疲れを回避し、先延ばしを防ぐには、脳がクリアな状態である朝早い時間に難しい選択をすることです。脳がフレッシュな時間に1日のスケジュールを組み、難しい作業をお昼前の時間に入れることで、難しい選択に最も力を入れて取り組めます
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