メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその10回目です。
前回は、後悔しない選択をするための6つの準備の「プランやコストを明確化する」のコスト面、また、客観的に自分を見るトレーニングについてお話ししました。
取りうる選択肢のコスト面を明確にする(=コストベネフィット)ことで、より合理的な判断が可能になります。
例えば、1時間並んで人気店のラーメンを食べるという選択肢の、時間も含めたコストを考えれば、800円(ラーメン代)+1500円(1時間 仕事した時に得られるおおよその金額)=2300円となります。
この体験にその金額分の価値があるかどうかを考えることで、衝動的な行動を抑え、より合理的な判断による意思決定が可能になる、というのがコストベネフィットでした。
また、自分を客観視することで より合理的な選択ができるようになる方法として、「プロセスビジュアライゼーション」をご紹介しました。
自分の行動を録画して記録し、それを確認することで、第三者としての目線を持ちやすくなり、選択の合理性の見極めに役立つのです。
詳細はこちら(前回の記事)

今回から、後悔しない選択をするための習慣についてお話ししていきます。
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後悔しない選択をするための3つの習慣
何を選択するかは、私達が持っている習慣に大きく依存しています。ゆえに合理的な選択につながる習慣を身につけることができれば、後悔する選択をする可能性を低めることができますね。
その後悔しない選択をするための習慣として、以下の3つが紹介されています。
- 複数のサンプルを用意する習慣
- 難しい選択は午前中に済ませる習慣
- 不安への対策をする習慣
今回は、「複数のサンプルを用意する習慣」について詳しく見ていきます。
後悔しない選択のための、複数のサンプルを用意する習慣
複数のサンプルが必要な理由① 確証バイアス
複数のサンプル(判断材料)を用意する習慣を持つことは、思い込み(バイアス)による弊害を取り去ってくれる、といわれています。
バイアスの中でも特に知られているのが「確証バイアス」だと思います。
それは、自分の思い込みに一致するような、自分の考えの正しさの証拠となるような情報ばかり目につきやすくなる、という見方の偏りのことです。
例えば、ある初対面の人に「この人はいい人だ」という第一印象を持つと この確証バイアスが働き、「いい人」と思った人のいいところ、「親切な人」と思った人の親切なところばかりを探すようになります。
それと同時に、その人の不出来なところや欠点は目に入らなくなる、目に入ったとしても「これはたまたまだ、めったにないことだ」と思わせ、曲解をさせてしまうのです。
もちろん、第一印象だけでなく、内面もいい人、素晴らしい人もたくさんいますね。相手の長所を認めることで、相手の良さがますます引き出されることもあるでしょう。
しかし中には第一印象がいいからといって、内面もいい人とは限りません。不用意に相手を信じたことで傷つく恐れもあります。
これとは逆のケースとして、第一印象の悪さから、その人の悪い面ばかりに注目し、「この人は冷淡で、こちらのことなど気にもとめない人だ」という偏った評価をしてしまうこともあるでしょう(その人が感情表現が苦手なだけで、内面は優しく、利他心の強い人であれば、大きな損失になりますね)。
そのような第一印象による確証バイアスに惑わされることなく、冷静な判断ができるようになるための効果的な対策が「いろんなサンプルを用意しておく」ことなのです。
複数のサンプルが必要な理由② 社会的証明
複数のサンプルが必要とされる理由としてもう1つ、「社会的証明」の影響が指摘されています。
「社会的証明」とは、自分の判断よりも周囲の判断のほうが正しいと考え、ゆえに「周りと同じことをしたい」と思う心理のことです(バンドワゴン効果ともいわれますね)。
「みんないいと言っているから、いいに違いない。すごいに違いない」と思って、その思いに従った行動をするのは、社会的証明の影響といえるでしょう。
小売店などで人気商品のランキングが展示されているのは、店舗が社会的証明を購買につなげようとしているから、ともいわれています。
自分が使った経験のないものを購入しようというときは、特に他人の感想、評価、レビューが気になりますね。
そのような口コミや他人の評価は、ある程度 選択の幅を狭めて、選択までの時間を短縮してくれるという利点もあります。
しかしみんなが選んでいるからとって、その選択肢が自分にとって適切とは限りませんね。
「レビューをあてにして買ってみたけれど、イマイチだった」という経験をしたことのある方は多いと思います。
社会的証明から大きく影響を受けることなく、自分にとって適切な選択をすることにおいても、複数のサンプルを用意することは有効といえるのですね。
複数のサンプルを用意するには?具体的な3つの方法
では複数のサンプルを用意するには、具体的にどうすればいいのでしょうか。
私達は何かを選ぶとき、人から最初に勧められ、「いいかな」と感じたものをなんとなく選択し、それがいいものと思い込みがちです(先の「確証バイアス」と「社会的証明」の影響ですね)。
その思いが正しいどうか見極める方法として、以下の3つが紹介されています。
①対立する意見を求める
自分とは真逆の意見を見聞きすることで、自分の選択肢が本当に正しいのかどうか、立ち止まって考えることができます。
②自分自身を他人に置き換える
他の人の立場(上司や同僚、自分と対立しやすい人など)になって考えることで、自分では見えなかった箇所にも目が行くようになり、新たな意見が想定できるでしょう。
③2冊ほど文献を読む
科学的な根拠にもとづく分析をしている書籍を読めば、より客観的な視点に立ち、思い込みから脱しやすくなります。
これらの方法を取り入れて判断材料を増やしていけば、バイアスによる思い込みに気づきやすくなり、客観的かつ合理的な判断ができるようになるのです。
まずこれらのやり方を試し、ぜひ習慣化していただければと思います。
次回は、後悔しない選択をするための習慣の2番目「難しい選択は午前中に済ませる習慣」についてお話ししていきます。
まとめ
- 不適切な選択をしてしまう原因に、確証バイアスや社会的証明による影響があります。第一印象による思い込みに一致するような物事への見方をしたり(確証バイアス)、みんながいいと思っているものを正しいと思ったり(社会的証明)することで、選択に後悔する可能性を高めてしまいます
- バイアスや社会的証明からの影響を小さくするには、複数のサンプルを用意し、客観的な視点を持つことです。複数の判断材料を用意する方法として、以下の3つをご紹介しました
- 対立する意見を求める
- 自分自身を他人に置き換えて、他の人の立場で考える
- 2冊ほど文献を読む(著者の主観的な意見ばかり書かれてはいないか、科学的な根拠にもとづいているかどうか、という点も意識しましょう)
続きの記事はこちら

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