メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその8回目です。
前回は、後悔しない選択をするための6つの準備の4番目「第三者の目を意識する」についてお話ししました。
私達は「誰かに見られている」と想像すると、脳の認知機能が向上することがわかっています。
ゆえに何か選択をするときは、「この選択をするのを、あの人が見ていたら?」と想像するだけで、合理的な判断を下せる可能性が高まるのです。
このことから、人の目に触れるような環境(資格の学校で仲間をつくる、SNSで目標に対する進捗を伝えるようにするなど)に身を置くことにより、合理的な判断が下しやすくなるともいわれています。
また、「信頼できる友人が選択を迫られているとしたら、どうアドバイスするか」という第三者としての視点を持った上で選択をすると、より合理的な判断にもとづく選択ができること(サードパーソンチョイス)も明らかになっています。
さらには、自分にとって大事なもの(家族や仕事など)について考えると、脳の前頭葉の内側面が活性化し、他者からのアドバイスを自分のこととして聞けるようになることもご紹介しました。
詳細に関しては、前回の記事をご覧ください

今回は、6つの準備の5番目「未来の自分を想像してみる」からお話ししていきます。
- 「後悔しない選択」をするための6つの準備
- 人は衝動には抗えない生き物と心に刻む
- 知識や経験よりもアンケートの母数を重視
- 自分の時間感覚を過信しない
- 第三者の目を意識する
- 未来の自分を想像してみる
- プランやコストを明確化する
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「後悔しない選択」をするための6つの準備
準備⑤ 未来の自分を想像してみる
5つの目の準備が「未来の自分を想像してみる」です。
何かを選択するときに、「この選択は未来の自分にどんな影響を与えるだろう?」と考えることで、自分の中のこだわりや衝動と、選択とを切り離すことができる、といわれています。
これについて、ボストン大学が3歳から5歳の子供たちを対象に行った実験が紹介されていました。
その実験では、研究者によって子供たちが以下の4つのグループに分けられました。
- 近い過去の自分について考えてみる(その日の午前中に何をやったか?)
- 近い未来の自分について考えてみる(明日の午前中は何をしていそうか?)
- 遠い未来の自分について考えてみる(大人になった自分はどんな仕事をしているのか?)
- 今の自分について考えてみる(今の自分はどんな感情を持っているのか?)
それぞれのグループが5分間、自分の過去や未来について想像を巡らせたあと、選択する力にどのような影響が与えられたかがわかる いくつかのテストを受けてもらいました。
その結果、自分の近い未来について考えた2番目のグループの子供たちは、合理的な選択をする力が向上していたことがわかりました。
近い未来をイメージすることで、自分のあるべき姿、自分はいま何をすべきかがよりクリアになるため、衝動的な選択を避けることができるのですね。
未来を想像して合理的に選択するテクニック「10-10-10」
アメリカのジャーナリストであるスージー・ウェルチ氏(世界屈指の大企業 GE社の元CEO ジャック・ウェルチ氏のパートナー)は、合理的な選択に導く「10-10-10(テン・テン・テン)」というテクニックを提案しています。
「10-10-10」とは、重要な選択をしなければならないときは、この選択をしたら
- 10分後に自分はどう変わるのか
- 10か月後に後悔しないだろうか
- 10年後に自分は幸せになっているだろうか
と想像することです。
私達は人生を左右するほどの重要な選択をするときも、衝動や目先の利益の影響を受けている、といわれています。
そのため短期(10分後)・中期(10か月後)・長期(10か月後)の3つの未来を想像することで、より合理的な判断による選択ができるようになるのです。
準備⑥ プランやコストを明確化する
最後、6つの目の準備が「プランやコストを明確化する」です(今回はプランの明確化についてお話しします)。
たとえば、
「健康のために運動習慣をつけたい」
「読書を習慣にしたい」
などの、新しい行動習慣を身につけたいと思ったとします。
しかし新しい習慣というのは簡単には身につかず、数回は行動に移したとしても挫折してしまうことが多いでしょう。
習慣化できない理由の1つが、「なるべく体を動かそう」「時間のあるときには読書をしよう」など、プランが漠然としていることにあります。
漠然としたプランでは、脳は新しい習慣を実現する選択をし続けることはかなり難しいのです。
「体を動かそうと思っても、何から始めればいいのかな? 外に出て走ろうとか、ジムに行こうか。そもそも近くにあるジムではどんな運動ができるのか。外に出るにしても、何を着ていこうか…。」など、あれこれ迷っていては、
そのうちに「まあ、とりあえず今日は様子を見よう」と楽な選択肢に流れてしまうのですね。
ゆえに、「明確なプランを書き出すこと」が勧められています。
プランが明確であれば、それを目にすれば毎日、確実にやるしかありません。その繰り返しによって、着実に習慣化できるのですね。
「朝の読書」の習慣化に関して、以下のようなプランが紹介されていました。
- 朝起きたあと、真っ直ぐステッパー(下半身の筋肉を鍛える運動器具)のところに行く
- ステッパーを踏みながら本を開く
- 25分間ステッパーを踏み続け、本を読み続ける
こうして選択肢を絞ることで、迷わずに実行できる可能性がグッと高まるでしょう。
事前に選択肢を絞り込むことで、脳がその選択を取りやすくなる
明確なプランを書き出すことの重要性は、この選択肢を絞り込むことにあります。
明確でないプランは、他の選択肢を選ぶ余地を与えてしまうため、脳が特定の選択肢を取り込みづらくなり、結局はこれまでどおりの楽な道を選んでしまうのです。
「~ならば、〇〇をする」と、条件が揃ったときにこれをやるという計画を立てておくと、選択肢がスッと限られ、その行動を取る確率が飛躍的に高まります。
資格の勉強であれば、「毎日30分、勉強する」と決めるだけでなく、
「家に帰って着替えた後は、机に真っ直ぐに向かって椅子に座り、教材を開く」
「夕食を食べ終わったらパソコンの前に座り、オンライン授業を受けられるサイトを開く」
など、こうなったらこうしようと事前に決めておくことで、スムーズに行動に移すことができます。
手帳やカレンダーに、次の日にやるべきこととそのタイミングを書き記しておき、可視化できるようにしておくことがおすすめです。
明確なプランは、望む選択肢を取り続けさせ、習慣化の実現を強くサポートしてくれるでしょう。
次回は、「コストの明確化」と、客観的に自分を見るトレーニング、そして後悔しない選択をするための「習慣」についてお話ししていきます。
まとめ
- 後悔しない選択をする準備の5つ目が「未来の自分を想像する」です。「この選択は未来の自分にどんな影響を与えるか?」を考えることで、こだわりや衝動と、選択とが切り離されます
- ジャーナリストのスージー・ウェルチ氏は「10-10-10」のテクニックを勧めています。短期(10分後)・中期(10か月後)・長期(10か月後)の3つの未来を想像することで、合理的な判断がしやすくなります
- 習慣化できない理由の1つが、プランが漠然であるために、ほかの選択肢を考える余地ができてしまい、迷った挙げ句に楽な道を選んでしまうことです。ゆえにプランを明確にし、選択肢を絞り込むことで、脳が望む選択を取り込めて、望む行動が繰り返し取りやすくなります
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