朝活主催の ゆう です。
スキルアップ!朝活では、わかりやすく話ができるためのプレゼン練習をしています。
また、そのプレゼンの題材である偉人・先人のエピソードを通して、仕事への取り組みや人間関係の構築で役に立つ人生訓も学ぶことができます。
このブログでは、その一部をご紹介しています。
前回は、ケンタッキー・フライドチキンの創業者であるカーネル・サンダースのエピソードをお話ししました。
前回の記事はこちら

今回は、中国の中山王についてのエピソードをご紹介します。
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たった一杯のスープが国を滅ぼす
昔、中国に、「中山(ちゅうざん)」という小国がありました。
ある日、王が、有名人を城に招いて宴会を開くことにしました。
さすがに王城だけあって、豪華な料理が、次々と運ばれてきます。
ところが羊のスープが配られたとき、何かの手違いで、一人分足りなくなってしまったのです。
司馬子期(しばしき)という男の前にだけ、届きませんでした。
中山王はそれに気付いていたものの、
たかがスープ一杯じゃないか。彼ならば、まあ、いいだろう
と軽く流して、一言も詫びず、そのまま宴会を続けました。
怒ったのは司馬子期です。「侮辱された」と、席を蹴って退出し、そのまま、大国・楚へ走ってしまいました。
怒りに燃える彼は、楚王をけしかけて中山国を攻撃させ、ついに滅ぼしてしまったのです。
中山王は、多くの臣下にも見捨てられ、逃亡するしかありませんでした。
すると、見知らぬ二人の男が、矛をひっさげて後からついてきます。「そなたたちは、いったい何者か」と王が尋ねると、二人の男はこう話ししました。
かつて父が餓死しそうになった時、国王は、一壺(いっこ)の食物を与えて下さいました。
そのおかげで、父は生き永らえたのです。
父は死ぬ間際に、『もし、戦争が起きたならば、おまえたちは必ず、王様のご恩に報いてくれ』と言い残しました。
それゆえ、本日、決死の覚悟で馳せ参じたのです。
中山王は、「ああ」とため息を漏らし、
人に施すということは、その量の多い、少ないは関係ないのだ。
その人が困っている時に、できるかどうかが重要なのだ。
どんなに小さなことであっても、相手の心を傷つけると、深い恨みをかうものなのだ。
私は、たった一杯のスープのせいで国を滅ぼし、わずか一壺の食物のおかげで二人の勇士を得た。
と、天を仰いで叫んだといいます。
「たった一杯のスープで国が滅ぼされるなんて」と大げさに思うかもしれません。
しかし私達は自分本位になって相手の立場に立てず、傷つけてしまうことも多いでしょう。
そうなれば、さすがに中山王ほどの報復は受けることはないにしても、人を傷つけた報いは、信用の失墜という形でやってくるのです。
自分のことを慕い、近づいてきてくれた人も、やがてはいなくなってしまいます。
「まぁ、いいだろう」と軽く流さずに、相手に迷惑をかけた、失礼なことをしたと思ったときは、心からの謝罪をしていきたいものです。
また逆説的に、中山王が施しをしたゆえに巡り巡って二人の勇士を得ることができたように、相手の立場に立って、困っている相手に救いの手を差し伸べれば、それもまた思わぬ良い結果となって返ってくるのですね。
まとめ
- 中山王は、「たった一杯のスープくらい、問題ないだろう」と配慮を欠いた言動によって相手を傷つけ、深い恨みを買いました。小さなことこそ気を遣い、軽く流さず、迷惑をかけた際は心から謝罪をすべきなのです
- 反対に、中山王からの施し、父が救われた恩を忘れずに決死の覚悟で中山王のもとへ馳せ参じた二人の勇士もいました。困っている相手に小さなことでも施しをすれば、それも巡り巡ってよい結果が返ってきます
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