メンタリストで有名なDaiGoさんの『後悔しない超選択術』を通して、合理的な選択をして幸せに生きる方法をご紹介しています。
今回はその4回目です。
前回は、人間にはそれぞれ異なる選択のタイプ(=意思決定スタイル)があり、それが私達の選択に大きく関わっていること、
意思決定スタイルには5つがあるなか、最も後悔する確率が低い意思決定スタイルは「合理的スタイル」であること、
合理的スタイル以外の選択タイプの人は、まず「自分は合理的な選択が苦手だ」と意識した上で、合理的スタイルに近づく習慣を身につけていくべきことをお話ししました。
その習慣は、以下の5つです。
合理的なスタイルに近づく5つの習慣 | |
1 | 自分のした選択について振り返り、評価する |
2 | 楽をしない |
3 | 長期的に考えてみる |
4 | 選択時の自信過剰、楽観的傾向を意識し、小さなテストを行う |
5 | 過去の失敗、経験から学ぶ |
合理的スタイルに近づく習慣の詳細は、前回の記事をご覧ください

今回は、選択して出た結果に対する受け止め方の2つのタイプをご紹介します。
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結果に対する2つの受け止め方とは?-マキシマイザーとサティスファイサー
結果に対する受け止め方として、
- マキシマイザー
- サティスファイサー
の2つが教えられています(スワースモア大学の心理学教授 バリー・シュワルツ氏が提唱)。
マキシマイザーは、いつも最高の結果を求め続けるタイプで、いわゆる完璧主義者です。マキシマイザーは選択の結果に満足することが少なく、常にストレスを溜める傾向にあるといわれています。
対してサティスファイサーは、最高でなくても ある程度の結果で納得できるタイプであり、完了主義者といわれます。サティスファイサーは「足るを知る」状態にあり、人生の満足度が高い傾向にあります。
5つの意思決定スタイルのどのスタイルであっても、結果に対してはマキシマイザー/サティスファイサーのどちらかの傾向を持っている、といわれています。
結果に対する受け止め方も、後悔する・しないに大きな影響を与えているのです。
マキシマイザー | サティスファイサー | |
結果に対する 受け止め方 | いつも最高の結果を求め続けるタイプ 完璧主義者 | 最高でなくても ある程度の結果で納得できるタイプ 完了主義者 |
結果への満足度 | 選択の結果に満足することが少ない 常にストレスを溜める傾向にある | 「足るを知る」状態にある 人生の満足度が高い傾向がある |
まず大切なことは、「自分の意思決定はこのスタイルで、結果への受け止め方はマキシマイザーだから、こう選択して、こう受け止める傾向にあるんだ」と、知っておくことです。
そうすれば合理的な選択のための対策も明確になります。
マキシマイザーはさらに2種類に分かれる-促進系・評価系のマキシマイザー
また、マキシマイザーにはさらに2種類に分かれる、といわれています(カナダのウォータールー大学の研究による)。
そのタイプとは、「促進系マキシマイザー」と「評価系マキシマイザー」です。
促進系マキシマイザーは、多くの選択肢を徹底的に調べ上げ、選択の結果、他の選択肢に対して「こちらのほうがよかったかもしれない」という未練はあるものの、最終的な選択のポジティブな面も見出そうとする、といわれています。
対して評価系マキシマイザーは、「最高の選択肢があるはずだ」という前提に縛られ、ありとあらゆる可能性を検討しようとする傾向が強く、結果に対しても満足できないきらいがあります。
促進系マキシマイザー | 評価系マキシマイザー | |
結果に対する態度 | 多くの選択肢を徹底的に調べ上げ、「ほかの選択肢がよかったかも」という思いはあるものの、自らの選択の結果にポジティブな面を見出す | 「最高の選択肢があるはず」という前提に縛られ、ありとあらゆる可能性を検討し、 選んだ結果に納得できない |
結果に対する満足度 | 満足度が大きい | 満足度が低く、ストレスを溜め込み、ネガティブ思考を繰り返す |
各タイプの選択の仕方、結果への受け止め方
仮に、ネット通販である商品を買おうとした場合の、それぞれのタイプの商品の選び方、結果に対する受け止め方を見てきましょう。
サティスファイサーの場合
サティスファイサーであれば、おすすめの品をざっと見て、「これでいいかな」と決め、自分の求めていた水準を超えていれば満足します。
促進系マキシマイザーの場合
促進系マキシマイザーは、おすすめのリストにとどまらず、独自の基準でも多くの品の調べて見比べ、メリット・デメリットを比較しながら購入します。
購入後、「ほかの品のほうがよかったかな」と思いつつも、「いや、自分が買った品にはこんな機能があって、役立っている」と、ポジティブな面を見つけて納得するのです。
評価系マキシマイザー
これが評価系マキシマイザーとなると、「最高の品があるはずだ」と、ネット通販にあるあらゆる商品をチェックし、購入を決めるまでに膨大な時間をかけます。
にもかかわらず、「あっちにすればよかった」と思い、自分の購入した品の良さに目を向けず、自分の選択の結果に満足できないのです。
評価系マキシマイザーはこのように、「最高の選択があるはずだ」と、存在し得ない選択肢を最後まで探そうとすることで、これまで調べた情報を手放せなくなって、なかなか決断できなくなり、さらに最終的に選んだ結果にも満足できなくなります。
選択の過程でもストレスを溜め、結果に対しても不満を持ち、「やっぱりあれを選べばよかった」とネガティブな思考を繰り返してしまう(反芻思考)のですね。
ストレスを溜めやすく、心理的リスクの高い評価系マキシマイザーが持つべき心がけは?
評価系マキシマイザーは、マキシマイザーのなかでも人生に対する満足度が低く、精神的な障害へのリスクも高いです。
それに対して促進系のマキシマイザーは、情報を網羅し、選択肢を徹底的に比較するところは促進系のマキシマイザーと共通していますが、取捨選択し、結果にも良い面を見出すため、ストレスを溜め込む確率が下がるのです。
もし「自分はマキシマイザーで、どちらかといえば評価系のマキシマイザーに近い」と感じられたならば、サティスファイサー、あるいは促進系のマキシマイザーの感覚を学んでいったほうがいい、と勧められています。
「自分はマキシマイザーだから、選択肢を調べ上げないと気が済まないのは仕方ない。けれど、なるべく取捨選択していき、最後に決めた選択肢の結果は、どんな結果であろうと“良い面”を見つけるようにしよう」
このように心がけることで、選択に対する後悔の気持ちを抑え、ストレスを減らし、満足度を上げることができるでしょう。
次回は、合理的な意思決定をするためのトレーニング法、また後悔しない選択をするために必要な“準備”についてご紹介していきます。
まとめ
- 結果に対する受け止め方には、意思決定スタイルにかかわらず、以下の2つのタイプがあるといわれています。自分の意思決定スタイルと結果に対する受け止め方を把握することで、選択の傾向がわかり、後悔につながる選択への対策が立てやすくなります
- マキシマイザー(完璧主義、最高の結果を追い求める)
- サティスファイサー(完了主義、ある程度の結果で満足)
- マキシマイザーはさらに以下の2つのタイプの分かれます。評価系マキシマイザーである場合は、サティスファイサーや促進系マキシマイザーの感覚を学び、選択の結果の良い面を見ることが勧められています
- 促進系マキシマイザー(選択の結果にポジティブな面を見出す)
- 評価系マキシマイザー(選んだ結果に納得できない)
※選択肢を徹底的に調べ上げる、という点は共通している
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