「自分を変える」ときの7つのルール⑦ 簡単なのにやってない?行動を確実に変える“罰金ルール”-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術24

勉強会主催の ゆう です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。

『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

ゴールドスミス氏は、成功者に共通するのは<有利な条件>をつくり出すことといわれ、自分を変えてゴールへと到達するための<有利な条件>をつくれる7つのルールを紹介されています。

それが以下のものです。

  1. 行動を変えることでは直せない問題かもしれない
  2. 正しいものを直そうとするように
  3. 本当に何を変えなくてはいけないか、を勘違いしないように
  4. 聞かなくてはならない真実から逃げないこと
  5. 理想的な行動はどこにもない
  6. 計測可能なら、達成可能になる
  7. 結果を金銭に変え、解決策を見つける

前回は6番目の「計測可能なら、達成可能になる」ルールについてお話ししました。

前回の記事はこちら

「自分を変える」ときの7つのルール⑥ 計測して数値目標を立てれば、それは達成可能になる-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術23
勉強会主催のゆうです。『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、...

ビジネスであれば、売上や純利益、成長率など、数値の計測に多くの時間が使われています。

このような計測はハードデータのみならず、「ソフトな価値」-人に対して何回失礼な態度を取ったか、何度不必要な発言を控えて相手の話を聞くことに集中したのかなど-を計測すべきだ、とゴールドスミス氏はいわれています。

対人関係の悪い癖のような定性的な行動も計測は可能であり、計測すれば着実に行動は改善していくからです。

実際にゴールドスミス氏は、別のことをやらずに家族と4時間過ごした日数や、奥さんや子供と1対1で10分以上話す日数を計測したところ、その数は増え続けていったそうです。

数値目標を立てれば、その行動をやめる(あるいは行動を増やす)ことを意識できるようになり、その目標の達成確立はグッと上昇するのですね。

今回は、最後7番目のルール「結果を金銭に変え、解決策を見つける」についてお話しします。

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ルール⑦ 結果を金銭に変え、解決策を見つける

「ののしり箱」の設置でわかった意外な事実

ゴールドスミス氏が、「簡単なことなのに、問題を終わらせるために利用する人がほとんどいないことに驚かされる」といわれているものが、金銭的な対価です

自分がやめるべきだと思っている行動に対して、それをやったら実際にお金を払わないといけないルールをつくる、罰金を設けると、もっと自分の行動を気をつけるようになるのですね。

実際に、ゴールドスミス氏の友人がこのアイディアを使ったエピソードが紹介されています。

その友人は、子供たちが学校で覚えてきたであろう下品な言葉を使っているのに気づき、その言葉遣いをやめさせるために「ののしり箱」をつくりました。

悪態を吐いたら、その箱に1ドルの寄付をしなければならない、というものです。

父親は最初の週に1日数ドルずつを寄付しました。

そこで初めて気づいたのです。自分が子供たちのいる前で、いかに汚い言葉を使っていたか、ということに。

子供たちが外で覚えてきたと思っていた悪い言葉遣いは、実は、ほかならぬ彼の言葉遣いを真似たものだったのですね。

すると1カ月もしないうちに、その家庭から下品な言葉は消えてなくなりました。

「ののしり箱」の設置によって意外な事実が発覚したとともに、金銭が絡むことで、理由もなくお金を捨てるのが好きでない限り、着実に悪い習慣は改善されていくことがわかりますね。

金銭的な対価を利用する人はほとんどいない。しかしこんなに簡単で効果のあるものはない

人の行動を変えさせる動機にはさまざまありますが、金銭ほどわかりやすく、しかも効果のあるものはないでしょう。

「ボーナス、罰金、あるいは休暇のご褒美でも、行動を変えるのに効果があるものなら何でも認める」とゴールドスミス氏はいわれています。

簡単で、しかも確実な結果が得られるにもかかわらず、金銭的な対価を利用しないのはもったいないのです。

このやり方は、行動療法では「強化法」といわれています(心理学者のB・F・スキナーが提唱しています)。

「ある行動をするのが困難な時は、より簡単で楽しめる行動をする前に、その困難なほうの行動をやる」というものです。

困難なことをやり遂げた後に(あるいは悪い習慣を回避した後に)ご褒美を用意しておくと、行動に移しやすい、ということですね。

勉強や企画書の作成、執筆、気難しい人との交渉など、気の乗らないことに対して、「これをやり終えたら、好きなことをしよう、好きなものを食べよう」と決めるなど、強化法を試したことがある方も多いと思います。

困難な行動楽しめる行動

ところが、あまり思うような成果を上げることができた方は少ないのではないでしょうか。

それは、重要なポイントが抜けていたからです。
欠かしてはならないポイントは「やろうとしていたことをやらなかった場合には、逆に罰を与える」ことなのです

それをやらなかった(あるいはやってしまった)としても、痛みを伴わなければ、実行に移す可能性はガクッと下がってしまうのですね。

ゆえにご褒美を設けるとともに、金銭的なリスクも加えておく。こうすることで、行動改善をもっと意識するようになり、人の行動は変わっていきます。

問題を終わらせるために罰金を科すこと、あるいはお金を結果に結びつける解決案をつくり出すこと、いずれも効果があります。
ぜひ日常のなかで、金銭的な対価を利用したルールを考え、適用してみてください。

 

次回は、7つのルールを踏まえた上で、最後に紹介されている8番目のルール「最高の変わるタイミングは今だ」についてお話しします。

まとめ

  • 自分を変えるための、有利な条件をつくり出す7つ目のルールが「結果を金銭に変え、解決策を見つける」です。金銭的な対価を利用すれば、もっと自分の行動を意識するようになり、着実に行動は変化していきます
  • 困難な行動を実行させるのに役立つのが「強化法」です。困難な行動の後にご褒美を設けるだけでなく、やらなかった場合の罰も設定しておくことが、行動改善に欠かせないポイントです

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