「自分を変える」ときの7つのルール⑥ 計測して数値目標を立てれば、それは達成可能になる-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術23

勉強会主催の ゆう です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。

『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

ゴールドスミス氏は、成功者に共通するのは<有利な条件>をつくり出すこと、といわれています。

自分を変えてゴールへと到達するための<有利な条件>をつくるには、以下の7つのルールに従うべきだ、とも教えられています。

  1. 行動を変えることでは直せない問題かもしれない
  2. 正しいものを直そうとするように
  3. 本当に何を変えなくてはいけないか、を勘違いしないように
  4. 聞かなくてはならない真実から逃げないこと
  5. 理想的な行動はどこにもない
  6. 計測可能なら、達成可能になる
  7. 結果を金銭に変え、解決策を見つける

前回は5番目の「理想的な行動はどこにもない」ルールについてお話ししました。

前回の記事はこちら

「自分を変える」ときの7つのルール⑤ ベンチマーキングがもたらす弊害とは-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術22
勉強会主催のゆうです。『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、...

「人や組織の理想的な例、手本」をベンチマークといい、それを追求することをベンチマーキングともいわれます。

マーケティングでは有効な手法の1つとされていますが、こと自分を変えることにおいては「最大の障害となる」とゴールドスミス氏は戒められています。

それは、ベンチマークのように「完全になりたい」という欲望を持ってしまうと、そもそも完全にはなれないため、リソースを無駄に使うことにつながってしまうからです。

なりたい自分になるのに変える必要があるのはたった1つでよく、最も効果的な何か1つを変えるのに力を注ぐことが勧められています。

その1つに変化が起これば、必ず別の何かにも変化が起こり、最終的にはすべてが良い方向へ変わっていくのです(これについての2万のフィードバックがゴールドスミス氏にはあるそうです)。

完璧を追い求め、すべてを一気に改善しようとするのではなく、まずは最も変化が必要な1つを選んでいきたいですね。

今回は、6番目のルール「計測可能なら、達成可能になる」についてお話しします。

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ルール⑥ 計測可能なら、達成可能になる

ビジネスに従事されている人であれば、数値の計測に多くの時間を使われていると思います。

売上から始まり、純利益や成長率、売上経費比率、四半期ごとの目標の進捗率などを測りますね。

それは、会社がどのような状態かを知る唯一の方法です。
計測しなければ現在の状態がわからず、今後、どのような施策を打つべきか、どんな戦略を立てるべきかもわからなくなってしまいますね。

ゴールドスミス氏はこのような計測を、ハードデータのみならず、「ソフトな価値」についても行うべきだといわれています。

ソフトな価値とは、

  • 人に対して何回失礼な態度をとったか
  • 何回丁重な態度をとったか
  • 会議で「黙れ」という代わりに人の意見を何回求めたか
  • 不必要に扇動的な発言をする代わりに唇を噛み締めた回数は?

というものです。

対人関係で私達が行っている問題行動、あるいは適切な行動の回数を数値化すべきといわれているのですね。

普段、どれくらい対人関係を悪化させるような行動の数、反対にそれを良好にする行動の数を意識しているかと聞かれると、そもそも意識もしていなかったり、意識はしていたとしても数は問題にしていなかったりする方が多いのではないでしょうか。

しかしそのような定性的な行動であっても計測することは可能であり、計測すれば着実に行動は改善していくとゴールドスミス氏は指摘されているのです。

数値化することで自分の現在地がわかり、目指すべき方向や行動も明確になるからですね。

数値目標を定めれば、それを達成する確率は高くなる

ソフトな価値の計測の重要性は、ゴールドスミス氏自身が娘さんとの関係から知らされたそうです。

それは、ゴールドスミス氏が娘さんに「もっといい親になるにはどうすればいいかな?」とたずねたところ(もっとよくなるために、娘さんにフィードバックを求めること自体、すごいことですね)、

「パパはおうちにいるとき、電話で話したり、テレビでスポーツを観てばかりいて、私と一緒の時間をとってくれないわ」

となじられたのです。

この言葉に、ゴールドスミス氏は意味なく娘に苦痛を与えていたことに気づいて驚き、傷つきました。そして、これ以上最低の気持ちになることのないよう、対策を立てたのです。

それは、テレビ、映画、フットボール、電話に邪魔されずに家族と少なくとも4時間過ごした日を数え始める、というものです。

最初の年に、誰にも邪魔されることなく家族と過ごした日は92日。2年目は110日。3年目には131日となり、4年目は135日となったそうです。

家族と一緒に過ごす日を計測してからというもの、家族ともっと多くの時間を過ごせるようになり、家族を無視していたときよりも事業もうまくいくようになったといわれています。

一見、計測しづらそうなものでも、工夫次第で計測は可能であり(家族と何日過ごしたかはカレンダーを見て数えればいいので容易ですね)、そこから数値目標を定めれば、それを達成する確率は高くなる、とゴールドスミス氏は身をもって示されています。

ゴールドスミス氏の場合は家族と過ごす日にち、また奥さんやお子さんと1対1で10分間以上話す日数を計測されていますが、

先で紹介したソフトな価値、

失礼な態度をどれだけ取ってしまったか、
相手に何回、ポジティブな言葉を送れたか、
○分以上、口を挟まずに相手の話を聞くことができたか、
相手に余計なことを言わずに、いくつのアイデアに耳を傾けたか

など、対人関係で変えるべきこと、伸ばすべきことも計測可能であり、数値目標を立てることはできますね。

このようなソフトな価値を計測している人は非常に少ないと感じます、ゆえに実践すれば、周囲の人はあなたの変化にきっと気づかれるでしょう。

計測可能なら、それは達成可能になる」ことを念頭に置き、ソフトな価値の計測と数値目標の設定をぜひ行って、目指すべき自分へと近づいていきたいですね。

 

次回は、自分を変える<有利な条件>をつくるルールの最後「結果を金銭に変え、解決策を見つける」について詳しくお話しします。

まとめ

  • 失礼な態度を何度取ってしまったか、相手にポジティブ言葉を何回送れたかなどの「ソフトな価値」(対人関係での行動)は計測可能であり、数値化すべきだと勧められています
  • 定性的な行動も数値にすることは可能であり、計測すれば着実に行動が改善されます。ゴールドスミス氏は何にも邪魔さずに4時間以上家族と過ごす日数や、妻や子供と1対1で10分以上話した日数を計測したところ、その数は堅調に増えていきました
  • ソフトな価値を計測する機会は少ないと思います。それゆえに実践すれば、難しい行動改善も実現し、周囲へよい影響を与えられるでしょう

続きの記事はこちら

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