勉強会主催の ゆう です。
『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。
『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。
ゴールドスミス氏は、成功者に共通するのは有利な条件をつくり出していることであり、自分を変えるときも有利な条件を生み出す7つのルールに従うことによって成功へと着実に導かれる、といわれています。
その有利な条件を生み出すルールが、以下の7つです。
- 行動を変えることでは直せない問題かもしれない
- 正しいものを直そうとするように
- 本当に何を変えなくてはいけないか、を勘違いしないように
- 聞かなくてはならない真実から逃げないこと
- 理想的な行動はどこにもない
- 計測可能なら、達成可能になる
- 結果を金銭に変え、解決策を見つける
前回は3番目の「本当に何を変えなくてはいけないか、を勘違いしないように」ルールについてお話ししました。
前回の記事はこちら

人間関係の問題を解決して、望むゴールへ到達するには、
- 本当に変えるべきは何かを勘違いしないこと
- それを直すことで本当に効果があるかどうか見極める
ことが大切です。
問題解決につながらないことに時間と労力をかけていれば、それらは残念ながら無駄になってしまいます。
例として、ゴールドスミス氏は、マットというCFOとのエピソードを紹介されていました。
マットはCFOとしてのスキルには何の問題もなく、会社の歴代のCFOのなかで もっとも強いパワーを持っていました。
しかしそれゆえに自惚れて、周囲にぶっきらぼうな態度をとり、部下が近寄りがたい状態をつくっていたのです。
にもかかわらず、マットは「引き締まった体さえ手に入れられれば、すべてうまくいく」と頑なに主張し、部下への態度を変えようとしませんでした。
そもそも多忙なエクゼクティブが引き締まった体を手に入れて、その体型を維持するのは難しいことですし、仮にそれができたとしても、部下からはより反感を買う可能性があるため、会社でのさらなる成功を手にすることはとてもできないでしょう。
リソースを無駄にしないためにも「本当に何を変えなくてはいけないか」の見極めが大切ですね。
今回は、4番目のルール「聞かなくてはならない真実から逃げないこと」についてお話しします。
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ルール④ 聞かなくてはならない真実から逃げてはならない
『「できる人」の法則』が書かれた当時のゴールドスミス氏の年齢は50代後半だったそうです。
この年代の方でもっとも重要なフィードバックのひとつが、毎年行う健康診断の結果でしょう。特に50歳を越えた方には、その情報は生死を分けるかもしれない情報です。
ところがゴールドスミス氏は、そのフィードバックを7年間避けてきた、といわれています。
7年間、こう自分に言い続けてきました。
『健康な食生活』を実行してから健康診断に行こう。エクササイズを始めてから人間ドックに行こう。体型を整えてから診断を行おう。
「いまはそのタイミングではない。~したら、条件が整ったらやろう」という言い訳をしている人は多いと思います。
こういう言い訳をするのは、良いフィードバックが得たい、よく見られたいという思いがあるからですね。
健康診断の場合は、医者や歯医者のテストで「よい点」を取りたいと思うから、準備をするのです。
しかしこの行動のもっとも大きな理由は、「すでにわかっている真実から、逃げたいという気持ちだ」とゴールドスミス氏は指摘されています。
健康診断を受けないといけないのは知っています。それでも受けに行かないのは、聞きたくないことを言われるから、健康に関する悪いニュースを言われるからです。
悪いニュースを言われなければ、フィードバックを受けなければ、それ自体存在しないと思うのですね。
けれど悪いとわかっているにもかかわらず、聞きたくないからといってそのまま放置すれば、健康状態はどんどん悪い方向へと進み、体の状態は悪化していきかねません。
ゴールドスミス氏がいつも行う「真実をどれだけ聞いているか」を知るテスト。あなたは合格できますか?
私生活でも同じことだと言われています。
ゴールドスミス氏が大手企業の営業部門でセミナーをされるとき、いつもちょっとしたテストをされるそうです。
「会社は、顧客にフィードバックを聞くように教えますか?」とたずねると、参加者は一斉にうなずきます。
「それはうまくいきますか? それで何を改善すべきかわかりますか?」と重ねて聞くと、これまた全員がうなずきます。
次に、男性の参加者に注意を向けて「あなたは家では同じことをどのくらいしますか? つまり、奥さんに『もっとよいパートナーになるためには、私はどうすればいいかな』と尋ねますか」と聞くと、うなずく人はいなくなり、沈黙が続くのです。
「あなたたち男性陣は、そうした質問を必要だと思いますか?」と尋ねると、またしても一斉にうなずき、「もちろん」と声をそろえて言います。
「さて、あなたの奥さんは顧客よりも重要ですよね?」
これにもみな、うなずきます。
「では、なぜ家ではしないのですか?」
この最後の問いかけに、再び沈黙が訪れるのです。
奥さんとの関係は顧客よりも重要であり、奥さんからフィードバックをもらったほうがいいとわかりきっているにもかかわらず、それを実行しないのは、答えを恐れ、悪い知らせは聞きたくない、そこから逃げたいと思ってしまうからなのですね。
「批判を求めなければ、批判はそもそも無い」と私たちは考えてしまいます。
しかしその考え方は論理を無視してしまっており、フィードバックを聞かなければ、状況は悪くなるいっぽうでしょう。
ゴールドスミス氏は
否定するよりも真実を知るほうがよほどいい。
と言われています。
フィードバック・批判は自分の価値を下げるものどころか、「自分を良くしてくれるもの、成長させてくるもの、ゴールへの到達を確実にしてくれるもの」というマインドセットを持ち、真実を聞く耳を持ちたいですね。
次回は、5番目のルール「理想的な行動はどこにもない」についてお話ししていきます。
まとめ
- 自分を変えるための<有利な条件>を生み出すルールの4番目が「聞かなくてはならない真実から逃げないこと」です。健康診断の結果や職場や家庭でのフィードバックが悪いものとわかっていれば、その真実から逃げようとするのが私達です
- 悪いニュースを言われなければその事実がなくなることは決してなく、逃げれば逃げるほど、状況は悪化していきます。「否定するよりも真実を知るほうがよほどいい」と念頭に置き、フィードバックや批判は「自分を成長させてくれるもの、ゴールまで近づけてくれるもの」という考えを持つことが勧められています
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