フィードバックとの決定的な違いとは?“フィードフォワード”で得られる3つの大きな利点-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術17

勉強会主催の ゆう です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。

『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

ゴールドスミス氏は、目指すべき自分になって望みを叶える方法を、7つのステップで教えられています。

その7つのステップとは、

  1. フィードバック
  2. 謝罪する
  3. 公表する、宣伝する
  4. 聞くこと
  5. 「ありがとう」と言う
  6. フォローアップ
  7. フィードフォワードを練習する

です。

前回は、7つのステップの最後「フィードフォワードを練習する」についてお話ししました。

フィードフォワードは、単純でシンプルでありながら、それゆえにもっとも効果があるともいわれています。

フィードフォワードは、以下の4つのステップで行われます。

  1. 変えたいと思う行動を1つ選ぶ
  2. その目的をパートナーに直接説明する
  3. これから先、役立ちそうな2つのことを提案してもらう
  4. アイデアを注意して聞くこと

簡単にいえば、協力者から、自分が変えたいと思っている行動で、役に立ちそうな2つのことを提案してもらう(その提案を批判したり、善し悪しの判断をしない)というものです。

フィードフォワードの相手は1人に限る必要はなく、むしろ自分の現状を正確に知るにはいろいろな人に頼ったほうがいいのですね。

フィードフォワードの4つのステップの詳細はこちら

単純でシンプル、だからこそ自分を変える“フィードフォワード”の4つのステップ-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術16
勉強会主催の ゆう です。 『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。 『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミ...

このフィードフォワードは、「フィードバック」を劇的に改善したものだとゴールドスミス氏はいわれています。

今回は、フィードフォワードになったことで、どのような点が特に良くなったのか、非常に優れた点とはどこなのかについてご紹介していきます。

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フィードバックとの決定的な違いとは?“フィードフォワード”で得られる3つの大きな利点

フィードバックとフィードフォワード。この2つはどのように異なっているのでしょうか?

フィードバックは、過去に何が起きたのか、過去にあなたが何をしたかを探るのに実に役立つツールではあるものの、過去に何をしたかを持ち出すと、議論へと発展し、言い争いにもつながりかねないという恐れがあります

また、強い立場にある成功した人々にとって、ネガティブなフィードバックは聞きたいものではありません。

部下にとっても、上司へのフィードバックをやろうとはしません。上司へのネガティブな意見は、自分のキャリアに傷をつけることになりかねないからですね。

対してフィードフォワードは、これらのフィードバックの問題を克服しているのです(そこがフィードフォワードのもっとも優れた点であるとも、ゴールドスミス氏は語っています)。

フィードバックの問題を克服し、生み出される効果は以下の3つです。

①過去のことを持ち出し、議論になることを防ぐ

フィードフォワードは、これから先役立ちそうなこと、将来実践できるアイデアを求めるものであり、未来完了形のものなので、過去にしたことを持ち出して議論に発展することは防げます。

フィードフォワードは自分が改善したいと思っていることに対して、相手が「あなたの改善の役に立ちたい」と思って言ってくれることなので、決して侮辱や非難とは見なされないのですね。

②フィードバックを聞きたくない人も、将来に向けてのアイデアは好んで受け入れる

ネガティブなフィードバックはいらない、聞きたくないという成功した人々も、将来に向けての、行動を変えるためのアイデアであるフィードフォワードは受け入れる傾向にあります。

アイデアを与えてくれる人に感謝こそすれ、恨むことはないのですね。

③まわりの人が、喜んで手を貸してくれる

フィードバックをするのには、心理的な壁があります。議論になったり、相手から逆恨みされて関係が悪くなったりする恐れがあるからです。

しかし将来に向けての2つのアイデアを出すことは、恨まれることもなく、議論になることもなく、仕返しもなく、それどころか相手から謝意を受けるだけです。

そうとわかれば、フィードフォワードを依頼された人は拒むどころか、喜んで手を貸してくれて、積極的に意見を述べてくれるでしょう

しかもその意見は、あなたと接し、あなたが普段どう行動しているかを見ている人からの意見なので、一般的で漠然としたものではなく、あなたに特定した、具体的なアイデアとなっているはずです。

+α 技術的な面でうまくいく理由

上記の3つに加え、技術的な面から見てフィードフォワードがうまくいくのは、フィードフォワードを受けるときには聞き手でいればいいから、ともいわれています。

何か気の利いたことを言おうと気をもむ必要もなく、最後に「ありがとう」と言う以外に言葉を発してはいけないので、特別なスキルにはいらないのですね。

聞くことのみに集中すればよく、聞くことのみに集中できるのが大きな利点といえるでしょう。

 

このようにフィードフォワードにはフィードバックの問題を克服した3つの利点があるので、自分を変えるときに非常に有効なのですね。

 

以上が、7つのステップの最後「フィードフォワードを練習する」です。

シンプルで簡単なステップでありながら、フィードバックの問題も克服し、さまざまな利点があるフィードフォワード。
ぜひ実践し、いろいろな人から2つの提案を得て、ゴールへと向かう指針にしていただければと思います。

次回からは、自分を変えるのに有利な状況をつくり出すための“7つのルール”をご紹介していきます。

まとめ

  • 目指すべき自分になって望みを叶える7つのステップの最後が「フィードフォワードを練習する」です。フィードフォワードとは、協力者から、自分が変えたいと思っている行動で、役立ちそうなことを2つ提案してもらうことをいいます
  • フィードフォワードには、フィードバックの問題(過去を持ち出すと議論・言い争いに発展しかねない、強い立場にある人はネガティブなフィードバックは聞きたくない、部下は上司へのフィードバックは避けたいと思う)を克服し、以下の3つの利点があると教えられています
    1. 過去のことを持ち出し、議論になることを防ぐ-フィードフォワードは、これから役立ちそうなこと、未来完了形の提案です
    2. フィードバックを聞きたくない人も、将来に向けてのアイデアは好んで受け入れる
    3. まわりの人が、喜んで手を貸してくれる-フィードフォワードは相手から恨まれる心配はなく、むしろ感謝されるので、協力を依頼された人は喜んで積極的に意見を言ってくれます
  • 技術的な面でいえば、フィードフォワードを受けるときは相手に気の利いたことを言う必要はなく(最後にお礼を言うのみ)、聞いてさえいればよいため、特別なスキルは必要ないのです

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「自分を変える」ときの7つのルール① 行動を変えることでは直せない問題かもしれない-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術18
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