勉強会主催の ゆう です。
『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。
『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。
なりたい自分になり、ゴールに達するにはどうすればいいのか?
ゴールドスミス氏は“7つのステップ”で、ゴールに到達する方法を教えています。
その7つのステップとは、
- フィードバック
- 謝罪する
- 公表する、宣伝する
- 聞くこと
- 「ありがとう」と言う
- フォローアップ
- フィードフォワードを練習する
です。
前回は、7つのステップの5番目「『ありがとう』を言う」についてお話ししました。
ゴールドスミス氏は、「ありがとう」と言うことには3つの素晴らしい効果があると教えています。
それは
- 感謝を表すこと
- 議論を終わらせる力があること
- あなたの弱み、短所を正確に把握できる
ことでした。
「ありがとう」と言って感謝を表せば、相手は「してよかった」と思い、良好な関係が維持されますね。
反対に感謝を示さなければ、相手はあなたへの評価を下げてしまうでしょう。
また、争っている相手に「ありがとう」と言えば、それ以上相手は議論をふっかけることはなくなります。
そして、感謝すべき相手を思い浮かべることで、「自分は一人で成功を手に入れたのではない。自分の手の届かなかったところを、誰かがサポートしてくれた」という事実と向き合うことになり、自分の強みと弱みをきちんと認識することができるのです。
このように「『ありがとう』と言う」ことには素晴らしい効果があるゆえ、「謝意がないとすれば、それは対人関係上の大きな欠点だ」とまでゴールドスミス氏は言われているのですね。
「そんなことは当たり前。自分はできている」と過信をせず、丁寧に感謝を示していきたいですね。
前回の記事はこちら

今回は、7つのステップの6番目「フォローアップ」についてです。
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フォローアップなしに人は本当には変われない-フォローアップの効果
「謝罪する」「宣伝する」「よく聞く」「感謝する」
以上の技を身につけたあとは「フォローアップ」が必要になる、それも一時的なものではなく絶え間なく、とゴールドスミス氏は言われています。
フォローアップの具体的な方法として、ゴールドスミス氏は、「毎月、職場の人全員に、コメントや提案を求めるように」と勧めているそうです。
フィードバックをよく聞いて、提案してくれたことに感謝し、自分の改めるべきことを定め、それについて謝罪をし、変わることを宣伝する。それがこれまでのステップでした。
ここまですれば、あとは改めていくだけだ、と思いますが、本当に自分が変わるために不可欠なのがフォローアップ、つまり自分が改善をちゃんと実践しているかどうか、途中経過を職場の人に聞いてみることです。
これを毎月することで、自分が継続して改善することを後押ししてくれるのですね。
フォローアップは全体のプロセスのなかで、もっとも時間のかかる部分だとも指摘されています(なんと12ヶ月~18ヶ月)。だからこそフォローアップにはさまざまな効果があり、フォローアップなしでよくなることはない、とまで言われています。
- フォローアップの効果まとめ
- 変化の進捗状況を図る
- あなたが変わろうとしていることを周りの人に思い出させ、さらに自分たちはその手伝いをしていることも思い出させる
- 「変わることができるのか?」という周りが抱く猜疑心を消し去る
- なによりも重要なのは、フォローアップは私たちに実行を迫る。変化のはずみや勇気を与え、実際に実行するようにしてくれる
理解と実践の間には大きなギャップがある?フォローアップの必要性
人が本当に変わるのに、フォローアップがいかに大事であるか。
それは、ゴールドスミス氏自身のクライエントへの調査で明らかになったことでした。
ある経営陣の一人が「リーダーシップ開発研修を受講した人は実際に変わっているんですかね?」という質問を投げかけられた際、ゴールドスミス氏は明確に答えることができなかったそうです。
講義の受講者から何十通という手紙を受け取っていたものの、受講者以外の人が「受講者は変わった」と思ったかは、わからなかったのです。
研修を行った会社に戻って、研修は効果があったかどうか、研修で実践を約束した人たちが本当に実行したかどうかは、聞いたことがなかったのでした。
そこでゴールドスミス氏は、その後の2年間、フォローアップについて徹底的に調査を始めました。
「誰が本当に変わったか」の質問に答えるデータを集められていったのです(やがて8万6千人の受講者からの回答が手に入り、分析を行ったそうです)。
その結果、すべての人がリーダーシップ開発研修に反応したわけではなく、少なくとも会社が望み、意図していた形には反応しない人がいたとわかりました。
8つの企業で数百人が受講した研修で、研修の終わり、今学んだことを職場で実践する気があるかどうかをたずねたところ、ほぼ100%が「イエス」と回答しました。
1年後、これらのリーダーの直属の部下に、上司が研修で学んだことを職場で実践したかどうかをたずねると、70%がイエスと答え、30%が上司はまったく何もしなかったと答えたのです。
なぜ30%ものリーダーは実行しなかったのか?
それはたんに彼らが忙しすぎたからでした。研修が終わってオフィスに戻れば、仕事が山のように残っている。電話のメモや報告書を読んだり、レポートを作成したり、顧客や取引先に電話をかけたりしているうちに、研修で学んだことは忘れてしまうのですね。
理解すれば実行する、というのは誤りで、理解することと実践することのあいだには、非常に大きなギャップがあったのです。
まず一度目の実行にフォローアップが必要な人も多い、ということがわかります。
さらに、実行した70%の人たちが、実際に周りから「変わった」と思われているとは限りません。理解し、実行したからといって、それで本当に変わるかどうかはわからないのですね。
次回、人が本当に変わるときに発揮されるフォローアップの真の効果について、お話ししていきます。
続きの記事はこちら

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