勉強会主催の ゆう です。
『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。
『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。
具体的にどうすればなりたい自分となって、ゴールに到達することができるのでしょうか。
ゴールドスミス氏は、そのための方法を、以下の“7つのステップ”で教えています。
- フィードバック
- 謝罪する
- 公表する、宣伝する
- 聞くこと
- 「ありがとう」と言う
- フォローアップ
- フィードフォワードを練習する
前回は、7つのステップの4番目「聞くこと」についてお話ししました。
組織における自分の望みを叶えるときには、自分の悪い癖を直して、周囲から信頼を得ることが不可欠です。そのためには周りから自分への正しいフィードバックを得る必要があります。
自分では「私は変わった」と思っていても、周囲から「あの人はいつもこうだ」と思われれば、何も変わっていないことと同じです。
本当の自己変革は、周囲からのフィードバックに耳を傾け、他人から学ぶことから始まるのですね。
他人から学ぶときに、それは「いかに上手に聞くかで八割が決まる」とゴールドスミス氏は言われています。
聞くことは自分を変えるために重要なスキルなのですね。
ではどうすればよりよく聞けるようになれるのか。本当に聞き上手な人が実践している3つのポイントを前回の記事ではご紹介しました。
前回の記事はこちら

今回は、聞くことの、より発展したスキルをお話ししていきます。
スポンサーリンク
「ものすごくすごい」人の聞くスキルとは?
聞くことに関して「すごい」人と、「ものすごくすごい」人とを区別する能力がある、とゴールドスミス氏は語られています。
「ものすごくすごい」人は、誰かと一緒にいるとき、その人がその場でいちばん重要な(そしてただ一人の)人間だと思っているように感じさせる能力のある人です。
これは、前回の記事でご紹介した、聞き上手になるポイントの2つ目「敬意をもって話を聞く」を発展させたスキルといえるでしょう。
話に関心を示し、質問をし、そして最も大切な、相手の話を途中でさえぎることなく聞く。
こうすることで、相手にその場でいちばんの重要人物であるかのように扱われていると感じてもらえるのですね。
ゴールドスミス氏は、敬意をもって聞くことの達人として前に話題にしたアメリカの元大統領 ビル・クリントン氏のことに再び触れています。
クリントン氏はどんなときも、相手にポジティブなことを言うようにしているそうです。そのポジティブなこととは、話している相手自身のポジティブなことです。
つまりクリントン氏は、相手のことを、相手自身に自慢をしているのですね。
もし誰かが、あなたがどんなに素晴らしい人物であるかを、周りにも聞こえる声であなた自身に話をしてくれているとしたら、あなたはどんな気持ちになるでしょうか?
とても嬉しく、誇らしく感じると思います。相手に好印象を抱きよね。
さらにクリントン氏は相手の言葉に満身の注意を払うのです。
これがゴールドスミス氏が絶賛する聞き方であり、「ものすごくすごい」人の持っている能力なのですね。
「ものすごくすごい」人の本当のすごさは“いつでもやっているところ”
相手に敬意をはらい、話に関心を示し、質問をし、相手の話を途中でさえぎることなく聞く。
これは対人関係の貴重な手法であり、「ものすごくすごい」人の特徴です。
こう聞くと、それはとふつうの人はとても身につけられないような、すごすぎるスキルかというと、特別のスキルというわけでもないはずです。
実際に、誰しも、このスキルを使ってコミュニケーションを取っている場面があります。
たとえば異性との初デートで、相手に気に入られたいと思うとき。するなと言われても、相手に関心を示しますよね。
適切な質問をし、返ってくる答えには細心の注意を払います。あまりしゃべりすぎないように計算して会話ができる人もいるでしょう。
あるいは今年の営業目標を達成できるかどうかを左右する見込み客を訪問しているときにも、同様に振る舞いますね。
準備をして、見込み客の個人的な情報を得ようとし、顧客の性格や現状を知ろうとして質問をします。
また表情を見て、こちらの売りたい商品を相手はどれくらい強く必要としているかのヒントをつかもうともするでしょう。
このように、「ものすごくすごい」人の聞くスキルは、実は私たちもすでに持ちうる能力ともいえるのです。
しかし決定的な違いがあります。
「ものすごくすごい」人の本当のすごさについてゴールドスミス氏はこう指摘をしています。
「すごい」人と「ものすごくすごい」人とを分けるものは、これをいつでもやっているところだ。
彼らは、考えるまでもなくやれてしまう。
相手のことを考え、敬意を示すことにかけて、スイッチをオンにしたりオフにしたりすることはない。いつでもオンなのだ。
ほとんどの人は相手に応じ、特別なシチュエーションのときは敬意を払って聞こうしますが、そのような場面はごく限られてしまっているのですね。
対して「ものすごくすごい」人は、誰にでも同じように敬意を払って接します。するとやがては誰もが「ものすごくすごい」人の本当のすごさに気づくのです。
もっと聞き上手になるのに心がけるべき1つのこと
ゴールドスミス氏は、このスキルの90%は聞くことにある、そして聞くにはわずかな意思の強さで事足りる、集中すればいいだけだといわれています。
また、誰もがこのスキルの素晴らしさを知っています。
ゴールドスミス氏が顧客に、「あなたが今まで出会って成功した人は、対人関係でどんなスキルに優れていますか?」と尋ねると、「相手を特別な存在だと感じさせる」点を全員が挙げるそうです。
もうすでに知っていることであり、特段のスキルというわけでもありません。
しかしどうしてやらない人が多いのでしょうか?
その答えは忘れてしまうからであり、気が散るから。無意識にできるまでしようという意思の強さがないから、とゴールドスミス氏は言われています。
ゆえに聞き上手になるために心がけるべき1つのことは「聞くことへの集中力を新たに身につけること」、これができればもっと聞き上手になれるのです。
まずは、これから最初に出会う人に、その人は非常に重要な人物であると思って接する演習をしてみましょう。
そのときには以下の戦術を試してみることが勧められています。
- 相手の話を聞く
- 途中で話をさえぎらない
- 相手の話を途中で引きとって自分が話してしまうことをしない
- 「そのことは知っている」と言わない
- 相手に賛同してもいけない(ほめられても、ただ「ありがとう」とだけ言う)
- 「いいえ」「しかし」「でも」という言葉を使わない
- 注意をそらさない。相手が話しているあいだ、目をそらしたり、注意をほかに向けたりしない
- あなたが話すときには、気の利いた質問で文章を終わらせる
- あなたはいかに賢いか、ユーモアのある人間かを印象づけようと躍起にならない
もしこれらが実践できると、「あなたが輝こうと思う気持ちを抑えれば抑えるほど、相手の目にはあなたが輝いて見える」というパラドックスに気づくだろう、とゴールドスミス氏は語っています。
自分がいかに優れた人物であるかを示す必要はなく、むしろ先のことをあなたが実践すれば、話を聞いてもらった人は「いやあ、すばらしい人だ!」とあなたを称賛してくれるでしょう。
最初のデートや運命を決める営業訪問でやっている「話に関心を示し、質問をして相手を知ろうとし、相手の話を途中でさえぎることなく聞く」ことを常に心がける。
忘れずに実行し、集中力を持続させる。
そうすることで「ものすごくすごい」人への道を着実に歩み始めることができるのですね。
次回は、7つのステップの5番目「『ありがとう』と言う」についてお話ししていきます。
まとめ
- 自分を変え、ゴールへ到達するための7ステップの4つ目「聞くこと」のより発展したスキル、「ものすごくすごい」人が実践しているのが、誰かと一緒にいるとき、その人がその場でいちばん重要な人間だと感じさせることです
- ビル・クリントン氏は、相手のことを相手に自慢する-あなたは素晴らしい人だと、あなたに伝える-こと、さらに相手の言葉に満身の注意を払うことで敬意をもった聞き方をしている、とゴールドスミス氏は絶賛されています
- 「ものすごくすごい」人の特長は、デートや見込み客への訪問などの重要な場面に限らず、聞くスキルをいつでも実践していることにあります
- よく聞くためのスキルは特別なスキルではなく、すでに私達は知り、実践できている場面もあります。ゆえに聞き上手になるために心がけるべきことは「聞くことへの集中力を身につけること」なのです
続きの記事はこちら

スポンサーリンク