自分を変えるのに必要なのは「TO DO」ではなく「TO STOP」リスト-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術2

勉強会主催の ゆう です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術をご紹介していきます。

『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者 マーシャル・ゴールドスミス氏によって書かれた、目指すべき自分になり、望みを叶えるための方法が学べる本です。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

前回は、コーチの役目とは、その人の現在地(他者からどんな人間と思われているのか)を伝え、目的の場所に到達することを手助けすること、

ゆえにセルフ・コーチングの土台となるのは「現在地を正しく知ること」だと、お話ししました。

前回の記事はこちら

自分を変える第一歩は“現在地”を正しく知ること-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術1
勉強会主催のゆうです。今回から、『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術を、何度かに分けてご紹介していきます。コーチングの神様が教える「できる人」の法則『できる人の法則』は、エグゼクティブ...

今回は、自分を変えるために重要な「TO STOP」についてお話ししていきます。

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自分を変えるのに必要なのは、新しいポジティブな取り組み?

ゴールドスミス氏のコーチングの手法、ゴールへと到達することを援助していく手法は、

360度フィードバックを使って、クライエント自身も気づいていない(ゆえにやめることが難しい)人間関係にとって有害な「癖」を知らせ、それをやめることをサポートする、というものです。

「ゴールに到達する」
「自分を変える」

と聞くと、いくつかの新しいポジティブな行動を取り入れて、それを習慣化することが必要だ、と思われるかもしれません。

実社会でも、新しい取り組みは評価され、ほめたたえられる傾向にあります。反対に、取り組みをやめた、断念したと聞いて、評価されることは少ないでしょう。

営業の人が、新しい取引先の候補を見つけ、契約まで取りつけたなら、周りから称賛を受け、その人自身も「よくがんばった」と自分をほめると思います。

これとは逆に、契約寸前までいきながら、長期的に見れば害をもたらす契約になると気づき、取りやめたときはどうでしょうか?

「もう少しで契約できるところだったのにもったいない」
「判断を誤ったのではないか」

と言われる可能性が高いでしょう。

もちろん自分の判断を評価してくれる人もいるかもしれませんが、あくまでそれは少数派で、何かをやめることは、新しい取り組みよりも評価は受けにくいといえますね。

自分を変えるときもこの心理がはたらき、「新しい、ポジティブな取り組みがより大切」と感じるのですね。

自分を変えるために必要なのは「TO DO」ではなく「TO STOP」

しかしゴールドスミス氏は、「TO DO」ではなく、「TO STOP」リストをつくって「やめること」を書き出すべき、と言われているのです。

それは「もっといい人になる」より、「いやなヤツをやめる」ほうがはるかに実行しやすいからです

新たにポジティブな、新しい取り組みを習慣化するとなると、かなりの時間を要します。けれど「いやなヤツをやめる」には、複数の新たなポジティブな行動の習慣化は必要ないのです。

ゴールドスミス氏のクライエントであるエグゼクティブは、上級管理職に就いているゆえ、すでに素晴らしい能力や習慣が身についている人たちばかりです。

しかし周りを不快にさせる少数の「癖」によって、周りとの関係を悪化させ、自分のさらなる望みを叶えられないでいます。

そのような人たちにとっては、有害な癖を自覚してもらい、それをやめる努力をしてもらうほうが、短い時間で大きな効果が得られるのです。

自分を一瞬で変える魔法はない

ただ、やめることを習慣化することも、相対的には楽だいうことであって、決して簡単ではありません。

実際に、エグゼクティブが癖を直して、周囲から「あの人は変わった」と思われるまでには、12ヶ月~18ヶ月の期間を要する、と言われています。

ゴールドスミス氏のような、一流のコーチがサポートして、これだけの時間がかかるというのは驚きです

「簡単に自分を変えられる」を謳った自己啓発書が毎年多く出されているので、理想の自分にはすぐになれる、と錯覚しがちです。
しかし自分を一瞬で変えるような魔法は存在せず、長年積み重ねてきた悪習慣をやめるのは並大抵のことではないとわかりますね。

自分を変えるための行動で、禁煙やダイエットは、比較的達成しやすいことだと言われています(対人関係の問題とは異なり、自分でコントロールできる領域が大きいため)。

ところがコントロールしやすいはずの行動でも、禁煙を試みた人の10人中9人は失敗し、食事制限を行った人の多くはリバウンドし、元の体重の1.07倍になる、という調査結果があります。

まして他者との関わり方を変えることの難しさは、想像に余りあります(周りから「実際にあなたが変化している」と思われるのは簡単ではないと、ゴールドスミス氏はクライエントに繰り返し忠告しているそうです)。

しかし自分の正確な現在地を知り、改善のための正しいアプローチを実践していければ、時間はかかっても着実にゴールへ向かうことができ、望みを叶えることはできるのです。

セルフ・コーチングを試みる際も、自分を変えるのは決して簡単ではない、時間がかかる。しかし正しくアプローチすれば着実に変化できる、ということを念頭に置いておいていただければと思います。

 

次回は、対人関係における悪い癖には具体的にどんなものがあるのか、紹介していきます。

まとめ

  • 自分を変えるには、新しい、ポジティブな取り組みが大事、それを習慣化してこそ変われると思われていますが、それにはかなりの時間を要します
  • 対人関係での悪い癖を直すほうが短い時間ででき、効果も高いのです(「もっといい人になる」より「いやなヤツをやめる」ほうがやりやすい)
  • 自分を一瞬で変える魔法はなく、癖を直して「あの人は変わった」と周りから思われるのも相対的に楽なだけであって、並大抵のことではありません。しかし時間はかかっても適切なアプローチを続ければ、着実にゴールへと近づきます

続きの記事はこちら

あなたに当てはまるのは?対人関係の“20の悪い癖”-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術3
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