自分を変える第一歩は“現在地”を正しく知ること-「できる人」の法則から学ぶ、セルフ・コーチング術1

勉強会主催の ゆう です。

今回から、『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』を通して、“自分を変える”セルフ・コーチング術を、何度かに分けてご紹介していきます。

コーチングの神様が教える「できる人」の法則

『できる人の法則』は、エグゼクティブ・コーチングの第一人者であるマーシャル・ゴールドスミス氏のベストセラーです。

「エグゼクティブ」と聞くと、どんなイメージを持たれるでしょうか?

「上級管理職までのぼりつめた人だから、欠点のない、完璧に近い人に違いない」と思われるかもしれません。

もちろん、非常に成功し、優れた方たちであるのは間違いありません。

しかしゴールドスミス氏は、そのような人であっても、職場で何十回と繰り返し、周りを不快にさせてしまう悪い癖、小さな欠点がある、と言われています。

さらに問題は、自分のその不適切な行動が、周りの目にどう映っているかを理解していない点だ、とも指摘されているのです。

自覚がなければそもそも直そうという気持ちは起こらず、改善はあり得ません。改善できなければ、現状を変えることもできません。

ではどうすれば自らの欠点を知ることができるのか、また、それらの癖を直して理想の自分になるにはどうすればいいのかを、これからご紹介していきます。

実際の方法をご紹介する前に知っていただきたいのが、『「できる人」の法則』は、エクゼクティブのみを対象にした本ではない、ということです。

ゴールドスミス氏は

もっとよくなりたいと願う人すべてのために本書はある

と言われています。

管理職に就いている人に限らず、「自分のいやな癖を知って直したい」と思う人や、「現状を変えて、もっとよくありたい」と思う人にも、ぜひ知っていただきたいと思います。

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エクゼクティブ・コーチングとは?現在地を知らせ、ゴール到達までをサポートする

今回は、ゴールドスミス氏がされている「エクゼクティブ・コーチング」とはそもそもどのようなものか、お話しします。

「自分は〇〇を実現させたい。そのためにこういう人間になりたい」というゴールを設定しても、「いま自分はどんな人間なのか。どう人に見られているのか」という自分の現在地がわかっていなければ、ゴールに到達することはとてもできませんね。

さらに、ゴールへの正しい方向を指し示すコンパスも狂ってしまっている状態では、ゴールへ達することは不可能でしょう。
そんな状態で、やみくもに進めば、ゴールから遠ざかることにもなりかねません。

ゆえに、望みを実現する自分になるのにまず大切なことは、現在地(自分はどんな人間か、周りからの評判はどうか)を知ることです。

変わりたい人に、その人の現在地を知らせること、そして目的の場所へ到達することを手助けするのがコーチングです。

コーチは、クライエントの目的、願望には立ち入りません。「あなたは〇〇を成し遂げるべきであり、そのためにこうありなさい」というような忠告はしないのですね。

目的を果たすために、望みを叶えるために、まず現在地を知らせて、目的地に到達するためのヒントを出し、そこまで行くのをサポートするのが役目です。

このコーチングのなかでもゴールドスミス氏のコーチングは、エクゼクティブを対象にしているので、「エクゼクティブ・コーチング」といわれます。

ゴールドスミス氏は、世界的企業の経営者100人以上をコーチし、さらなる大きな成功へと導いたことで知られているのです。

ゴールドスミス氏の代名詞「360度フィードバック」とは?

ゴールドスミス氏の代名詞ともなっているのが、「360度フィードバック」です。

いまでは人事評価のシステムとしてこれを採用している企業も多くなっています。

360度フィードバックは、上司や部下、他部署の人、場合によっては家族からもクライエントの行動に関する話を聞き、周りの人は本音のところではクライエントのことをどう思っているかを伝える、というものです。

「自分はそんな悪い人間ではない。周囲の人を不快にさせるような欠点はない」といくら自分では思っていても、実際にそのクライエント自身も気づいていない癖のために周りがイヤな思いをしていれば、クライエントは正しく現在地を把握していることにはなりません

そのままでは周囲の評価は悪くなるばかりで、自分の望みを叶えることは到底、できないでしょう。

現在地を知るのに必要なのが「実際に自分は周りからどんな人間と思われているのか」であり、それが360度フィードバックでわかるのですね。

360度フィードバックでクライエントの現在地を明らかにし、そこからいくつかのツールを使って、クライエントが変わることを手助けする。それがゴールドスミス氏のコーチングのスタイルです。

現在地を正しく知ることが、自分を変えることの土台

もしあなたが対人関係に関することであることを成し遂げたいと思ったとき、現在地を知ることがそのための第一歩となります。

ではどうすれば現在地を正しく知ることができるのでしょうか?

一番は、先にお話しした360度フィードバックですね。それがあれば、かなり正確に、客観的に自分の現状を知ることができるでしょう。

ただ、コーチがいなければ、360度からフィードバックを得るのは難しいですね。

しかし、そんなコーチがいない状況でも、一人でも実行可能であり、適切なフィードバックを得られる方法も、ゴールドスミス氏は紹介されています。

そのセルフ・コーチング術の、より具体的な手法を今後、お話ししていきます。

今回で、現在地を正しく知ることが、自分を変えることの土台であり、欠かしてはならないことを押さえておいていただきたいと思います。

まとめ

  • 『「できる人」の法則』には、自分の欠点を知り、その癖を直して理想の自分になるにはどうすればいいのか、そのための具体的な方法が紹介されています
  • 望みを実現させるには、そもそも自分はどんな人間か、周りからの評判はどうかという現在地を知らなければなりません。その現在地を知らせ、ゴールへ到達するための正しく、最短の方法を伝えるのがコーチの役目、といわれています。コーチが「あなたは〇〇を目指すべき」など、クライアントの目的・願望に立ち入ることはありません
  • 変わるためにはフィードバックが欠かせません。自分では「私はそんなに悪い人間ではない」と思っていても、周囲がその人の悪い癖に気づき、イヤな思いをしていては、一向に対人関係は良くならず、目指すべきゴールへの到達はできません。適切なフィードバックを得て、現在地を知ることが、変わることの土台なのです

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