勉強会主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、「検証・調整フェーズでよく起こる間違いと、その対策」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

検証・調整フェーズで起こりやすい間違いとして、「新しいものに目移りしやすい」ことが挙げられています。
新しい情報にアンテナを張ることは悪いことではありませんね。むしろ、情報の感度は高いに越したことはありません。
しかし、検証・調整には「最低限の仮説設定・検証期間・行動結果」が必要だと、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は言われています。
3つのうちのどれかでも欠けた状態で、次々に新しいやり方を取り入れても、それは改善や伸長、それに伴う自己成長を逸してしまうことになり、PDCAを回していることにならならないのです。
ゆえに、新しいやり方に目がくらまないように「最低限、このくらいの時間は、仮説を考えよう(検証しよう、行動しよう)」と決めることが望ましいのですね。
もう1つ起こりやすいのが、「できていないものにばかり目が行く」です。
振り返りのとき、私たちは無意識に「できていないこと」、改善点にばかり目を向けがちです。改善はもちろん必要なものの、欠点ばかりを見ていては、気持ちも落ち込んでしまいますね。
そのように無意識に悪いところばかりを見るのを防ぐ方法として、「改善案2つにつき、伸長案も1つは選ぼう」などの自己ルール化が勧められている、ということまでお話ししました。
今回は、PDCAを鬼速で回す必要条件をご紹介していきます。
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PDCAを鬼速で回す10個のポイント
冨田さんはまとめとして、PDCAを鬼速で回すポイントを10個に整理して、紹介されています。
①因数分解で精度の高い仮説を立てる
計画フェーズ時の大事なポイントですね。
課題をどれだけ細かく因数分解できたかによって、早期のボトルネックの発見や、他の重要な課題の見落としを防ぐことができ、次のサイクルでの軌道修正が少なくて済みます。
②仮説思考、リーン思考で動く
「情報が足りず、課題もまだ見えないかやらない」のではなく、「やれば課題が見えてくる」と考え、実行していくことですね。
「失敗が恐いから」ではなく、「失敗してもいい。むしろそれでこそ目標達成に近づく」と考えを変える、ともいえるでしょう。
③常にインパクトの大きい課題、行動から着手する
課題やDO、TODOについて、優先度づけのステップが必ずありましたね。そのステップを忘れずに踏み、最も効果的な、インパクトの大きい課題(最重要KPI)やDOから着手をしていきましょう。
仮に手一杯で、計画通りにタスクをこなすことができなくても、目標に向かって進むことができます。
インパクトの弱い課題やDOに固執すれば、前へとなかなか進めず、時間がもったいないですね。
「優先度づけの手間を惜しんではいけない」と冨田さんは忠告されています。
④行動のアイディアが湧いたらすぐにタスク化する
TODO化せずに、実行できない状態のまま保留しておくのが一番無駄、と言われています。
効果的なDOを思いついたら、反射的にTODO化する習慣を身につけていきたいですね。
⑤行動目標も必ず数値化
結果は思うように現れないことのほうが多いでしょう。
ゆえに「結果をコントロールしようとせず、行動を徹底的にコントロールする」ことが勧められています(行動は、実行すれば必ず数値が動きますからね)。
そのためには、検証頻度に合わせた行動の数値目標(KDI)を必ず立てるように言われています。
⑥TODOの進捗管理は毎日行う
TODOレベルの進捗把握と調整は実行サイクルのなかで行うこと、また最低でも1日1回、理想は1日数回の把握が勧められています。
⑦こまめに検証を行う
KGI、KPI、KDIのそれぞれに対して、検証可能な範囲での最も短いサイクルでの検証を行うことも勧められています。
そうすることで方向性の異なった、無駄な努力を減らすことができます。
⑧要因分析時は「思い込み」を外す
検証フェーズでの振り返りをすれば、想定どおりにいかないときも多いでしょう。そんなときのために、仮説を疑うことも選択肢に入れます。
思考のリミッターを外し、視野を横に広げることで、思わぬ課題に気づくことも多いです。
⑨次のサイクルに迅速につなげる
調整フェーズでの重要なステップが、次のサイクルにスムーズにつなげることですね。
調整の大きさに応じて、次にすべきことを想定し、すぐに取りかかりましょう。
例:
計画自体の変更 → 即会議を開く
改善案レベルでの調整 → その場でKPI化やタスク化、さらにTODOへと落とし込む など
こうすることで、次のサイクルへつなげるときのタイムラグを減らせます。
⑩小さいPDCAを同時に多く回す
PDCAは同時に複数を回すことが理想、と言われています。
大きなPDCAサイクルを回すより、小PDCAを並行して回したほうが結果は早く出て、調整もしやすいのですね。
次回は、PDCAについての最後の回「鬼速PDCAコーチング」についてです。
まとめ
- PDCAを鬼速で回すポイントが、以下の10個です。
- 計画フェーズ時
- 因数分解で精度の高い仮説を立てる-早期のボトルネックの発見、重要な課題の見落としの防止につながります
- 仮説思考、リーン思考で動く-「やれば課題が見えてくる」と考え、実行移します
- 実行フェーズ時
- 常にインパクトの大きい課題、行動から着手する-優先度づけの手間を惜しまず、優先順位に従ってインパクトの大きい課題・DOから始めます
- 行動のアイディアが湧いたらすぐにタスク化する-解決案を実行できないままにしておくのが一番の無駄です
- 行動目標も必ず数値化-行動はコントロール可能です。検証頻度に合わせたKDIを必ず立てましょう
- TODOの進捗管理は毎日行う
- 検証フェーズ時
- こまめに検証を行う-検証可能な範囲で、最も短いサイクルでの検証を行い、方向性の異なった無駄な努力を減らします
- 要因分析時は「思い込み」を外す
- 調整フェーズ時
- 次のサイクルに迅速につなげる-課題の大きさに応じて即会議を開いたり、KPIの設定・タスクへの落とし込みなどにすぐに取りかかる
- 小さいPDCAを同時に多く回す
- 計画フェーズ時
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