勉強会主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、調整フェーズの
2ステップ目「調整に優先順位をつけ、やることを絞る」
3ステップ目「次のサイクルにつなげる」
についてお話ししました。
前回の記事はこちら

書き出された調整案をすべて実行できればいいのですが、限られたリソースのなかでそれは難しいでしょう。
そこで「インパクト」「時間」「気軽さ」を指標として調整案を優先づけすることが推奨されています。
そして、次のサイクルで取り組むべき調整案が決まったら、スムーズに移行できるよう、つなぎの作業を進めます。
課題レベルでの調整案の変更や追加の場合は「KPIの設定」、
解決案やDO、TODOレベルでの変更・追加の場合は「担当者や期日決め」、「具体的なタスクへの落とし込み」など、
これらを先んじてしておくことで、スッと次のサイクルを始めることができる、ということでしたね。
今回は、個人レベルでの、検証フェーズ・調整フェーズでよく起こる間違いと、その対策についてはお話しします。
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検証・調整フェーズでよく起こる2つの間違いと、その対策
ここまでPDCAサイクルの各フェーズとそれぞれのステップについて学んできました。
最後に、検証・調整フェーズで起こりやすいミスが指摘されています。ここでは、個人レベルでの間違いとその対策をご紹介していきます。
よく起こる間違い① 新しいものに目移りしやすい
まず挙げられているのが、すぐに新しいものに目を向けてしまうことです。
「思うようにKPIが伸びない…。既存のやり方だとうまくいかなそうだから、新しいやり方を取り入れよう」と安易に判断を下して、絶えずやり方を変えてしまう人は非常に多い、と冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は言われています。
新しいやり方をどんどん取り入れている人は、一見、PDCAサイクルが高速で回っているように思えますね。
しかし冨田さんは、「最低限の検証・調整」には
- 最低限の仮説設定
- 最低限の検証期間
- 最低限の行動結果
が欠かせない、とも指摘されています。
目移りしやすい人は、この3つのうちのどれかが欠けています。
ということは、最低限の検証・調整すらやっていないままサイクルを回しているのであり、それではそもそも回していることにならないですね。
最低限の行動結果を出して検証すれば、改善案が見つかって、次回のサイクル時に大きな結果につながったかもしれませんし、それを通して自己成長もできたかもしれません。
すぐに新しいやり方に飛びつけば、その機会を簡単に逸してしまうことになるでしょう。
新しい情報にアンテナを張ることはいいことですが、そのデメリットもよく知っておかねばならないですね。
新しいことに目移りしやすい自覚のある方は、「最低限、このくらいの時間は、仮説を考えよう(検証しよう、行動しよう)」と決めて、各フェーズに臨むといい、といわれています。
よく起こる間違い② 間違ったものにばかり目が行く
間違ったものばかり、というのは、悪いところ・改善点ばかり気にして、伸長案を軽視すること、と言われています。
私たちは小さい頃から
「間違っているものは正しなさい」
「苦手なものは克服しなさい」
と教えられながら育ってきました。
通知表を親に渡せば、「よくできる」の欄に○がどれだけ並んでいようと、「がんばろう」に○が1つでもついていると、そこをまず指摘され、問題視された方が多いのではないでしょうか。
悪いところ、苦手なところを指摘されると、気持ちも落ち込み、自己嫌悪に陥りやすくなり、指摘した相手に対して嫌な感情を抱いてしまうでしょう。
できていないところを指摘するのは、自己成長を促す方法として、適切とはいえなそうですね。
このような環境で育った影響で、振り返りといえば「できていないもの」に目を向けることだと思い、無意識レベルで改善点に目が行ってしまう人が多いのです。
もちろん、悪いところに注目することは必要なのですが、そればかりだと、気持ちもだんだん沈んで、モチベーションも低下してしまうでしょう。
そこで、改善点だけでなく、できているところにも注目し、やる気を高めることも求められます。
無意識レベルで欠点を見てしまう… “自己ルール化”で克服を
そのための方法として、冨田さんは「改善案2つにつき、伸長案も1つ選ぼう」というような自己ルール化を勧められています。
このようなルールを課すことで、強制的にでも自分の良さに目を向けさせます。それを繰り返せば、ルールを意識しなくても、自然と成功している点にも目が向いて、きちんと評価し、伸長案を出せるようになっていくのですね。
次回からは、PDCAを鬼速で回すときの必要条件についてお話ししていきます。
まとめ
- 個人レベルの検証・調整フェーズでよく起こりやすい間違いについて、以下の2つが指摘されています
- 新しいものに目移りしやすい-
新しいやり方を取り入れようと安易に判断を下し、やり方を絶えず変えてしまう人は非常に多いですが、最低限の仮説設定・検証期間・行動結果は不可欠であり、それがなければ仮説の精度上げや改善案の発見、自己成長の機会を逸してしまいます - 間違ったものにばかり目が行く-
改善点ばかりを気にして、伸長案を軽視してしまうことです。検証・振り返りというと、できていないところに目を向けることだと思い、無意識に改善点に目が行ってしまいますが、それだけでは気持ちが落ち込み、やる気が低下します
(対策)「改善案2つにつき、伸長案も1つは選ぼう」という自己ルールを課すと、強制的に長所に目が行くようになり、やがては習慣化できます
- 新しいものに目移りしやすい-
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