検証・調整フェーズでよく起こる2つの間違いと、その対策-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル38

勉強会主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、調整フェーズの

2ステップ目「調整に優先順位をつけ、やることを絞る」
3ステップ目「次のサイクルにつなげる」

についてお話ししました。

前回の記事はこちら

調整フェーズの3ステップ「限られたリソースで効果を高める、調整案の“優先度づけ”」-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル37
勉強会主催のゆうです。仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。鬼速PDCA前回は、調整フェーズの3ステップのなかの1番目「検証結果を踏ま...

書き出された調整案をすべて実行できればいいのですが、限られたリソースのなかでそれは難しいでしょう。

そこで「インパクト」「時間」「気軽さ」を指標として調整案を優先づけすることが推奨されています。

そして、次のサイクルで取り組むべき調整案が決まったら、スムーズに移行できるよう、つなぎの作業を進めます。

課題レベルでの調整案の変更や追加の場合は「KPIの設定」、

解決案やDO、TODOレベルでの変更・追加の場合は「担当者や期日決め」、「具体的なタスクへの落とし込み」など、

これらを先んじてしておくことで、スッと次のサイクルを始めることができる、ということでしたね。

調整フェーズの3つのステップ

今回は、個人レベルでの、検証フェーズ・調整フェーズでよく起こる間違いと、その対策についてはお話しします。

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検証・調整フェーズでよく起こる2つの間違いと、その対策

ここまでPDCAサイクルの各フェーズとそれぞれのステップについて学んできました。

最後に、検証・調整フェーズで起こりやすいミスが指摘されています。ここでは、個人レベルでの間違いとその対策をご紹介していきます。

よく起こる間違い① 新しいものに目移りしやすい

まず挙げられているのが、すぐに新しいものに目を向けてしまうことです。

「思うようにKPIが伸びない…。既存のやり方だとうまくいかなそうだから、新しいやり方を取り入れよう」と安易に判断を下して、絶えずやり方を変えてしまう人は非常に多い、と冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は言われています。

新しいやり方をどんどん取り入れている人は、一見、PDCAサイクルが高速で回っているように思えますね。

しかし冨田さんは、「最低限の検証・調整」には

  • 最低限の仮説設定
  • 最低限の検証期間
  • 最低限の行動結果

が欠かせない、とも指摘されています。

目移りしやすい人は、この3つのうちのどれかが欠けています
ということは、最低限の検証・調整すらやっていないままサイクルを回しているのであり、それではそもそも回していることにならないですね。

最低限の行動結果を出して検証すれば、改善案が見つかって、次回のサイクル時に大きな結果につながったかもしれませんし、それを通して自己成長もできたかもしれません。
すぐに新しいやり方に飛びつけば、その機会を簡単に逸してしまうことになるでしょう。

新しい情報にアンテナを張ることはいいことですが、そのデメリットもよく知っておかねばならないですね。

新しいことに目移りしやすい自覚のある方は、「最低限、このくらいの時間は、仮説を考えよう(検証しよう、行動しよう)」と決めて、各フェーズに臨むといい、といわれています。

よく起こる間違い② 間違ったものにばかり目が行く

間違ったものばかり、というのは、悪いところ・改善点ばかり気にして、伸長案を軽視すること、と言われています。

私たちは小さい頃から

「間違っているものは正しなさい」
「苦手なものは克服しなさい」

と教えられながら育ってきました。

通知表を親に渡せば、「よくできる」の欄に○がどれだけ並んでいようと、「がんばろう」に○が1つでもついていると、そこをまず指摘され、問題視された方が多いのではないでしょうか。

悪いところ、苦手なところを指摘されると、気持ちも落ち込み、自己嫌悪に陥りやすくなり、指摘した相手に対して嫌な感情を抱いてしまうでしょう。
できていないところを指摘するのは、自己成長を促す方法として、適切とはいえなそうですね。

このような環境で育った影響で、振り返りといえば「できていないもの」に目を向けることだと思い、無意識レベルで改善点に目が行ってしまう人が多いのです。

もちろん、悪いところに注目することは必要なのですが、そればかりだと、気持ちもだんだん沈んで、モチベーションも低下してしまうでしょう。

そこで、改善点だけでなく、できているところにも注目し、やる気を高めることも求められます。

無意識レベルで欠点を見てしまう… “自己ルール化”で克服を

そのための方法として、冨田さんは「改善案2つにつき、伸長案も1つ選ぼう」というような自己ルール化を勧められています。

このようなルールを課すことで、強制的にでも自分の良さに目を向けさせます。それを繰り返せば、ルールを意識しなくても、自然と成功している点にも目が向いて、きちんと評価し、伸長案を出せるようになっていくのですね。

検証・調整フェーズでよく起こる間違いと、その対策

 

次回からは、PDCAを鬼速で回すときの必要条件についてお話ししていきます。

まとめ

  • 個人レベルの検証・調整フェーズでよく起こりやすい間違いについて、以下の2つが指摘されています
    1. 新しいものに目移りしやすい-
      新しいやり方を取り入れようと安易に判断を下し、やり方を絶えず変えてしまう人は非常に多いですが、最低限の仮説設定・検証期間・行動結果は不可欠であり、それがなければ仮説の精度上げや改善案の発見、自己成長の機会を逸してしまいます
    2. 間違ったものにばかり目が行く-
      改善点ばかりを気にして、伸長案を軽視してしまうことです。検証・振り返りというと、できていないところに目を向けることだと思い、無意識に改善点に目が行ってしまいますが、それだけでは気持ちが落ち込み、やる気が低下します
      (対策)「改善案2つにつき、伸長案も1つは選ぼう」という自己ルールを課すと、強制的に長所に目が行くようになり、やがては習慣化できます

続きの記事はこちら

PDCAを鬼速で回す10個のポイント-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル39
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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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