勉強会主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、検証フェーズの最後のステップ「できた要因を突き止める」についてお話ししました。
検証と聞くと、できなかった要因を突き止めることだけだと思いがちですが、できた要因を突き止めることも重要であり、決して放置してはなりません。
できた要因を突き止めることのメリットとして、まず「特定のスキルを極めることで高い全体効果も見込める」があります。
一芸に秀でることで、それが大きな成果をもたらされる(たとえば、資料作りが得意な人がつくったスライドがバズり、多くの成約に結びつくなど)ことも有り得ますね。
第2に「自信や楽しさが生まれる」メリットがあります。
できていないことに目を向けるのは、大切なことであるとわかっていても、どうしてもネガティブな気持ちになってしまいます。
そこを、できたことも見ることで自信が湧き、それが前へ進むモチベーションになるのですね。
第3のメリットとして「成功体験の“レシピ化”ができる」といわれています。
解決案からTODOレベルに落とし込むまでのプロセスを記録することで、再現性の高いレシピが生まれ、他の人や別の分野にも応用可能になります。
これらができた要因を突き止めることのメリットでした。
今回は、検証に関連してぜひ意識しておきたい“気づき”と検証(Check)との関係についてお話しします。
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PDCAを積極的に回し、自己成長の機会を増やす方法-“気づき”をCとする
普段の生活で
「なるほどな」
「そんなやり方があったんだ」
と思える“気づき”、ありますよね。
その気づきを冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は「それはPDCAを回すきっかけとなる。いままで気付かなった自分の弱点が見つかったからだ」と言われています。
気づきは、検証フェーズで得られた調整案と同じであり、PDCAでいえばC、そこからさらに踏み込んで「自分もそのやり方を試してみよう」となれば、PDCAサイクルのAとPの領域に入ることになります。
そして、実際に行動に移せばDとなり、その結果を検証すればCとなるので、まさに気づきはPDCAが回るきっかけとなるCといえるのですね。
PDCAは計画フェーズから始める必要はなく、失敗から自分の弱さへの気づきを得たり(C)、本を読んでいますぐに実践したいことが見つかったり(A)すればPDCAは開始できる、と冨田さんは言われています。
PDCAが回り出せば、それは必ず自分成長へとつながっていくので、形にこだわらず積極的に回していきたいところです。
「なるほど」の気づきはどんどんメモする
PDCAを積極的に回していくために冨田さんは
「なるほど」と思ったことがあれば、どんどん書き留めていくことをおすすめする
と言われています。
PDCAを実際に回すかどうかは気にせずに、まずは気づきをメモしていく(書き留めなければ、たいていのことは残念ながら忘れてしまいます)。
そのような気づきが多ければ多いほど、どれかは回してみようという気持ちになります。
メモした100個中、1個でもPDCAを回せば、それは着実に成長へと結びつくのですね。
冨田さんは、営業マン時代、徹底して気づきをメモしていったそうです(改善できそうな行動や考え方、自分の強みや弱み、心に響いた先輩の言葉など)。
その積み重ねが、鬼速でPDCAを回すことを可能にしたことの1つとなったと思われます。
冨田さんは経営者の立場となったいまでも、どんなタイミングで気づきを得たり、アイディアが湧いたりしてきてもいいように、メモを手放さいようにしているそうです(むしろ経営者となったいまのほうが気づきの量がかなり多くなっている、と言われています)。
歩きながらアイディアが湧いたときはスマホで録音、
シャワーを浴びているときでもすぐにアウトプットができるようにスマホを防水セットの中に入れて、風呂場に置かれている(!)という徹底ぶりです。
せっかくの気づきも忘れてしまい、自己成長の機会を失ってしまわないよう、冨田さんの取り組みを少しでも自分のものにしていきたいです(これも気づきですね)。
なるほどシートの活用
PDCAを回すきっかけとなる「気づき」は、忘れないようにアウトプットし、書き溜めることが大切です。
冨田さんの会社では、全社員が自らの気づきを1つのシートに書き込み、共有しているそうです(それは「なるほどシート」と呼ばれています。シンプルなエクセルのシートです)。
書き込む内容は、
- ミーティングの結果、導き出された改善案や伸長案
- 日々の業務で驚いたこと、反省したこと
- 本やネット記事で新しく学んだこと
- 組織の話、個人の話
など、なんでも構いません。
そうした日々の気づきはPDCAサイクルにつながったり、日々の気づきを書き残すだけで人は成長していけたりする、と言われています。
それを実感し、気づきを書くことを習慣化するための方法が、なるほどシートなのですね。
冨田さんの会社では、週に最低7個、気づきを書き出すことをルール化しているそうです。
なかには自分を客観視するのが苦手であったり、気づきへのアンテナの張りが弱かったりして、書き出せない人もいます。
しかしそうした人ほど、伸びしろがあるということであり、書き出せるようになれば、大きな自己成長が望めます。
自分自身やチームで気づきの共有のルールを課し、気づきを得てPDCAサイクルを回していくことを習慣化していきたいですね。
次回からは、PDCAサイクルの最後・AJUST(調整)フェーズについてお話していきます。
まとめ
- 普段の生活で得られる気づきは、PDCAでいえばできなかった要因(できた要因)を発見すること(C)と同じであり、そのやり方を試しみようとなればAとPの間に入ります。気づきはPDCAが回るきっかけとなり、自己成長へとつながるのです
- 「なるほど」と思ったことはまずメモし、どんどん書き留めていくことが勧められています。気づきが多いほど、どれかを試したくなり、そのなかで1個でもPDCAを回せば、自己成長が可能となります
- 気づきは忘れないためにメモするとともに、アウトプットすることも大切です。自らの気づきを何名かで共有するシート(=なるほどシート)をつくり、書き出すルールを決めれば、気づきを書き留め、アウトプットすることが習慣化し、成長の機会を多く得られるでしょう
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