「“できた要因”を突き止める」ことで得られる3つのメリット-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル34

勉強会主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、検証フェーズの4番目のステップ

  • できなかった要因を突き止める
    • KPIが計画通り推移していないとき
    • KGIが計画通り推移していないとき

についてお話ししました。

前回の記事はこちら

潜む課題を見つけるには?ポイントは「視野を横に広げる」質問-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル33
勉強会主催のゆうです。仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。鬼速PDCA前回は、検証フェーズの4番目のステップ「できなかった要因を突き...

KPIが計画通り推移していないとき、まずは行動面に着目します。

行動が伴っていなければ「なぜ?」を繰り返して要因分析をし、DOが不十分であったなら、ふるいにかけて保留してあったDOを調整フェーズで追加してみます。

行動に特に問題が見られなければ、次は課題に目を向けましょう。

見落としてしまっていた課題がないかを疑ってかかることで、想定外の課題を発見することができます。

そのための手段が「横に視野を広げること」。

「もし自分の常識を外したら、どんなことが考えられるだろうか?」と質問してもらう(あるいは自問する)ことで視野が広げられ、潜んでいた課題を見つけることも可能になるのです。

最後に、KPIとKDIの連動が取れているかどうかを確認します。

KDIがある程度 達成されていれば、KPIも少しは動きが見られるはずです。

まったく動きが見られなければ、

「KPI-解決案」
「解決案-DO」
「DO-KDI」

のいずれかの関係性を検証してみましょう。

今回は、検証フェーズの最後のステップであ

  • できた要因を突き止める

について、お話ししていきます。

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検証フェーズの5つのステップ

ステップ⑤ できた要因を突き止める

重要性に気づかず、放置してしまいがちなのがこのステップであると、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は言われています。

成果を出すとなると、できていないところを直すことばかりを考えてしまいますが、それだけでなく、いいところを伸ばしたほうが全体効果が大きいこともあるのです。

ゆえに、「PDCAを回すときは『できなかった原因』だけでなく『できた要因』も分析すべきである」と冨田さんは言われています(できた要因の分析の重要性を強調されるために、冨田さんは「改善案」ではなく「伸長案」と言うようにもされているそうです)。

できた要因を分析することで大きく3つのメリットを得ることができます。

メリット① 特定のスキルを極めることで高い全体効果も見込める

いいところを伸ばすことで全体効果が大きいことの例として、資料作りは得意なものの、しゃべることが苦手な営業マンが挙げられています。

しゃべることが苦手だからといって、対面スキルを身につけることばかりに時間を使うのはあまりにもったいないですね。

それは、いまや、よいスライドによってネットでバズり、それが集客や契約につながることもある時代だからです

そのことを考慮すれば、資料作りのレベルを徹底して上げるという伸長案も、検討に十分に値するのですね。

メリット② 自信や楽しみも生まれる

できた要因を考えることで、検証フェーズが楽しいものにもなり得ます。

検証は主にできていないところの原因を突き止め、改善案を出していくフェーズであり、それは欠かすことのできない流れです。

しかし毎回、自分のできていないところばかりを見ていては、それが目標達成に大事なこととわかっていても、陰うつな気持ちになってしまうこともあります。

陰うつな、ネガティブな気持ちだと、現状の能力が十分に発揮されずに、課題の解決にマイナスになってしまうでしょう。

反対に、達成できたことを認識することで自信が湧き、自信が前進を加速させてくれます。できたことをさらに伸ばすとなれば、モチベーションも非常に高まるでしょう。

メリット③ 成功体験の“レシピ化”ができる

できたことを振り返る行為は、創作料理をレシピ化する作業と似ている、と冨田さんは言われています。

創作料理をレシピ化するには、あらかじめ材料の分量や手順をメモする必要がありますね。

適当に作ってできたものがとんでもなく美味しく仕上がっても、事前にメモをしていなければ再現はできません。

ちょうどそのように、「今回はこれでいこう」という仮説を立て、解決案を考え、TODOレベルにまで落とし込むプロセスを踏んでおくことで、再現性は着実に高まるのです

その成功体験はレシピ化され、ほかの人や別の事例にも応用することができるでしょう。

できた人にとっては、このレシピ通りの行動を繰り返すことでデフォルト化、さらには習慣化へと発展していくのです。

軽視されがちですが、これほどの利点があるのが「できた要因を突き止める」です。

 

次回は、検証に関連して意識しておきたい「“気づき”があったら、それはC(=検証)」をご紹介します。

まとめ

  • 検証フェーズの5つ目のステップが「できた要因を突き止める」です。検証というと、できていないところばかり注目しがちですが、いいところを伸ばしたほうが全体効果が大きいこともあるのです
  • できた要因を分析することには、以下の3つのメリットがあります
    1. 特定のスキルを極めることで高い全体効果も見込める-
      たとえば、資料作りのレベルを徹底して上げることで、効果的な宣伝・成約につながることもあります
    2. 自信や楽しみも生まれるー
      検証フェーズのメインは改善案を出すことですが、そればかりでは陰うつな気持ちになります。反対にできていることを認識すれば、自信が湧き、成長を加速させてくれます
    3. 成功体験の“レシピ化”ができる-
      成功体験をレシピ化(=再現可能なプロセスを確立する)することで、ほかの人にもその事例を応用できるようになります

続きの記事はこちら

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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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