勉強会主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、検証フェーズの4番目のステップ「できなかった要因を突き止める」の
- KDIが計画通り推移していないとき
- KPIが計画通り推移していないとき(途中まで)
についてお話ししました。
前回の記事はこちら

KDIが計画通り推移していないときは、「なぜ達成できなかったのか?」の問いを繰り返して課題を整理していくべき、と言われていましたね。
「なぜ」の繰り返しによる課題の整理が要因分析の基本であり、それをKDI未達にも適用し、原因を見つけ、その対策をしていけばいいのです。
また、KPIが計画通り推移していないときは、大きく分けると4つの原因が考えられます。
その1つ目「行動が伴っていなかった」は、他の要因の発見が遅れるのを防ぐため、TODOレベルの進捗管理でこまめに行っておくこと、
また2つ目の「行動は合っていたが不十分だった」場合は、保留してあったDOを、次の調整フェーズで追加することが勧められていました。
3つ目の「想定していなかった課題があった」場合は、その課題を発見できるように、まず自分の仮説が「思い込み」であると自覚し、真っ先に疑えるかどうか、が重要でありましたね。
そうしなければ、他の可能性が視界から消えてしまい、原因に行き着くことができなくなってしまうのです。
では仮説が思い込みであると疑った上で、本当の課題、真の要因を見つけるにはどうすればいいのでしょうか?
今回は、そのポイントをご紹介していきます。
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検証フェーズの5つのステップ
ステップ④ できなかった要因を突き止める
KPIが計画通り推移していないとき
C. 想定していなかった課題があった(課題が未発見)
想定していない課題を見つける手段として、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は「横の視野を広げる」ことを勧められています。
真の原因が見えないとき、「縦」の深掘りができていないケースは滅多になく、たいていの課題は「横」、つまり自分の視界より外にあるのです。
そこで冨田さんは、部下の要因分析を手伝うとき、
「もし、要因がいま挙げたこと以外に潜むとしたら、どこにあると思う?」
「過去の事例とか自分の常識とかを外して考えると、どうだろうか?」
「このプロジェクトに1年間かけていいと言ったなら、できることはある?」
「もし、相手の会社の経営者になったとすると、どのようなことができるだろうか?」
というような質問をされるそうです。
このような問いをすることで、強制的に視野を広げることができるのですね。
ここでの要因分析は検証フェーズの課題抽出と同じですが、計画時に立てた仮説が間違っていた可能性があることを踏まえると、計画時より広い視点を持って分析する必要があります。
冨田さんは、見えない課題が隠れているのは、
- 人
- 情報
- 地域
- 時間・時期
- ターゲット
- コミュニケーション
にまつわることである、と言われています。
その分野の課題を特定するための質問を教えられていますので、要因分析のときの参考にしていただきたいと思います。
課題が潜んでいる可能性が高いものを掘り出す質問
- 「この人だったから問題だったのでは?」- 実行者の手段、コンディション、能力、経験、態度など
- 「この情報だったから問題だったのでは?」 – 正確度、新鮮度、作為的なミスリードなど
- 「この地域だったから問題だったのでは?」- 国民性・県民性、慣習、文化、人口構成など
- 「この時間・時期だったから問題だったのでは?」 – 時間帯、曜日、繁忙期、祭日、季節のイベントなど
- 「このターゲットだったから問題だったのでは?」- 地位、業界、年齢、性別、性格、理念など
- 「このコミュニケーションだったから問題だったのでは?」- 方法、印象、説得性、信用性、心理的負担など
D. 仮説で立てた因果関係が間違っていた
これまでの視点でも課題が見つからなかった場合、
「KDIとKPIが連動していないのでは?」
と疑う必要がある、と言われています。
KPIは、定量化された 目標と現状のギャップに対する課題であり、
KDIはその課題解決のための定量化されたDOのことです。
ゆえに誤りが潜んでいるのは
- KPIと解決案の関係(間違った解決案)
- 解決案とDOの関係(間違ったDO)
- DOとKDIの関係(間違ったKDI)
のいずれかです。
KDIとKPIの連動:
PDCAは仮説で動いているため、どこかで連動が取れていないことは珍しくありません。その間違いにいち早く気づくことが肝心なのですね。
そのためには、KDIが100%に到達するまで待つ必要はなく(連動が取れていないまま100%に到達しては、それまでの時間・労力が惜しくなります)、仮にKDIの達成率が50%であったとしても仮説が正しければKPIも少しは変動が見られるので、その時点で検証を行うべきです。
KGIが計画通り推移していないとき
KDI、KPIがともに順調に推移しているにもかかわらず、KGIがピクリとも反応を見せない場合もあるでしょう。
その際の考えられる要因が
- KGIと課題の連動が取れていない
- 課題とKPIの連動が取れていない
の2つです。
前者は、
「頑張っているのに商品が売れないんです」と嘆く中小企業経営者や、
「誰よりも訪問件数が多いのにいつも営業成績がビリなんです」と不思議がる営業マンが陥りやすいパターンと言われています。
これは、量ではなく質に関わるクリティカルな課題を見落としていることに問題があります。
成果につながらない努力とならないよう、質に注目をして、改めて課題を見出すことが大事ですね。
次回は、検証フェーズの最後のステップ「できた要因を突き止める」をお話ししていきます。
まとめ
- 検証フェーズの4ステップ目「できなかった要因を突き止める」に関して、KPIが計画通りに推移していないときで、行動に問題がない場合は、自分の仮説が「思い込み」であると自覚し、疑うことが必要です
- 仮説を疑い、想定していなかった課題を見つけるには、「横の視野を広げる-自分の視界の外を見る」ことが勧められています。「過去の事例のような常識を外して考えると、どうだろう?」などの自問をすることで、強制的に視野を広げられます
- 見えない課題が隠れているのは、「人・情報・地域・時間/時期・ターゲット・コミュニケーション」にまつわることであるといわれています
- 視野を広げても課題が見当たらなかった場合は、「KDIとKPIが連動していないのでは?」と疑う必要があります。間違ったKDIを設定していないか、DO・解決案に誤ったところはなかったかを検証しましょう
続きの記事はこちら

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