これだからPDCAがうまくいかない?検証に失敗する2大パターン-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル30

勉強会主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、実行フェーズの応用編「タイムマネジメントの3大原則」の最後「圧縮する」と、後回しになりがちな「重要・非緊急」領域のDOを実行する方法をご紹介しました。

前回の記事はこちら

やるべきことの後回し・先延ばしを避けるには?「重要・非緊急」のDOを実行する2つの方法-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル29
勉強会主催の ゆう です。 仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。 鬼速PDCA 前回は、実行フェーズの応用...

時間の圧縮には、洗い出したDOの中で、「より短い時間で終わらせる方法はないか?」という視点でみることが大事です。

それによって、何の疑問も抱くことなく続けていたルーチンに、非効率なものが見えることもあるのです。

また、「重要・非緊急」領域のDOを実行するには、

  1. 仕組み化し、日常生活に組み込む
  2. 強制的に「重要領域」に移動する

が有効であることをお話ししました。

モチベーションが下がるほどの強制感には気をつけたいですが、ルーチンにDOをビルトインする工夫をしたり、期日を切って「重要・緊急」領域に入れたりすることで、「重要・非緊急」領域のDOの後回しを防ぐことが可能になります。

今回からは、検証フェーズ(検証に失敗する2大パターン、検証の5つのステップ)についてお話ししていきます。

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検証に失敗する2大パターン

検証に失敗するパターンとして、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は

  • せっかく計画を立てて実行に移しているのに検証をしないパターン
  • ろくに計画も立てていないのに形式的に検証を行おうとするパターン

の2つを挙げられています。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

①検証をしない「やりっぱなし派」

実行ばかりに気をとられ、検証をおろそかにすることはよくあります。

そんなときは「振り返りの時間が取れないんですよね」という言い訳が口をついてしまうでしょう。

しかし冨田さんが営業マンだったころは、週末はインプットと振り返りの時間として確保をされていたそうです。

決して時間がないわけでなく、覚悟次第でいくらでも時間はつくれるのであり、検証・振り返りの時間を取らない人は、実はその重要性が理解できていないのです。

振り返りの苦手は人は、立ち止まって考えるよりも汗を流して走り回っているほうが前に進んでいると思っているのでは、と冨田さんは指摘されています。

しかし振り返りをしなければ、同じミスを繰り返したり、ゴールから遠ざかっていることにさえ気づかなかったりする可能性があり、とてももったいないことしているのかもしれないのですね。

最速でゴールに到達するには検証頻度を上げることは基本中の基本である」とさえ冨田さんは言われています。

「時間があったらやろう」とするのではなく、「日曜の10時~11時は振り返り」とあらかじめ予定を入れておくことで、「次の検証に向けて実行しなければ」と意識が変わっていくのですね。

②検証しかしない「形から入る派」

①とは逆のパターンです。

計画の精度が悪く、課題抽出が甘くて、ろくにKPIもない。さらにはKDIの設定もないような中、「振り返りが肝心だから」と会議をしているような状態ですね。

これでは、まともな検証にならず、無意味な時間を過ごして終わってしまいます。

慢性的にこのようなことを繰り返すのは考えものですね。

検証フェーズの5つのステップ

検証で失敗してしまうパターンを押さえた上で、検証の具体的なステップを見ていきましょう。

冨田さんは検証フェーズを5つのステップに分けて説明されています。

ステップ① KGIの達成率を確認する

検証の1番目のステップが、KGIの達成率の確認です。

KGI(Key Goal Indicator)は、ゴールを定量化したものでしたね。

ただこれは便宜上であり、検証頻度はKDIがもっとも高く、次にKPI、そしてKGIの順になる、と冨田さんは言われています。

実際に、冨田さんの会社でのチームミーティング(1週間に2回行われている)でのメイントピックはKDIであり、KPIも取り上げることはあるものの、KPIごとに成果が出る期間がマチマチであるため、1週間~3週間に1回程度の頻度で精査が行われているそうです。

さらに、KGIレベルの検証となると、本格的なものは月に1回くらいのペースとなる、と言われています。

ステップの1番目ではあるが、毎回の検証で本格的に行われるものではないのですね。

ただ、KGIや最重要KPIの本格的な検証と対応策の検討は定例会議で行われるとしても、意識づけのために数字の把握は各個人が行うべき、とも付け加えられています。

KGIの達成率検証の例

 

次回は、検証フェーズの2番目のステップ「KPIの達成率を確認する」からご紹介していきます。

まとめ

  • 検証に失敗するパターンとして挙げられているのが、以下の2つです
    1. せっかく計画を立てて実行に移しているのに検証をしないパターン-
      いわゆる“やりっぱなし”派で、振り返る時間がないと言い訳をします。しかし覚悟次第で検証の時間はいくらでも確保することができます。
      ゴールに最短で達するには、走り回るばかりでなく、いったん立ち止まって検証することが欠かせません。検証頻度を上げることは、すばやい目標達成の基本中の基本とまでいわれています
    2. ろくに計画も立てていないのに形式的に検証を行おうとするパターン-
      検証しかしない“形から入る”派です。計画の精度が悪く、KPIやKDIの設定がろくにできていないまま会議を開いている状態で、これでは無意味な時間を過ごすことになります
  • 検証フェーズの1つ目のステップが「KGIの達成率を確認する」です。検証頻度が最も高いのはKDIであり、KGIレベルの検証は月の1回位のペース、といわれています。毎回の検証で行われるものではありませんが、数字の把握・意識づけは個人で行っておくべき、と勧められています

続きの記事はこちら

ここに注目すべき!KPI・KDIの検証のポイントは?-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル31
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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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