勉強会主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、因数分解の7つのポイントの最後「マインドマップを鍛える」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

マインドマップはアイディア出しに加え、思考の整理もできるツールであり、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は因数分解時に混乱するときは必ずマインドマップを使っていたと言われています。
マインドマップを使用する機会を増やし、鍛えることで、鬼速PDCA力が着実に身についていくのです。
ぜひご紹介したポイントを押さえ(デジタルを使う、PDCAのフレームは忘れて自由に書き込む、時間を決めて行う、気になるものは即分解する、ワクワクしながらやる)、習慣化していただきたいと思います。
そして今回から、実行フェーズでのポイントをお話ししていきます。
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実行フェーズの基礎知識「解決案・DO・TODOの違い」
実行フェーズの説明にあたって、はじめに紛らわしい用語の違いの解説がされています。
それは解決案、DO、TODOとの違いです。
まず解決案は、計画フェーズで決めた、課題解決の方向性でした。
その解決案を実現するために必要なアクションが「DO」です。
例えばとして、「会社の数字に強くなる」というのが解決案とすると、そのためのアクション・DOは「簿記の本を読む」といったものになります。
ただ、DOのままでは、簿記のどの本を読むのか、一日どれくらいのペースで読めばいいのかはわからず、実際の行動に移しづらいですね。
そこで、DOをもう一段具体的なタスクレベルに分解して、いつ・どのタイミングでするかという設定まですることで、実行できるようになります。
このようにしてスケジュール化されたものが「TODO」と呼ばれています。
先の「簿記の本を読む」というDOでいえば、
「今日中に駅前の本屋で簿記の本を3冊買う」
「1週間ですべて読む」
と細かく分解されたものがTODOになります。
解決案を分解したものがDOで、DOを分解したものがTODOであり、分解するたびに数は増えていくのですね。
わざわざアクションをDOとTODOで2階層にしている理由として、冨田さんは「1階層だとDOの状態で仕事を抱えっぱなしになることが多いからだ」と言われています。
手間のかかりそうなDOや、重要であるが緊急度の低いDOほど「わかってはいるが、着手しづらい」状態になりやすいです。
そんなときに、強制的に2階層で考える習慣をつけておくと、「DOまで考えたけれど、TODO化はまだだったな」と気づき、スケジュール設定ができるきっかけとなり得るのですね。
実行フェーズの各ステップの説明に入る前に、ここからは、実行フェーズでつまずきやすいケースをご紹介していきます。
実行フェーズで失敗する3つのケース
つまずくケース① 計画自体が失敗している
1つ目のケースが、計画自体が失敗しているときです。
計画が失敗する可能性として、次の3つが挙げられています。
- 計画がない=まあなんとかなる
- 計画が粗い=課題はざっくり見えていますが、解決案はあまり考えていません
- 計画が無茶=課題も解決案もわかっていますが、絶対に無理だと思います
1番目の「計画がない」ケースは、突然、新規事業が立ち上がり、ノープランのまま実行チームに丸投げされるような状態です。
計画フェーズに戻ることもできず、手探りのまま動き出すも、課題すら見えていないので、迷走を続けることになってしまいます。
3番目の「計画が無茶」なケースは、計画は降ってきたものの、どう考えてもリソースが足りないような状態ですね。
2番目の「計画が粗い」ケースは、個人のPDCAで非常に多いと言われています。
それを象徴するのが「読書」であり、ビジネス書からたくさんの刺激を受けても、自分にとっての解決案を考え、それを具体的なタスクレベルにまで落とし込まないため、読んで終わりになってしまうといわれています。
つまずくケース② タスクレベルまで落とし込まれていない
これは、計画はうまくいっていても、それを具体的な行動スケジュールにまで落とし込んでいないため、結局やるべきことが不明瞭なままで時間だけが過ぎていくケースです。
「計画倒れ」の正体が、このタスクレベルにまで落とし込まれていないことなのです。
上司が部下に権限委譲を行う際も、部下の能力を見極め、相手に応じて行動レベルのブレイクダウンまで手助けすることが必要、と指摘されています。
つまずくケース③ 失敗することが怖い
いざ計画を立てても
「情報が足りない」
「思考の整理がついていない」
「リスクが見えづらい」
などの理由から仮説に自信が持てず、失敗を怖れ、行動しないまま終わってしまうケースですね。
中止にするという決断もせず、こういう煮え切らない態度を取る人は大勢いる、と言われています。
ゆえに冨田さんは「行動ファースト」を掲げているのです。
これは「悩んでいるならやってみよう。やることで課題が見えてくる」という発想のことです。
そもそも仮説に正解はなく、いくら調べてもわからないものはわかりません。情報収集は多くの時間を消費する割に、大した成果が得られないことが多いです。
それならば最初から小さな失敗で終わる範囲で行動すればいい、というのが「行動ファースト」ということなのです。
失敗を怖れるのではなく、「これで仮説の制度が上がる」と捉え直していくべきですね。
次回は、実行フェーズの各ステップの詳細をお話ししていきます。
まとめ
- 実行フェーズの基礎知識として、解決案・DO・TODOの違いを明確にしておきましょう
- 解決案:計画フェーズで決めた、課題解決の方向性
- DO:解決案を実現するために必要なアクション(例:「会社の数字に強くなる」という課題に対して、DOは「簿記の本を読む」)
- TODO:スケジュール化されたもの(例:「簿記の本を読む」というDOに対して、TODOは「今日中に駅前の本屋で簿記の本を3冊買う」)
- 実行フェーズで失敗するケースが、以下の3つです
- 計画自体が失敗している-計画がなかったり、計画が粗ければ、TODOレベルまで落とし込まれずに実行しないまま終わってしまいます
- タスクレベルまで落とし込まれていない-計画をうまくいっていても、いつ・何を・どう実行すべきかの行動スケジュールまで設定されていなければ、計画倒れとなります
- 失敗することが怖い-タスクレベルまで落とし込んでも、失敗を恐れて、行動しないまま終わってしまうケースです。この場合は「行動ファースト」を掲げ、「悩んでいるならやってみよう」と発想を転換させることです
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