朝活主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、テーマの因数分解の7つのポイントの、
1つ目「抽象度を上げてから分解する」
2つ目「5段目まで深掘りする」
についてお話ししました。
前回の記事はこちら

因数分解のテーマは抽象度の高い、一般的なものを選び、それを細かく分解することにフォーカスすることで、大きな仮説設定が求められることなく、混乱を防ぐことができます。
また、多くの人は因数分解の深度が浅いため、5段目までを基準に深掘りすることで、課題も具体化し、解決案も具体的なものになり得るのですね(要素のすべて深堀りはしなくてもよい、といわれています)。
今回は、因数分解の7つのポイントの3つ目以降をご紹介していきます。
スポンサーリンク
因数分解を実行するときの7つのポイント
ポイント③ 1段目だけはMECEを徹底する
MECE(ミーシー)というのは、「漏れなく、重複なく分類すること」をいいます。
因数分解(ロジックツリー)において、MECEはワンセットで考えられている重要な概念といわれています。
それは、もし分類の過程で「抜け」があると、ロジックツリーの枝葉のどこかに潜んでいるはずの最終的な課題やボトルネックを見逃してしまう可能性があるからです。
逆にMECEを徹底することで、どんな分類の仕方をしたとしても、最終的には課題へ行きつくことができます。
例えとして、「時間の効率活用」を目指して、1日の行動を洗い出すとします。
分類方法はいろいろあり、
「午前」と「午後」
「3時間単位」
など、どれで分けても問題ありません。
しかし「職場」と「自宅」で分けたらどうでしょうか?
この分け方だと、「移動中の時間の使い方」や「飲み会に参加するときの時間の使い方」などが抜け落ち、ボトルネックにたどり着けなくなるかもしれないのですね。
ただ、どの階層でもMECEを徹底しようとすればあまりに時間がかかり、その意識が心理的な負担となって因数分解がむしろ甘くなってしまうことも考えられます。
よって冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は最上段のテーマを分解する1段目だけは、MECEを徹底することを奨励されているのです。
さすがにこの段階(1段目)で「抜け」が発生すると、その下位にくるすべての課題が検討対象から外れてしまうので、最初の計画段階での精度がガタッと落ちるからだ。
と、理由を説明されています。
それ以降の階層で、仮に抜けがあったとしても、検証フェーズで気づけるレベルにはなります。
ポイント④ 切り方に悩んだら「プロセス」で切る
テーマをどのように切ればいいのかわからず、因数分解の仕方を難しく感じる方も多いと思います。
冨田さんは、難しく考える必要はなく、プロセスで分解すればいい、それがもっとも確実で簡単な方法であると言われています。
例えば、メールアプローチで営業をかけている担当者が、売上を伸ばしたいとします。
その場合、ロジックツリーのテーマは(一般的なものとして)「メールアプローチ」となるでしょう。
それをプロセスで分解すれば、以下のようになります。
このように「漏れなく、重複なく」分解することで、あとはプロセスごとにさらに因子を細かく分けることで、課題や解決案も明確になるでしょう。
このようにプロセスで切ることで、課題だと思っていたことが実は大した課題ではなく、隠れていた大きな課題に気づくこともあるのです。
具体例として、「声が小さいこと」が自分の課題だと思っていた営業マンが、営業プロセスを分解したところ、「声以前の問題に、事前準備が全然できていなかった」ことに気づく、など。
そのような気づきが得られれば、仮説の精度が高まり、目標の到達や自己成長のスピードも上がりますね。
自分自身が、あるいは部下や同僚が課題の抽出や解決案で悩んでいるときは、どのようなプロセスで仕事をしているのかを問い、因数分解から始めていけばいい、とも言われています。
また、仮に自分の知らないことにチャレンジする場合、どんなプロセスがあるかもわからない場合は、「切り方」にフォーカスして経験者に聞いたり、本を読んだりすればいいとも勧められていました。
本の場合は、目次に注目するといい、とも言われています。目次を見れば、そのテーマがプロセスごとに分解されているため、それを足がかりとすればいいのですね。
例:コンテンツマーケティングを成功させる5つのステップ
- ゴールの設定
- ペルソナの設計
- コンテンツ設計
- エディトリアルカレンダーの作成と運用
- KPIの測定
次回は、因数分解の7つのポイントの5つ目「簡単な課題は『質×量』で切る」からご紹介していきます。
まとめ
- 因数分解のポイントの3つ目が、「1段目だけはMECEを徹底する」です。MECEとは「漏れなく、重複することなく分類すること」。分類に漏れがあると、重要な課題・ボトルネックを見逃してしまう可能性があります。しかしどの階層でもMECEを徹底しようとすれば、あまりに時間がかかってしまいます。ゆえに1段目だけはMECEを徹底することが勧められているのです
- ポイントの4つ目が「切り方に悩んだら『プロセス』で切る」ことです。テーマをプロセスで分解するのが、もっとも確実で簡単な方法といわれています。プロセスで切ることで課題の重要度の低さに気づいたり、隠れていた大きな課題を発見できたりするのです(未知の分野にチャンレンジするときは、そのテーマの本の目次を見ると、プロセスがわかります)
続きの記事はこちら

スポンサーリンク