因数分解を実行するときのポイント「テーマの抽象度を上げ、5段目まで深掘りする」-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル18

朝活主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、計画フェーズでの応用として、仮説の精度を高める「因数分解」についてお話ししました。

前回の記事はこちら

仮説の精度を高め、鬼速を実現させる「因数分解」-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル17
朝活主催のゆうです。仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。鬼速PDCA前回は、計画フェーズで持ち合わせたい2つの視点「上位PDCAを再...

PDCAにおける因数分解は、下記の「いい上司」の要素を細かく分類するように、「ゴール」と「現状」を構成する因子(課題)をどんどんリストアップしていくことを指します。

徹底して因数分解することで、

課題の見落としを防いだり、

ボトルネック(ゴールに近づくことを最も妨げているもの)が見つかりやすかったり、

課題をKPI化(定量化)しやすく、さらに解決案を立てやすく、しかも課題にフォーカスしたものになりやすいため、明確な検証もしやすくなる、

といった多くのメリットが得られることをお話ししました。

今回は、その因数分解を実行するときのポイントをご紹介していきます。

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因数分解を実行するときの7つのポイント

『鬼速PDCA』では因数分解をするときのポイントが7つ、挙げられています。

ポイント① 抽象度を上げてから分解する

ロジックツリーの上部に置くものは「論点」や「イシュー」と呼ばれていますが、『鬼速PDCA』ではわかりやすく「テーマ」とされています。

このテーマは抽象度の高いもの、一般的なものにすることが勧められています。

例としては、経営者が「経常利益10億円を目指す」というゴールを立てた場合、因数分解するときのテーマは

「経常利益10億円」とするのではなく「経常利益」とするといい、ということです。

「経常利益10億円」とすると、「売上は50億円で、コストは40億円かな」といったように、いきなりスケールの大きな仮説設定が求められ、テーマによっては混乱を招いてしまいます。

ゆえに、まずは一般的なテーマを選び、それをいかに細かく分解するかにフォーカスするのが勧められているのです。

ポイント② 5段目まで深掘りする

因数分解はやり出すとキリがないため、「それ以上分解する意味がないと思ったら、無理に分解する必要はない」と言われています。

ただ、現実問題として、多くの人は因数分解の深度が浅い、と冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は指摘されています。

冨田さんが若手社員に「なるべく細かく因数分解しよう」といっても、3段目くらいまでで終わるパターンが多かったそうです。

「チームのアウトプットを2倍にする方法」について「コミュニケーションが課題です」、

「新規サービスの営業手法」については「やはりSNS広告だと思います」など。

コミュニケーションの何が課題なのか、どのSNS広告が有効で、どうやって使えばよいのかまでは考えてはいないのですね。
それでは具体的な課題も解決案も出ないでしょう。

ゆえに冨田さんは、深掘りするときの深さの基準は5段目とされているのです。

そこまで掘り下げれば、課題も具体化し、解決案も具体的なものを思いつきやすく、次の実行フェーズでも迷いが出にくくなるのですね。

ただ、ロジックツリーをすべて5段目まで埋めなければならない、ということではありません。特に課題となりそうな箇所だけ5段目以上をメドに深掘りすればいい、と勧められています。

因数分解の階層を深めるときの2つの問い

因数分解の階層を深めるには、

  • 「WHY」を繰り返すWHYツリー
  • 「HOW」を繰り返すHOWツリー

の2通りしかない、と言われています。

要因を見つけるときは「なぜ(できないのか?/できたのか?)」を繰り返し、

解決策を見つけるときは「どうやって(構成されているのか?/達成するのか?)」の問いを繰り返すことで明確になるのですね。

「この2つの質問はPDCAにおける魔法の質問である」とも言われています。ぜひ覚えておきたいアプローチですね。

 

次回は、因数分解をするときのポイントの3つ目「1段目だけはMECEを徹底する」からお話ししていきます。

まとめ

  • 鬼速でPDCAを回すのに欠かせないのが仮説精度の向上であり、その支えとなるのが因数分解能力です。因数分解のポイントとして7つが紹介されています
  • ポイントの1つ目が「抽象度を上げてから分解する」です。まずは一般的なテーマを選ぶ(「経常利益10億円」ではなく「経常利益」から始める)ことで、視野が狭まったり混乱を招いたりせずに因数分解ができます
  • ポイントの2つ目は「5段目まで深掘りする」ことです。多くの人は因数分解の深度が浅く(3段目くらいで終わることが多い)、それでは具体的な課題・解決案が出てきにくいといわれています。深堀りするときの深さの基準は5段としましょう(ただ、すべて深堀りする必要はなく、特に課題になりそうな箇所だけで十分です)

続きの記事はこちら

因数分解のポイント:1段目はMECEを徹底し、課題の見逃しを防ぐ-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル19
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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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