朝活主催の ゆう です。
仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。
前回は、計画フェーズでの応用として、仮説の精度を高める「因数分解」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

PDCAにおける因数分解は、下記の「いい上司」の要素を細かく分類するように、「ゴール」と「現状」を構成する因子(課題)をどんどんリストアップしていくことを指します。
徹底して因数分解することで、
課題の見落としを防いだり、
ボトルネック(ゴールに近づくことを最も妨げているもの)が見つかりやすかったり、
課題をKPI化(定量化)しやすく、さらに解決案を立てやすく、しかも課題にフォーカスしたものになりやすいため、明確な検証もしやすくなる、
といった多くのメリットが得られることをお話ししました。
今回は、その因数分解を実行するときのポイントをご紹介していきます。
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因数分解を実行するときの7つのポイント
『鬼速PDCA』では因数分解をするときのポイントが7つ、挙げられています。
ポイント① 抽象度を上げてから分解する
ロジックツリーの上部に置くものは「論点」や「イシュー」と呼ばれていますが、『鬼速PDCA』ではわかりやすく「テーマ」とされています。
このテーマは抽象度の高いもの、一般的なものにすることが勧められています。
例としては、経営者が「経常利益10億円を目指す」というゴールを立てた場合、因数分解するときのテーマは
「経常利益10億円」とするのではなく「経常利益」とするといい、ということです。
「経常利益10億円」とすると、「売上は50億円で、コストは40億円かな」といったように、いきなりスケールの大きな仮説設定が求められ、テーマによっては混乱を招いてしまいます。
ゆえに、まずは一般的なテーマを選び、それをいかに細かく分解するかにフォーカスするのが勧められているのです。
ポイント② 5段目まで深掘りする
因数分解はやり出すとキリがないため、「それ以上分解する意味がないと思ったら、無理に分解する必要はない」と言われています。
ただ、現実問題として、多くの人は因数分解の深度が浅い、と冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は指摘されています。
冨田さんが若手社員に「なるべく細かく因数分解しよう」といっても、3段目くらいまでで終わるパターンが多かったそうです。
「チームのアウトプットを2倍にする方法」について「コミュニケーションが課題です」、
「新規サービスの営業手法」については「やはりSNS広告だと思います」など。
コミュニケーションの何が課題なのか、どのSNS広告が有効で、どうやって使えばよいのかまでは考えてはいないのですね。
それでは具体的な課題も解決案も出ないでしょう。
ゆえに冨田さんは、深掘りするときの深さの基準は5段目とされているのです。
そこまで掘り下げれば、課題も具体化し、解決案も具体的なものを思いつきやすく、次の実行フェーズでも迷いが出にくくなるのですね。
ただ、ロジックツリーをすべて5段目まで埋めなければならない、ということではありません。特に課題となりそうな箇所だけ5段目以上をメドに深掘りすればいい、と勧められています。
因数分解の階層を深めるときの2つの問い
因数分解の階層を深めるには、
- 「WHY」を繰り返すWHYツリー
- 「HOW」を繰り返すHOWツリー
の2通りしかない、と言われています。
要因を見つけるときは「なぜ(できないのか?/できたのか?)」を繰り返し、
解決策を見つけるときは「どうやって(構成されているのか?/達成するのか?)」の問いを繰り返すことで明確になるのですね。
「この2つの質問はPDCAにおける魔法の質問である」とも言われています。ぜひ覚えておきたいアプローチですね。
次回は、因数分解をするときのポイントの3つ目「1段目だけはMECEを徹底する」からお話ししていきます。
まとめ
- 鬼速でPDCAを回すのに欠かせないのが仮説精度の向上であり、その支えとなるのが因数分解能力です。因数分解のポイントとして7つが紹介されています
- ポイントの1つ目が「抽象度を上げてから分解する」です。まずは一般的なテーマを選ぶ(「経常利益10億円」ではなく「経常利益」から始める)ことで、視野が狭まったり混乱を招いたりせずに因数分解ができます
- ポイントの2つ目は「5段目まで深掘りする」ことです。多くの人は因数分解の深度が浅く(3段目くらいで終わることが多い)、それでは具体的な課題・解決案が出てきにくいといわれています。深堀りするときの深さの基準は5段としましょう(ただ、すべて深堀りする必要はなく、特に課題になりそうな箇所だけで十分です)
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