抽象的な課題も数値化できる!課題をKPI化するときの3つのポイント-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル13

朝活主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、計画フェーズでの8つのステップの4番目「課題を優先度づけして3つに絞る」のなかの、「優先度づけのヒント」についてご紹介しました。

前回の記事はこちら

モチベーション維持のために!課題の優先度づけの3つのヒント-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル12
朝活主催のゆうです。仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。鬼速PDCA前回は、計画フェーズでの8つのステップの4番目の「課題を優先度づ...

挙げていった課題を「インパクト(効果)」「時間」「気軽さ」の3つの基準で評価し、そこから優先度づけをして絞り込みをするときに、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)はそのおすすめの方法を紹介されています。

それは、

  • インパクトの強いものは必ず1つは選ぶ
  • インパクトで劣ったもの(評価Bくらい)でも短い時間でできるものはそれを優先する
  • インパクトや時間が同列であれば気軽さを基準にする

というものです。

このとき、「気軽さを優先させると成果が出ないのでは?」という疑問も生じるかもしれません。

しかし効果が出なければ課題を入れ替えればよく、気軽なものを試してそれがダメだとわかれば、今まで気乗りしなかった課題にも危機感が生じて前向きに取り組めるようになる、と冨田さんは説明されています。

このような優先度づけや絞り込みは時間がかかって面倒とも思われるかもしれませんが、それが結果的にはアクションの無駄打ちを避けられ、時短につながっていくのですね。

今回は、計画フェーズの5つ目のステップ「各課題をKPI化する」をご紹介します。

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計画フェーズの8つのステップ

ステップ⑤ 各課題をKPI化する

課題を絞り込んだら、次はそれらの課題を数値化していくことです。

これはKPI(Key Performance Indicator-重要業績評価指標)といわれていますね。

ゴールを定量化する場合(KGI)と同様、KPIはどんな状態になればその課題は解決されるかという数値であり、いわばゴールに近づくための「サブゴール」のようなものです。

KPI化することで、検証フェーズで客観的に進捗状況の把握が可能となります。

以下に、KPIを設定する際の3つのポイントもご紹介します。

ポイント① 定性的なものも工夫して数値化する

数値化しやすい課題のKPI化は比較的簡単ですが、なかには定性的な課題もあります。それはどうすればいいのでしょうか?

例として冨田さんは、「社員のモチベーションが低いこと」という課題を紹介されています。モチベーションはなかなか数値では表しにくいですね。

これについてはアンケート調査を行う、といった方法が適用できます。「モチベーションが高い社員の割合を7割にする」というのがKPIになるかもしれません。

では「部下から心を開いてもらえない」のような、アンケートも難しい課題はどうするのがいいのでしょうか?

それでもKPI化は可能であり、たとえばとして

1日に5分以上、雑談できたかどうか
今日は部下から自分にどれだけ話しかけてくれたかどうか

などとすれば、時間や回数をカウントし、数値で追うことができるようになります。

ポイント② 各課題に対する複数のKPIは、ひとつに絞る

課題をKPI化しようとすると、複数の選択肢が出てくることが多いです。

その際は、すべてのKPIを追う必要はなく、ひとつに絞るべきと言われています

ひとつに絞るときの基準となるのは、

  • できるだけ頻繁に検証できるか
  • 成果がその数値に正確に反映されるか

です。

数値が上がっても、それが課題の解決に反映されるものでなければ、それは追うべき指標とは言えませんね。

例として、英単語を鍛えるという課題に対して、「演習問題の正解率を上げる」ことをKPIとしても、それによって純粋に単語力が伸びたとはいえません。

その場合は、単語テストアプリを使ってその正解率をKPIとしたほうが、課題の解決にしっかりとつながっているといえるでしょう。

ポイント③ 最重要KPIを設定する

最後のポイントは、ここまでで3つの課題から3つのKPIが決まることになりますが、その中から「最重要KPI」を定めておくべき、と言われています。

もっともインパクトの高かった課題のKPIがそれに当たる、と考えられます。

最重要KPIは、それを達成できたときにはゴールに大きく近づけるサブゴールであるがゆえに、ほかのKPIとは別格扱いにし、紙に書いて目に見えるところに張り出すなど、徹底して意識づけをすることが勧められています

課題のKPI化の例

次回は、計画フェーズの8つのステップの6番目「KPIを達成する解決案を考える」をお話しします。

まとめ

  • 計画フェーズの5つ目のステップが「各課題をKPI化(=数値化)する」です。KPIとは、どんな状態になればその課題は解決されるかという数値であり、ゴール(KGI)に近づくためのサブゴールのようなものです
  • KPIを設定する際のポイントが、以下の3つです
    1. 定性的なものも工夫して数値化する-
      「部下から心を開いてもらえない」という、一見、数値化が難しいものであっても、「1日に5分以上、雑談できたかどうか」と工夫して設定することが可能です
    2. 各課題に対する複数のKPIは、ひとつに絞る-
      ひとつの課題からKPIが複数出てくる場合、すべてを追う必要はなく、「頻繁に検証可能で、成果が数値に正確に反映される」を基準に、ひとつに絞りましょう
    3. 最重要KPIを設定するー
      それを達成できたときに、ほかよりも大きくゴールに近づけるKPIを最重要KPIに設定し、その数値は徹底して意識づけましょう

続きの記事はこちら

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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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