現状とのギャップの正確な把握の仕方、課題の適切な見つけ方とは-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル10

朝活主催の ゆう です。

仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。

鬼速PDCA

前回は、計画フェーズでの8つのステップの最初、「ゴールを定量化する(KGIの設定)」についてお話ししました。

前回の記事はこちら

ゴールの定量化(KGIの設定)で押さえたい3つのポイント-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル9
朝活主催のゆうです。仕事でも個人のレベルアップにおいても強力なツールとなり得る「PDCA」を、10万部を超えるベストセラー『鬼速PDCA』を参考にご紹介しています。鬼速PDCA前回は、鬼速PDCAの中のADJUST(調整フェーズ)の概要をお...

まず目標を立てる際の心がけが、「慎重さと大胆さの中間あたり」と言われています。
慎重になり過ぎてもなかなか実行に移せずに失敗しますし、雑になり過ぎると実行も検証も中途半端になってしまいます。

そして、ゴールを設定する際に注意すべきポイントが、

  • 期日を切る
  • 定量化する
  • 適度に具体的なものにする

の3つでした。

適度な期日、数値を決めることで危機感が生まれ、取れる選択肢が狭まることで行動の具体的なイメージも湧き、目標達成へのモチベーション維持にもつながります。

この心がけを持ち、3つのポイントを押さえ、まず目標を立ててみましょう。

今回は、計画フェーズの8つのステップの2番目、「現状とのギャップを洗い出す」からご紹介します。

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計画フェーズの8つのステップ

ステップ② 現状とのギャップを洗い出す

ゴールを決めたあとは、現状とのギャップを確認します。

現状を把握するときに、ゴールを定量化したことの効果が発揮されます。現状も、ゴールと同じ基準で定量化することで、そのギャップが明確になるのです

差がしっかり把握できることで、次のステップで考える課題もまた正確なものへと近づきますね。

定性的な目標も無視してはならない

目標を定量化することは現状を正確に把握するために必要ですが、「定性的なのものを無視しろと言いたいのではない」と、冨田さん(『鬼速PDCA』の著者)は指摘されています。

定性的なものとは、例えば、営業マンの

「営業に対する自信を強めたい」
「過去、クライアントに怒られたトラウマを克服したい」

という思いです。

これらは従来のPDCAサイクルの図にはまったく反映されていませんが、しかしそのような思いは、そもそもPDCAサイクルを回すための原動力となります

だから定性的な目標をわざわざ切り捨てるべきではないのですね。

※定性的な課題をどう解決していくかについても『鬼速PDCA』では詳細に教えられていますので、また後々ご紹介していきます

ステップ③ ギャップを埋める課題を考える

ゴールと現状とのギャップが見えてきたら、次にやるべきことは「ギャップを埋めるための課題を考える」ことです。

課題といっても、自分に足りないことばかり考える必要はない」と冨田さんは言われています。

自分の足りないところ、できていないところを見つけるばかりではなく、自分の得意分野を強化することでギャップを埋められるなら、それも立派な課題なのですね

「あれもできていない、これも足りない」と不出来な点ばかりを考えると、重圧も大きくなり、モチベーションが下がってしまうでしょう。

むしろ、心理学研究から、強みをより発揮することで成果も上がり、自分自身の幸福感も上がるといわれます。
ぜひ強みにも目を向けていきたいですね。

課題の見つけ方(個人の場合)

個人で課題を見つけるには、以下のような問いを自分に投げかけ、思いついたことを書き出してみることが勧められています。

  • ゴールから逆算すると、自分は何をすべきなのか?
  • この道を進むとしたら、何が不足しているのか?
  • 前進を加速させるために、伸ばせる長所はないか?
  • あらかじめ手を打っておくべきリスクはないか?
  • 周りでうまくいっている人は、どんな工夫をしているのか?

課題の見つけ方(チームの場合)

チーム単位で動いているならば、全員で意見を出し合うブレーンストーミングが勧められています。

その際のポイントが

  • 具体的であろうと抽象的であろうと気にしないこと
  • 他人の意見を否定しないこと

です。

後者は、自分の想像していなかったところに課題が潜んでいる場合があるのと、活発に意見が出る雰囲気を大切にすべきことからポイントとして挙げられています。

「課題を洗い出すためにPDCAを回す」という意識も持つ

いかに深い分析をし、課題を正確に抽出するかが鬼速でPDCAを回すために求められています。

しかし「課題抽出に自信が持てないからPDCAサイクルを回せないのであれば本末転倒だ」とも言われています。

仮に見落としがあっても、定期的に検証することで、これまで見えなかった課題にも気づくことができるのですね。

課題を洗い出すためにPDCAを回すという意識が重要なのだ

ということを強調されています。

先の記事では、冨田さんの「現時点で可能な限り精度の高い仮説を立てて、間違っても仕方ないと思う」という言葉も紹介しました。

慎重に、かつ大胆さを意識していきたいですね。

 

次回は、計画フェーズの4ステップ目「課題を優先度づけして3つに絞る」からご紹介していきます。

まとめ

  • 計画フェーズの2ステップ目が「現状とのギャップを洗い出す」です。先のステップでゴールを定量化したのと同様に、現状を定量化することで、そのギャップが明確になります
  • 現状を定量化するとき、定性的な目標を無視しろ、ということではありません。定性的な目標も切り捨てることはなく残しておき、達成のための課題を考えていきましょう
  • 計画フェーズの3ステップ目は「ギャップを埋める課題を考える」です。足りないところを補うだけが課題ではなく、得意分野の強化によってギャップを埋められるならばそれも課題です。強みにも目を向けていくべきといわれています
  • 現状を深く分析し、課題を正確に抽出しようとしても、その精度には限界があります。むしろPDCAを回すことで新たな課題が洗い出され、仮説の精度が上がっていきます。「間違っても仕方ない。むしろそれを通して仮説精度を上げて、早くゴールに近づくことが目的」と考え、次のステップに進みましょう

続きの記事はこちら

課題の優先度をつけ、絞り込むための3つの基準とは-『鬼速PDCA』から学ぶ 本当に使えるPDCAスキル11
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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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