朝活主催の ゆう です。
このブログでは、世界的ベストセラー『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。
続けてお話ししているのが、第4の習慣「Win-Winを考える」についてです。
『7つの習慣』では、人間関係のパラダイム(=考え方)には以下の6つがあると教えられています。
- Win-Win 自分も勝ち、相手も勝つ
- Win-Lose 自分が勝ち、相手は負ける
- Lose-Win 自分が負けて、相手が勝つ
- Lose-Lose 自分も負けて、相手も負ける
- Win 自分が勝つ
- Win-Win or No Deal 自分も勝ち相手も勝つ、それが無理なら取引しないことに合意する
前回は、このパラダイムのうち、ベストなものはどれかについてお話ししました。
前回の記事はこちら

ベストなパラダイムは「ケース・バイ・ケース」であり、状況を正確に判断し、それに応じたパラダイムを選択することが求められます。
しかし長期的に見れば、「Win – Win」以外のパラダイムは「Lose – Lose」の関係に行き着くため、実行可能な選択肢は「Win – Win」であることをご紹介しました。
今回は、6つ目のパラダイムである「Win – Win or No Deal」についてお話ししていきます。
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6つ目のパラダイム「No Deal」-取引しないのことのメリット
お互いに満足できる「Win – Win」の関係に近づけていくことが大切なものの、どうしてもその解決策を見つけることができないこともあると思います。
そんなときに勧められているのが、「Win – Win」からさらにもう一歩進めたパラダイム「Win – Win or No Deal」という選択肢です。
「No Deal」とは「取り引きをしない」ということです。
解決策がなければ、お互いの違いを認め、尊重したうえで、「合意しないことに合意する」ことです。
契約を結ばず、お互いになんの期待も抱かない、ということですね。
それはなにか寂しい感じもしますが、双方が勝手な期待を抱き、後になって幻滅し互いの関係に大きな亀裂が生じるよりは、最初から互いの違いを認めて関係を持たないほうがよほどいいのですね。
「No Deal」の利点について、コヴィー博士はこう言われています。
No Dealを選択肢の一つとして持っていれば、余裕を持つことができる。
相手を操ったり、こちらの思惑どおりに話を進めたりする必要はないのだし、何がなんでも目的を達しなければならないと必死にならずともすむ。
心を開いて話せるし、感情の裏に潜む根本的な問題をわかろうとする余裕も生まれる。
(『7つの習慣』より引用)
「No Deal」の選択肢を持つことで、「何がなんでも」という重圧がなくなり、余裕が生まれる。
余裕ができることで、心を開いて話をすることができ、相手の価値観を深く知るチャンスが得られるのですね。
無理に合意に達しようとすれば、あなたか相手のどちらかに不満が残ってしまい、やがてはそれが信頼関係のヒビをもたらしてしまいます。
Win-Winの道を探す努力はとても大事なのですが、どうしても見からなければ、「No Deal」のオプションを取るのが賢明といえるでしょう。
「No Deal」の好例-苦境から一転、大きな契約を得たソフトウェア会社
「No Deal」の有効性について、コヴィー博士は、コンピュータソフトウェア会社と銀行の取引を例に出されて紹介されています。
その会社は、新たに開発したソフトを、ある銀行に5年契約で販売をしました。
ところが1カ月後、そのソフトを高く評価していた頭取が交代してしまい、新しい頭取からは、新しいソフトの導入を見送りたいと告げられのたです。
ソフトウェア会社は深刻な財政難に陥っており、契約の解消はどうしても避けたいところです。
契約の履行を銀行に強要しても法的には問題はないこともわかっていました。
しかしソフトウェア会社の社長は「Win-Win」の原則を信じ、「銀行の皆さんに満足いただけないのなら、契約は白紙に戻しましょう」と「No Deal」を選択したのです。
自分から契約を手放したようなものであり、財政が厳しかったことを考えれば、これは自殺行為ともいえました。
ところは3カ月後、あの頭取から電話があり、「データ処理システムを変える計画を進めていて、御社にお願いしたい」と言われたのです。
これは手放した契約の、約3倍の金額の契約になったのでした。
Win-Winに達しない場合…「No Deal」以外は必ず問題が生じる
財政難という状況にもかかわらず、原則に従い、「No Deal」を選んだ社長さんの精神は本当に驚かされます。
「No Deal」を選ばずに、最初の契約を強要していれば、約3倍の金額の契約はできなかったでしょうし、今後の新たな銀行との取引もなかったかもしれません。
もちろん、この銀行の例ほどうまくいくことはなかなかないかもしれませんが、原則に従うことで素晴らしい結果が生み出されることがあると知らされます。
コヴィー博士は
相互依存で成り立つ社会で人間関係を長く続けようと思ったら、Win-Win以外のパラダイムは次善の策にするにしても問題がある。必ずネガティブな影響を残すからだ。
どのくらいの代償を払うことになるのか、よくよく考えてみなければならない。
本当のWin-Winに達しないのであれば、ほとんどの場合はNo Deal、「今回は取引しない」としたほうが得策である。
(『7つの習慣』より引用)
と、Win-Win以外のパラダイムは必ずネガティブな影響を残すために問題がある、ゆえに「No Deal」が得策であることを強調されています。
関係が壊れることを恐れ、どうしても妥協を重ねてしまいがちなのが私たちですが、それにより生み出されるのは深刻な問題なのですね。
「No Deal」という選択肢、ぜひ心に留めておきたいです。
次回は、「Win-Winの5つの側面」について詳しくご紹介します。
まとめ
- 『7つの習慣』では、人間関係のパラダイムには6つあると教えられています。ベストなパラダイムは「ケース・バイ・ケース」ですが、長期的に見れば、実行可能な選択肢は「Win – Win」なのです
- どうしてもお互いに満足できる解決策を見つけられず、「Win – Win」の関係を築くのが難しいときは、無理に関係を続けるのではなく「No Deal-取り引きをしない」ことが勧められています
- 「No Deal」の選択肢を持つことで余裕が生まれ、むしろ心を開いて話ができ、根本的な問題にも目を向けられるようになるのです。反対に「Win – Win or No Deal」以外のパラダイムでは、必ずネガティブな影響を残すことになると指摘されています
続きの記事はこちら

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