Win-Winを考える3-人間関係の最も望ましい、一番効果的な考え方(パラダイム)とは?|朝活で学ぶ「7つの習慣」その37

朝活主催の ゆう です。

このブログでは、世界的ベストセラー『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。

完訳 7つの習慣 人格主義の回復

続けてお話ししているのが、第4の習慣「Win-Winを考える」についてです。

『7つの習慣』では、人間関係のパラダイム(=考え方)には6つあるといわれています。

前回はそのうちの3つ

  • Lose-Win 自分が負けて、相手が勝つ
  • Lose-Lose 自分も負けて、相手も負ける
  • Win 自分が勝つ

を詳しくお話ししました。

前回の記事はこちら

Win-Winを考える2-Win-Lose, Lose-Win の共通した問題点とは?|朝活で学ぶ「7つの習慣」その36
朝活主催のゆうです。このブログでは、世界的ベストセラー『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。完訳7つの習慣人格主義の回復前回から、第4の習慣である「Win-Winを考える」についてお話ししています。前回は、人間関係のパラダイム(考...

Lose-Win」のパラダイムは「自分が負けて、相手が勝つ」という考え方で、相手に「いい人」と思われたいために、何も主張せず、自らLose を選びます。

しかし「悔しい」という負の感情はなくならず、遺恨を残し、それが精神的な不安定を招いてしまうのです。

Lose-Lose」は、競争で破れた相手に対して復讐心を燃やし、妨害へと走る考え方です。

妨害すれば、今度は相手が自分を憎み、仕返しをしようとします。こうしてお互いに不利益を被る関係に陥ります。

Win」は、自分が勝つことのみを考え、他者には関心のないパラダイムでした。

では、これまで紹介してきた5つのパラダイムのうち、最も望ましい、一番効果的なパラダイムとはどれなのでしょうか?

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ベストな人間関係のパラダイムとは?必要なのは「状況を正しく読み取り、使い分けること」

どのパラダイムがベストかについて、コヴィー博士は「ケース・バイ・ケース」答えられています。

時と場合によって効果的なパラダイムは異なるのですね。

例として、サッカーの試合なら、必ずどちらかが勝ち、もう一方のチームは敗れます。試合結果だけでいえば「Win – Win」「Lose – Lose」はあり得ませんね。

また会社内での刺激が足りないなら、支店同士であえて業績を競わせる「Win – Lose」のパラダイムの導入が有効と思えるかもしれません。

またどうしても壊したくない人間関係であれば、相手の要求を丸ごと受け入れる「Lose – Win」の対応が必要な場合もあるでしょう。

さらに、大切な人を助けるために、他人にはかまっていられない、どんな影響が及ぼうが関係ないと、「Win」を押し通そうとすることもあるかもしれません。

ゆえにコヴィー博士は

状況次第でどのパラダイムも一番になりうるのである。

肝心なのは、状況を正しく読みとって使い分けることである

Win-Loseであれ、それ以外のパラダイムであれ、一つのパラダイムをどんな状況にも当てはめてはいけない。

(『7つの習慣』より引用)

と、状況に応じて柔軟にパラダイムを使い分ける必要性を説いているのです。

長期的に見て、唯一の実行可能な選択肢は「Win – Win」

しかしその上でコヴィー博士はこう言われています。

そうはいっても、現実の人間社会においては、ほとんどが相互依存関係なのであり、五つのパラダイムの中でWin-Winが唯一の実行可能な選択肢になるのだ

(『7つの習慣』より引用)

5つのパラダイムの中で、「Win – Win」こそ唯一の実行可能な選択肢であると断言されています。

その理由についてはこう語られています。

先々のことを考えれば、どちらも勝者になれなければ、結局はどちらも負けなのである。だから、相互依存の現実社会の中で採れる案はWin-Winだけなのである。

(『7つの習慣』より引用)

長期的に見れば、「Win – Win」の関係以外は、どちらも負けの状態になってしまうのですね。

たとえば、自分に有利な条件で商談を通したとします。

そうなれば自分の目的を達したことにはなりますが、相手側にはわだかまりが残り、次回以降の取引に悪影響を与えかねません。

取引が中止されるようなことがあれば、結局は自分も負けになってしまいます。

これとは反対に「Lose – Win」、商談で自分が妥協した場合はどうでしょうか?

今度は自分にしこりが残り、それを相手も察して、お互いにこの仕事に対するモチベーションが落ちてしまいかねませんね。

相手の都合を抜きに「Win」の態度で商談を進めれば、当然関係は破綻してしまうでしょう。

このように、状況によって一時、「Win – Win」以外の関係を選択することがあっても、それはやがては「Lose – Lose」の関係になってしまうため、常に「Win – Win」に近づけるようにしていくべきなのですね

そのために必要なのは、

  • 相手への思いやり
  • 自分の立場も明確にするための勇気
  • お互いに満足のいく解決策が見つかるまで話し合いを続ける忍耐力

です。

こう見ると大変なことですが、お互いにさまざまなリソースがもたらされる相互依存の関係を築くために、ぜひ時間や労力を投資をしていきたいですね。

次回は、「Win – Win」の関係から、さらにもう一歩進めるパラダイム「Win – Win or No Deal」について詳しくお話しします。

まとめ

  • 『7つの習慣』では、人間関係のパラダイムには6つあること、このなかでも最も望ましいパラダイムは「ケース・バイ・ケース」、場合によって効果的なパラダイムは変わってくるといわれています。ゆえに大切なことは状況を正しく読み取って、その場に応じたパラダイムを選択することです
  • 長期的に見れば、「Win-Win」以外のパラダイムでは両者が負けとなるため、唯一の実行可能な選択肢は「Win-Win」と断言されています。そのため特殊なケース以外は、「Win – Win」に近づける努力が大事なのです
  • 「Win – Win」の関係構築に必要なのが、以下の3つの要素です
    • 相手への思いやり
    • 自分の立場を明確にする勇気
    • お互いに満足できる解決策を見つけるまでの忍耐力

続きの記事はこちら

Win-Winを考える4-取引しない「No Deal」のメリット|朝活で学ぶ「7つの習慣」その38
朝活主催のゆうです。このブログでは、世界的ベストセラー『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。完訳7つの習慣人格主義の回復続けてお話ししているのが、第4の習慣「Win-Winを考える」についてです。『7つの習慣』では、人間関係のパラ...

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この記事を書いた人
南 雄一郎

スキルアップ!勉強会 主催者。
2014年から都内のカフェでコミュニケーションのスキルを上げるための勉強会を開催していました。
2016年からは、対人関係でのスキルを心理学から学ぶ勉強会をメインに開催しています。
勉強会の開催数は累計200回以上です。

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