9/24(月・祝) 達人から学ぶ、コミュニケーションの秘訣-良好な人間関係を築くGIVEの精神13|心理学勉強会レポート54

心理学ワークショップ主催の ゆう です。

今回のワークショップには初めての方1名を含む、7名の方にご参加いただきました!

3連休の最終日にも多くの方にご参加いただき、とても充実して終えることができました^^

このテーマのワークショップでは、数回前から、自分のタイプを知るための診断テストを行っています。
時間も限られているため簡単なテストではあるのですが、自分はどのタイプかをある程度知って話を聞いていただくのとそうでないのとでは、受け止められ方が違ってくると感じます。

自分のタイプがわかることで、どんなことに気をつけるべきか、どう改善すべきかがより見えてきます。

関心のある方はぜひご参加いただき、テストを受けていただければと思います(^^)

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3万人以上対象の実験からわかる、人間の3つのタイプ

今回のテーマは、
行動心理学から学ぶ「良好な人間関係を築く“GIVEの精神”」
についてでした。

このテーマのワークショップでは、世界中の人々の働く意義を変えたといわれるベストセラー『GIVE&TAKE』の内容をメインにお話ししています。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)

この本は、ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラント教授によって書かれたものです(ちなみにグラント教授は同校で史上最年少での終身教授になっています)。

グラント教授はこの本の中で、「取る」「与える」という観点で、人間には3つのタイプがあることと、その特徴を詳しく紹介されています(世界中の3万人以上を対象にした心理学実験の結果が元になっており、信憑性の極めて高い主張であるといえます)。

その3つのタイプは、

  1. ギバー(Giver 受け取るより多くを与える人)
  2. テイカー(Taker 与えるより多くを受け取とうとする人)
  3. マッチャー(Matcher 与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人)

です。

このなかで、最も成功から遠い位置にいるのはどのタイプかというと、それはギバーです。

ギバーは多くを与えようとする、いわゆる良い人であるがゆえに利用されやすく(特にテイカーに)、自分のこともおざなりになってしまうのです。

ではタイプがギバーな人はタイプを変えたほうがいいのでしょうか?
やはり搾取する人が成功するような世の中なのでしょうか?

と思われるかもしれません。

ところが最も成功しているタイプもギバーといわれるのです。

なぜそうなるかというと、ギバーには、自己犠牲型のギバーと、他者志向性のギバーの2つがあるからなのです

他者志向性のギバーは与えることを基本としつつ、自分を守ることも怠らないため、利用されたり搾取されたりすることなく、成功の階段の一番上にのぼることができるのです。

それでは、どうすれば他者志向性のギバーになれるかについて、このブログでは続けてご紹介をしています。

前回は、そもそも人が与える理由は、相手のなかに自分自身を見出すのであり、自分自身を助けようとしていること、ゆえに相手との共通点が与えることに多大な影響をおよぼすことをお話ししました。

前回の記事はこちら

9/17(月・祝) 与える行為に多大な影響を及ぼすものとは?相手との◯◯◯-良好な人間関係を築くGIVEの精神12|心理学勉強会レポート52
心理学ワークショップ主催の ゆう です。 今回のワークショップには初めての方5名を含む、8名の方にご参加いただきました。 3連休の最終日、予想以上に多くの方にご参加いただき、ディスカッションも盛り上がり、充実した時間となりました^^ ...

今回は、その相手の共通点の活かし方について、具体的な方法をご紹介します。

達人から学ぶ、コミュニケーションの秘訣とは?

相手との共通点があれば、共通のアイデンティティが活性化され、お互いにギバーとして振る舞うことができます。

この共通点を最大限まで生かす方法の1つをご紹介します。

それは『「仕事ができるやつ」になる最短の道』(安達裕哉著)というビジネス書の中で紹介されています。

「仕事ができるやつ」になる最短の道

筆者の方は、誰とでも友だちになってしまう「コミュニケーションの達人」といわれる人と接する機会を得たそうです。
果たしてコミュニケーションの秘訣とは何なのでしょうか。

それについてこう語られています。

彼(コミュニケーションの達人)は、人と会うときは、初対面の人にはとくにそうだったのだが、「その人の趣味や、好きなもの」を必ず聞くのだ

そして、彼はそれについて必ず最後に、「私におすすめはありますか?なにかいいものがあれば、教えてほしいのですが」と尋ねる。

このように、相手が何に関心を持っているかを知ろうと心がけている人はおられるでしょう。

しかしコミュニケーションの達人がほかの人との違いを見せたのは、その後のことです。

そして、後日彼に会った。驚いたことに、彼はそのときの会合で教えてもらった作品を「すべて見た」というのだ

私は驚いた。「話を合わせていただけじゃなかった」と。

達人は単に話を合わせていたのではなく、相手の話に心から興味を持ち、おすすめされたものを実際にやってみたのですね。

  • いただいたアドバイス、仕事で試してみました。
  • 本、読んでみました。
  • アニメ、見てきました。
  • iPhoneのケース買ってみました。
  • 雑誌、買って読みました。
  • サイトを見て、使ってみました。
  • サービスを利用してみました。
  • お店に行ってきました。

と、漏れなくやり遂げるのです。

この経験から筆者は、

  • 相手の好きなことに興味を持つ
  • 好きなことを教えてもらったら、とりあえず試す

その「素直さ」が、コミュニケーションの秘訣である、といわれています。

このように自分の好きなことに興味を持ってくれて、しかもそれをすぐにでもやってくれるような人には、私たちは好感を抱きますね。

その人にならもっと有益な情報を共有しよう、と思われるでしょう。

まさに共通のアイデンティティの活性化によって、お互いにギバーとして振る舞い、良好な関係を築くことができるとわかります。

ぜひ心がけて、「素直に」実行していきたいですね。

 

次回は、与える理由としてもう1つ、重要なことをお話しします。

まとめ

  • ペンシルベニア大学ウォートン校の心理学教授 アダム・グラント氏は、人間を「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つに分類されました。このなかで最も成功しているのも、最も成功から離れているのもギバーといわれています
  • 成功するには、与えることを基本としつつ、自分のことも守れる他者志向性のギバーになることが大切です。そのためには、みんなが与え合える環境に身を置くことで搾取される心配もなくなり、自分も安心してギバーとして振る舞うことができます
  • 誰もが与え合うルールのヒントが、相手との共通点です。相手に共通点を見出すと、共通のアイデンティティが活性化され、お互いに他者志向性のギバーとして行動するようになります
  • コミュニケーションの達人は初対面の人に趣味や好きなものを必ず聞き、おすすめされたものを実践し、その感想を伝えます。相手の好きなことに興味を持ち、それをとりあえず試すという「素直さ」が共通のアイデンティティの活性化につながり、コミュニケーションも円滑になるのです

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