9/22(土) 性格を変えるのを妨げる“統覚バイアス”とは?-アドラー心理学に学ぶ ライフスタイルを変える方法3|心理学勉強会レポート53

ワークショップ主催の ゆう です。

今回のワークショップには初めての1名を含む、8名の方にご参加いただきました^^

3連休の初日に多くの方にご参加いただき、おかげさまでとても良いスタートを切ることができました。

今回のテーマは「ライフスタイル(=性格)を変えるには?」であり、まさに「性格を変えたい、性格が悪いからうまくいかない」と考えておられる方が参加されました。

今回のワークショップの内容が日常で少しでも役に立てば、幸いに思います。

また、ワークショップでの学びだけでなく、さまざまな年代・職種の方と交流ができたことを喜んでいただいた方もおられました。

一人で落ち着いて考える時間も大切ですが、いろいろな考えの人と話をするのも、解決のヒントがたくさんもらえるので、貴重な時間ですね。ワークショップの良さを改めて実感しました。

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性格を変えようとしない理由とは?

今回のテーマは、
アドラー心理学に学ぶ「ライフスタイルを変える方法」
でした。

ライフスタイルとは、アドラー心理学で「認知行動パターン」のことを指します。さらに簡単にいえば「性格」のことですね。

性格と聞くと、なかなか変わらないもの、変えることができないもの、と思っている方も多いと思います。

ところがアドラー心理学では、ライフスタイルは自らが選び取ったものであり、選び直すこともできる、といわれているのです。
決して不変のものではないのですね。

アドラー心理学の日本でのパイオニアである野田俊作さんも「性格はとても変わりやすい」といわれています。

しかし私たちは、性格を変えないための能動的な努力を絶えずやっているため、性格は変わりづらい。「変えられない」のではなく、「変えたくない」「変えようとしない」のだと指摘されています。

ではなぜ私たちは性格を変えようとしないのでしょうか。それには以下の4つの理由があります。

  1. 保守的である
  2. 統覚バイアス
  3. 性格が環境をつくり、環境が性格を安定させる
  4. 人間は自分の性格にたっぷり投資している

前回は1番目の「保守的である」ことについて詳しくお話ししました。

前回の記事はこちら

7/14(土) 人間が性格を変えないのは?“保守的である”理由-アドラー心理学に学ぶ ライフスタイルを変える方法2|心理学勉強会レポート46
ワークショップ主催の ゆう です。 今回のワークショップには初めての3名を含む、9名の方にご参加いただきました^^ 3連休は35度を超える猛暑日から始まり、ある意味、悪天候ともいえるような日ながら、たくさんの方に来ていただき、あ...

今回は2番目の理由である「統覚バイアス」についてお話しします。

人間は思い込みに一致する情報ばかりを受け取っている

「統覚バイアス」とはどのようなものかについて、先の野田さんはこう説明をされています。

人間は、自分の性格(思い込み)に一致するように外界の出来事に意味づけをするということ

(『性格は変えられる (アドラー心理学を語る1)』より引用)

私たちには、「自分の見方は正しい」「自分はものごとを正しく見ている」という思いがありますが、実はそれは思い込みであり、思い込みに合うように見ているに過ぎない、ということなのです。

人間の認知について、簡単な図で表すと、以下のようになります。

外界の出来事をそのまま受け取っているのではなく、統覚バイアスというフィルターを通してものごとを認知しているのです。

その認知から感情や思考が生み出され、それに従って行動をしています。

ということは、認知を誤ると、正しく見れば起こりえない感情や思考が生み出され、誤った行動をしてしまう、ということなのですね。

私たちは統覚バイアスによって、自分の元々の性格に一致した、矛盾のないデータしか受け入れようとせず、事実を、事実ではないように受け取ってしまうのです

明らかに自分の思い込みと反することも(意識的か無意識的か、にかかわらず)見逃してしまうので、自分の考えを改めることはないのですね。

この統覚バイアスについて、野田さんは例えてこういわれています。

に心地よいおべんちゃらばかり言う大臣に囲まれた童話の中の王様みたいなものです

たとえ信念に反する事実が表われても無視してしまうか曲解してしまう

こうして、性格はますます変わりにくくなる

(『性格は変えられる (アドラー心理学を語る1)』より引用)

おべんちゃらばかり言う大臣や部下ばかりに囲まれていれば、間違いに気がつくことなく、やがては誤った行動により悪い結果を招いてしまいます。
そんなことが私たちの認知に起こっているのですね。

具体的にいうと、

たとえば、起業をして成功をしたい、と思っている人がいたとします。

しかしその一方で、もしかしたら失敗するかも、という思いもあり、「失敗するだろう」という思いのほうが強かったとします。

起業して成功したという情報と、失敗してしまったという情報がたとえ半々だったとしても、「失敗するだろう」という思いのほうが強いと、起業で失敗したという情報ばかりが入ってくるでしょう(起業で成功したという情報は無意識に切り捨てて)。

そうなれば、起業することを断念する可能性が極めて高くなりますね。

このように思い込みに一致する情報しか私たちは取り入れようとしないので、性格が自然と変わることはないのです。

 

次回は、3番目の理由「性格が環境をつくり、環境が性格を安定させる」について詳しくご紹介します。

まとめ

  • アドラー心理学で「ライフスタイル」とは「認知行動パターン」のことで、より一般的な言葉では「性格」のことです。ライフスタイルは自らが選び取ったものであり、選び直すこともできるのです
  • 性格はとても変わりやすいにもかからわず、私たちは性格を変えないための努力をやっているために性格は変わりづらいといわれています。その性格を変えない理由の1つが「統覚バイアス」です
  • 「統覚バイアス」とは、「自分の性格(思い込み)に一致するように外界の出来事に意味づけをする」ことです。統覚バイアスによって、事実を無視してしまうか、曲解して受け取ってしまいます。すると「私の考えをやっぱり正しい」と思い、考えを改めようとしなくなるのです

引用した書籍

性格は変えられる (アドラー心理学を語る1)

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