朝活主催の ゆう です。
このブログでは、世界的ベストセラー『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。
前回は、「信頼口座」の章にある「主な6つの預け入れ」のうち、「引き出してしまったときには心から謝る」について詳しくお話ししました。
前回の記事はこちら

どんなに気をつけていても、人間ならば誰しも間違いはあり、信頼口座から引き出しをしてしまうことがあるでしょう。
そのときに大事なのは、心から謝ることです。
たとえ間違いをしてしまっても、その後に誠心誠意の謝罪をすれば、それは大きな預け入れにさえなるのです。
それは、原則が内面化している人格の高い人ができることであり、謝罪には人格が問われます。
また謝罪後には「同じ過ちを繰り返さない」ことも大切です。
同じ過ちを繰り返せば、「この人は本当に心から謝っていないな。反省していないな」と思われ、その場合の謝罪は預け入れとはならないからです。
以上が、信頼残高を増やし、相手と良好な関係を築くのに必要な「主な6つの預け入れ」でした。
今回は、コヴィー博士が「愛の法則」と呼んでいることについてお話ししていきます。
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条件つきの愛は残高を引き出し、“心の問題”を招く
何の見返りも期待せずに無条件で愛することによって、相手は自分が認められたと感じ、自然な成長が促されます。
反対に、愛することに条件をつければ(~ができなければ相手を愛さない、認めない)、相手は反応的な立場に追い込まれることになります(相手に認められなかったら大変だ、~できなければ意味のない人間になってしまう)。
そして、相手の期待に応えることができないとなると、自分を責めるか、相手に反抗して自分のアイデンティティを保とうとするかの、どちらかになるのです。
極端な例ですが、親が、高学歴の大学に入らなければ子供のことを認めない、という考えでいれば、それは条件つきの愛ですね。
そうなると子供は親の期待に応えようとし、それができなければ、自分の価値を認められなくなり、自分を責めてしまうことにもなります。最悪の場合、死も選びかねません。
あるいは、自分を無条件に認めてくれない親に従ってなるものか、と反抗的な態度を取るようになるでしょう。
自分を一人の人間として認めてもらえないのは、とても悲しいことですね。
この問題についてコヴィー博士はこう語っています。
反抗は、頭で起こした問題ではなく心で起こした問題である。心の問題を解決する鍵は、無条件の愛を預け入れ続けることである。
(『7つの習慣』より引用)
反抗という“心の問題”を解決するには?
反抗という心の問題の解決について、コヴィー博士の友人の例が紹介されていました。
大学進学と望む父親、拒む息子
その友人は、名門大学の学部長を勤めていた人物で、彼は息子がその大学に入れるようにと、長年貯金し、計画を立てていました。
ところがまもなく入試というときに、息子が受験を拒んでしまったのです。
父親はひどく落胆します。その大学を卒業すれば、息子にとっては大きなキャリアになるはずでした。
そもそも、その家は、父親より2代前からその大学を卒業しており、伝統となっていたのです。
彼は何とか息子を受験させようと説得に説得を重ね、息子の話に耳を傾けて理解しようともしましたが、息子の決意を変えることはできませんでした。
それは彼の裏側に潜んでいたのは「条件つきの愛」であったからです。
一人の人間として息子を思う気持ちよりも、その大学に入ってほしい、という自分の都合のほうが大きかったのですね。
息子はそんな父の思いを感じとっていたため、自分のアイデンティティを守ろうとし、父に反発して、大学を受験しない決意をいっそう固めてしまいました。
「条件つきの愛を捨てる」父親の覚悟
そこでついに、父親は、自分の心の奥底を見つめて反省し、条件つきの愛を捨てることにしたのです。
「息子は自分の望む道とは違う道を選ぶかもしれないが、それでもかまわない」という覚悟をしたのですね。
それは決して簡単な決断ではありませんでした。
何しろ、その大学で学ぶことにどれほどの価値があるかわかっていたし、息子が生まれたときからそれを計画してきたからです。
しかし彼と奥さんは息子がどの道に進もうとも、無条件で愛することにしたのです。
両親は
「おまえがどんな選択をしようとも、おまえに対する無条件の愛はいささかも揺らがない。そう正直に言えるようになった」
と、息子に話すことができたのでした。
両親の話を聞いても、息子はあまり反応を示しませんでした。それでも両親はすでに決意を固めていたため、両親の息子に対する気持ちは揺らがなかったのです。
1週間ほど経って、息子は両親に、やはりその大学には行かないと告げました。両親の思いは変わることなく、その答えを受け入れ、その後も息子に無条件の愛を与え続けました。
それからしばらくして、事態は意外な展開を見せたのです。
両親に反発する必要のなくなった息子は、内面をもっと奥深く見つめていったところ、自分の中にその大学で学びたい気持ちを発見しました。
そして息子は入学願書を出し、父親にそのことを話しました。父親はこのときも無条件の愛で息子の決断を受け止めたのです。
無条件の愛を与え続けることが、大きな預け入れになる
このエピソードのように無条件の愛を与え続けたとして、最終的に自分の望む道を相手が選ぶとは限りませんね(息子の内面に、その大学で学びたい気持ちがあったのは幸いでした)。
しかしたとえ、自分の望む道を選ばなかったとしても、相手は一人の人間として認められたことを喜び、自立へと踏み出していけるのでしょう。
エピソードの例でも、一人の人間として受け入れてもらえたことで、息子は反発心がなくなり、冷静に自分を見つめ直せたことで、気持ちよく大学進学とへ歩み出すことができました。
仮に、両親の期待を過度に背負ったり、半ば強制的になったりした状態で大学に入れば、大学生活がうまくいかなくなったときに自分をひどく責めたり、親を恨んだりすることも考えられます。
実際に、自分のエゴを棚上げして相手を一人の人間として認めることは簡単ではありません。先のエピソードのように、条件つきの愛を捨てるのに父親は相当な覚悟があったはずです。
まず自分自信が人格を高め、相手を理解することから始めていきたいですね。
まとめ
- コヴィー博士は「心の問題を解決する鍵は、無条件の愛を預け入れ続けることにある」といわれています。何の見返りも期待せずに無条件に相手を愛することによって、相手は認められたと感じ、自然な成長が促されます。反対に、愛することに条件をつければ、相手はその期待に応えられないと自分を責めるか、反抗するかしてしまうのです
- 息子の大学を進学を望んでいた父親は、それが条件つきの愛であったために、息子はそれを感じ取り、反発していました。しかし父親が条件つきの愛を捨て、息子の思いを尊重し、無条件の愛を与え続けたところ、息子は自分の本当の気持ちに気づき、大学への進学を決断したのでした
- 自分のエゴを棚上げして相手を一人の人間として認めることは簡単ではありませんが、そのように無条件の愛を与えることは大きな預け入れとなるのです
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