心理学ワークショップ主催の ゆう です。
今回のワークショップには初めての方5名を含む、8名の方にご参加いただきました。
3連休の最終日、予想以上に多くの方にご参加いただき、ディスカッションも盛り上がり、充実した時間となりました^^
東海や四国出身の方が参加され、出身地の話題でも話が弾みました(^^)
出身地の話題は、意外な情報をたくさん知ることができるので、楽しいですね。
今回は、「ギバーの素晴らしい特徴とは何か?」というテーマでディスカッションをしていただきました。
ギバーとは、他人に貢献することを喜びとし、受け取る以上に与えようとする人のことです。
与えることでさまざまな恩恵がもたらされるため、ギバーのタイプの人は、他のタイプの人よりも収入や社会的な地位の面で成功できる、といわれています。
(ギバーであれば誰もが成功できるわけではなく、他者に利用されてしまい、他のタイプよりも成功から遠ざかってしまうこともあります ※詳細は後ほど)
そのギバーにはどんな素晴らしい特徴があるのか、想像していただきました。
ディスカッションをすることで、では自分自身は普段、どんな言動を心がけでいるのかが振り返られ、よりワークショップの内容を受け止めていただけたように思います。
落ち着いてこれまでを振り返る時間を取るのが大切だと、改めて感じました。
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世界中の人々の働く意義を変えた!人間の3つのタイプの調査
今回のテーマは、
行動心理学から学ぶ「良好な人間関係を築く“GIVEの精神”」
についてでした。
このテーマのワークショップでは、『GIVE&TAKE』という本の内容をメインにお話ししています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
『GIVE&TAKE』は、ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラント心理学教授によって書かれたものです(ちなみに、グラント教授は史上最年少で終身教授になっています)。
グラント教授は、世界の文化をまたいで3万人以上を対象にある調査をし、その結果が『GIVE&TAKE』のなかで詳細にまとめられています。
その調査とは、「与える」「取る」という観点で人間をタイプ分けする、というものです。
調査により、それは
- ギバー(Giver)
- テイカー(Taker)
- マッチャー(Matcher)
の3つに分類されました。
ギバーは、先にも紹介した、受け取るより多くを与える人です。
テイカーは、ギバーとは真逆で、与えるより多くを受け取ろうとする人です。
そしてマッチャーは、与えることと受け取ることのバランスを取ろうとする人のことです。
これも先でご紹介したように、このなかで、他のタイプより成功しているのがギバーであり、また最も成功から遠い位置にいるのもギバーなのです。
なぜ同じギバーなのに、このような差が生じるかというと、ギバーにも2通りあるからです。
最も成功しているのが「他者志向性」のギバー、反対に成功から遠ざかっているのが「自己犠牲型」のギバーなのです。
ゆえにグラント教授の主張は、他者志向性のギバーになるべきだ、ということなのですね。
『GIVE&TAKE』には他者志向性のギバーになるための方法が明らかにされており、このレポートでは、それを少しずつご紹介しています。
前回は、そもそも人が与える理由とは何かについてお話ししました。
前回の記事はこちら

人は利他的だから、純粋に相手を助けたいと思って与えるのか、あるいは人は利己的であり、何か目的があって与えるのか、というのは興味深いテーマですね。
これについてグラント教授は、相手の中に自分自身を見出し、その相手を助けるのである、といわれています。
誰でも彼でも助けるのでなく、自分自身を見出した相手を助けるという点では利己的ともいえますが、実際に相手を助けているので利他的でもある。つまり利己的であり利他的、ということなのです。
このことから導き出される重要な事柄とは何でしょうか?
与える行為に多大な影響を及ぼすものとは?
それは、「相手との 共通点 が与えるという行為に多大な影響を及ぼす」ということです。
これについて、ある実験が行われました(イギリスの心理学者による実験です)。
まず、サッカーチームのマンチェスター・ユナイテッドのファンを募集しました。
集まったファンは、建物から別の建物に歩いて移動する際、あるジョギング中の人が草の生い茂る土手を滑り落ち、足首を抱えて痛がっているのを目にしました。
果たして彼らはこのランナーを助けるだろうか?という実験です。
何も介入しなかった場合、ランナーを助けた確率は33%でした。
しかしある介入をしたところ、ランナーを助けた確率が92%まで上昇したのです。
いったい、どんなことをしたのでしょうか?
それはランナーにマンチェスター・ユナイテッドのTシャツを着せるかどうか、というものです。
何の変哲もないTシャツであれば、33パーセントしか助けませんでした。ところが、マンチェスター・ユナイテッドのTシャツを着ていれば、92パーセントが助けたのですね。
このように相手との共通点があれば、相手の中に自分自身を見出しやすくなり、たとえ見返りが得られないことだとしても相手を助けずにはいられないのですね。
相手との共通点を見出すなどして ほかの誰かとアイデンティティを共有すると、相手に対して私たちは他者志向性のギバーとして振る舞えるのです。これを「共通のアイデンティティの活性化」といわれます。
「共通のアイデンティティの活性化」と生かすことで、私たちは上質な人間関係を構築することができます。
それについては次回、詳しくご紹介します、
まとめ
- ペンシルベニア大学ウォートン校の心理学教授 アダム・グラント氏は、人間を「ギバー・テイカー・マッチャー」の3つに分類されました。このなかで最も成功しているのも、最も成功から遠い位置にいるのもギバーです
- ギバーには、自己犠牲的にふるまう人と、他者を第一に考えつつ、自己の利益も守る人がいます。後者の他者志向のギバーこそ、最も成功する人なのです
- 他者志向のギバーになるには、与える人が活躍できる環境に身を置くことが大切です。その環境について考慮すべきが、人がそもそも与える理由です。人を助けるのは、相手のなかに自分自身を見出しているからです
- 人が与える理由から、相手との「共通点」が与える行為に重大な影響を及ぼす、といわれています。相手との共通点を見出すことで「共通のアイデンティティ」が活性化され、他者志向的にふるまうことができるのです
続きの記事はこちら

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