朝活主催の ゆう です。
このブログでは、世界的なベストセラーである『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。
前回は、第3の習慣「最優先事項を優先する」の項目の1つである「デリゲーション」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

「デリゲーション」とは「権限委譲」、もっと簡単にいうと「人に任せる」ことです。
人に仕事を任せると、かえって時間も労力もかかるという思いからデリゲーションを嫌う人は多いですが、自分の能力を何倍にも生かすためにデリゲーションは不可欠であるといわれています。
それは多くのスタッフを抱えるマネージャーなら、それらのスタッフにうまくデリゲーションすれば、自分1人だけとは比較にならないほどの成果が生み出されるからですね。
そんな、効果的なパーソナル・マネジメントに欠かせないデリゲーションには、実は2種類あるとコヴィー博士は言及されています。
それは「全面的なデリゲーション」と「使い走りのデリゲーション」でした。
使い走りのデリゲーションは相手の行動に逐一目を光らせるやり方であり、効果的なデリゲーションではありません。
多くの結果をもたらす「全面的なデリゲーション」にこそ取り組まねばならないのですね。
今回はその「全面的なデリゲーション」とは何かについてご紹介します。
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素晴らしい結果をもたらしうる「全面的なデリゲーション」
全面的なデリゲーションについて、『7つの習慣』にはこう説明されています。
全面的なデリゲーションは、手段ではなく結果を重視する。
手段は自由に選ばせ、結果に責任を持たせる。
初めは時間がかかるが、その時間は決して無駄にはならない。
(『7つの習慣』より引用)
全面的なデリゲーションは、言葉の通り、全面的に相手に任せる、ということですね。
使い走りのデリゲーションが、行程の1つ1つを指示し、それに合わなければやり直しもさせるのに対し、手段や行程ではなく「結果」を重視し、どうやるかは相手に決めさせるのが全面的なデリゲーションです。
全面的に仕事を任せれば、相手が慣れていない始めのうちは望むような結果は得られず、口出しもしたくなるでしょう。
しかしそれでは使い走りのデリゲーションに戻ってしまいます。
全面的なデリゲーションで特に大切なことを、コヴィー博士はこう語っています。
信頼ほど人にやる気を起こさせるものはない。
信頼されていると思えば、人は自分の最高の力を発揮する。
だが、それには時間と忍耐が要る。信頼に応えられるレベルまで能力を引き上げる訓練も必要だ。
全面的なデリゲーションが正しくできれば、任せたほうにも任されたほうにも収穫があるし、はるかに少ない時間ではるかに多くのことができる。
(『7つの習慣』より引用)
全面的にデリゲーションするということは、「彼のやり方に任せれば望む結果を出してくれる」と、相手をそれだけ信頼する、ということですね。
信頼されることは、とても嬉しいことです。信頼されれば心から「相手の期待に応えたい」とモチベーションが高まり、力がみなぎってくるでしょう。
しかし任せたほうが望むような結果が出るまでは時間がかかりますし、結果が出ない時期が続けば「もう任せるのはやめにして、やはりこちらの指示通りにやらせたほうがいいのではないか」という思いも出てくるでしょう。
全面的に任せるには、任せる側の忍耐が求められます。
そこをグッと耐え抜けば、相手は成長していき、やがてはこれまでにかけた時間を十分に取り返せるほど、少ない時間で多くの結果を得ることができるのですね。
全面的なデリゲーションに必要な5つのもの
そのような素晴らしい結果をもたらしうる全面的なデリゲーションですが、丸投げしたり、やみくもに信じたりしていては、望むような結果は得ることはできません。
次の5つを明確にしなければならないと、コヴィー博士は指摘されています。
①望む結果
そもそも何を達成すべきかをお互いにハッキリと理解しておく。
何を達成するかであって、どうやって達成するかではないことに留意しておく。
いつまでに達成するのかという期限も決めておく。
②ガイドライン
守るべき基準やルールがあれば、明確にしておく。
ガイドラインを細かくすると手段の自由度が下がるため少ないほうがいいが、絶対に守らせねばならない制約は伝える。
また失敗する可能性の高いところがわかっているなら最初に教えておく。つまづきやすいところや落とし穴があれば、素直にすべてを話す。
してはいけないことを話すのであって、すべきことを指示するのは控える。
③リソース
望む結果を達成するために使えるリソース(人員、資金、技術など)を明確にしておく。
④アカウンタビリティ
成果を評価する基準を定め、仕事の進捗の報告を求める時期、評価を行う時期を具体的に決めておく。
⑤評価の結果
評価の結果として、良い場合、悪い場合、それぞれどのようなものがもたらさせるかを話しておく。
- 金銭的な報酬はどうなるのか
- 仕事が拡大する、昇進するチャンスはあるのか
- 組織全体のミッションにどう影響を与えるのか
など。
これらの5つを明確にし、相手に信頼をおくことで、正しい全面的なデリゲーションとなるのですね。
時間と忍耐は必要ですが、長期的に見れば素晴らしい結果が得られる全面的なデリゲーションはまさに第2領域の活動です。
ぜひ少しずつでも取り組んでいきたいと思います。
まとめ
- デリゲーションとは権限委譲、人にを任せることです。うまくデリゲーションできれば自分一人の場合とは比較にならない成果を生み出すことができるゆえ、効果的なパーソナル・マネジメントにデリゲーションは不可欠です
- デリゲーションには2種類あり、「全面的なデリゲーション」こそ効果的なデリゲーションとなり得ます。「使い走りのデリゲーション」が行程1つ1つに細かく指示を出すのに対し、「全面的なデリゲーション」では手段ではなく結果を重視し、手段は自由に選ばせ、結果に責任を持たせます
- 「全面的なデリゲーション」が実を結ぶまでは時間と忍耐を要し、絶えず信頼しなければなりませんが、だからこそ相手の意欲が高まり、相手が一定のレベルに達すれば、それ以降ははるかに少ない時間ではるかに多くのことができるようになります
- 全面的なデリゲーションでは、明確にすべき以下の5つの要素があります
- 望む結果-何を達成すべきかをはっきりさせる
- ガイドライン-守るべきルールを明確にする
- リソース-使ってもいい人員、資金、技術などを明確にする
- アカウンタビリティ-成果の評価基準を定め、進捗報告と評価を行う時期を具体的に決める
- 評価の結果-評価の結果として何がもたらされるかを話しておく
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