メッセージ化5-印象を強められる!“否定”による立ち位置の明確化|『超・箇条書き』から学ぶ伝える技術17

朝活主催の ゆう です。

このブログでは、『超・箇条書き』(杉野幹人著)を参考にさせていただき、わかりやすく話を伝えるための「箇条書き」のスキルをご紹介しています。

超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術

箇条書きは単に使っても情報が整理され、相手にも伝えやすくなりますが、スキルを活かすことで、短くかつこちらの意図を正確に、さらに非常に魅力的に伝えることができるのです。

そのスキルには

  1. 構造化
  2. 物語化
  3. メッセージ化

の3つがあり、前回は3番目の「メッセージ化(相手の心に響かせ、行動を起こさせること)」のための2つ目のコツ「『否定』で退路を断つ」をご紹介しました。

前回の記事はこちら

メッセージ化3-隠れ重言となる、プレゼンでの“NGワード”とは|『超・箇条書き』から学ぶ伝える技術15
朝活主催の ゆう です。 このブログでは、わかりやすく話を伝えるためのスキルをご紹介しています。 『超・箇条書き』(杉野幹人著)を参考にさせていただき、短く、かつ魅力的に伝えられるツールである箇条書きのスキルについて、続けてお話...

「『否定』で退路を断つ」というのは、「何を否定しているか、何をやらないかをあえて明示してしまう」ことであり、そうすることでこちらの立ち位置がはっきりし、意図を正確に伝えることができます。

たとえば、来年の抱負を上司に告げるときに、単に「生産性を上げます」だけだと、上司は「当たり前のことだよな」と思うだけで、心には響かないでしょう。

そこを「長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる」と、やらないことをあえて明示することで、「安易に長時間労働に走るのではなく、工夫して生産性を上げる」という意図が伝わりやすくなるでしょう。

これが「『否定』で退路を断つ」ということでした。

今回は、以前にも取り上げた新入社員Aさんの所信表明に、このコツを組み込んだ場合を紹介します。

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「『否定』で退路を断つ」を所信表明に応用

メッセージ化の1つ目のコツ「隠れ重言を排除する」を適用したことで「当たり前のこと、伝える意味のないもの」が削られ、Aさんの所信表明は以下のようになりました。

<私の約束>

  • 自分の信じる新商品をつくります
  • 数多くの新商品をつくります

この中で、「否定」によってより意図が明確になる文はあるでしょうか。

それは最初の「自分の信じる新商品をつくります」の文です。

「自分の信じる商品をつくる」というのは当たり前のことではないものの、インパクトはそれほど強くありません。
Aさんがそう言っている立ち位置が明確になれば、印象はもっと強くなり、メッセージ化されます

Aさんの発言の意図、背景とは?

たとえば、Aさんには、

「もちろん顧客をはじめとするいろいろな人の意見を聞き、それを商品開発に活かしていきたい気持ちもありつつも、妥協の産物をつくってしまうことは避けたい」という意図があったとします。

実際に新商品づくりというのは顧客の潜在的なニーズを知ることが重要でありますが、市場アンケートでわかるのは顧客の顕在化されたニーズのみで、奥底にあるニーズを知ることはできません。

顕在化しているニーズに合わせて商品をつくったとしても、ヒット商品は生まれず、他者との競争に巻き込まれてしまいます。

そのような背景からAさんは、市場の声に耳を傾けるばかりなく、顧客の潜在的なニーズを満たすべく「自分の信じる新商品をつくる」と言ったとします。

Aさんの立ち位置を明確にするには?

そのAさんの意図を伝えるときに使うべきが「否定」ですね。

この場合、「市場の意見に耳を傾けることなく、自分の信じる新商品をつくります」とすればどうでしょうか?

Aさんの発言の背景もくっきりし、読み手に対して強い印象を与えることができます。

「顕在化したニーズに合わせるのではなく、妥協せずに潜在的なニーズを探求し続けることがマーケッターの成功のコツだとわかっている」と、先輩社員は好印象を抱き、そのためのサポートが得られるかもしれません。

このように「否定」によるスタンスの明確化によってこちらの意図がしっかりと伝わり、その結果、相手の心に響き、動かされることもあるのですね。

否定をふんだんに取り入れたソニーの「開発18か条」

また、『超・箇条書き』の中で、「否定」のスキルを上手に使用している例として、ソニーの「開発18か条」が紹介されていました。

はじめのいくつかをご紹介すると、

第1条:客の欲しがっているものではなく、客のためになるものをつくれ

第2条:客の目線ではなく、自分の目線でモノをつくれ

第3条:サイズやコスト目標は可能性で決めるな。必要性、必然性で決めろ

などが列記されています。

第1条は「客の欲しがっているものではなく」と、顕在化したニーズに合わせることが否定され、「客のためになるものをつくれ」という言葉に、潜在的ニーズも含めて訴求していくべきという意味が込められているとわかります。

もしこれが「客のためになるものをつくれ」だけなら、当たり前のことを言っているだけだと思われかねません。否定を入れることで、潜在ニーズへの訴求の大切さが伝わり、言葉の重みが増すのですね。

自分のプレゼンの中で「否定」を使ってスタンスを明確にし、印象を強められるところがないか、振り返ってみたいですね。

 

このように否定はスタンスを明確するための強力な技術なのですが、絶対的に否定できること自体は少なく、使用が躊躇されることもあると思います。

そんなときに使いたいのが「相対的な否定」です。

それについては次回、詳しくご紹介します。

まとめ

  • 超・箇条書きのスキル「メッセージ化」の2つの目のコツが「『否定』で退路を断つ」です。何を否定しているかを明示することで、何をするのかが際立ち、意図を正確に伝えられます
  • 新入社員Aさんの所信表明でいえば「市場の意見に耳を傾けることなく、自分の信じる新商品をつくります」と言うことで、妥協せずに潜在的なニーズを探求するというAさんの姿勢が伝わり、好印象を持たれる可能性が高まります
  • 「否定」のスキルを上手に活用しているのがソニーの「開発18か条」です。「客の欲しがっているものではなく、客のためになるものをつくれ」など、否定を入れることで、後者の言葉の重みが増します

続きの記事はこちら

メッセージ化6-使い勝手が良くてスタンスもとれる、2つの"ソフトな否定”とは|『超・箇条書き』から学ぶ伝える技術18
朝活主催の ゆう です。 このブログでは、『超・箇条書き』(杉野幹人著)を参考にさせていただき、「箇条書き」のスキルを続けてご紹介しています。 超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術 箇条書きは短く、...

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