朝活主催の ゆう です。
このブログでは、『超・箇条書き』(杉野幹人著)を参考にさせていただき、わかりやすく話を伝えるためのスキルをご紹介しています。
箇条書きはわかりやすく伝えるために有効なツールですが、短くかつより魅力的に伝えるにはスキルが必要です。
その「超・箇条書き」のためのスキルは
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
の3つでした。
前回までは3番目の「メッセージ化(相手の心に響かせ、行動を起こさせること)」のコツの1つ「隠れ重言を排除する」をご紹介していました。
前回の記事はこちら

今回は、「メッセージ化」の2つの目のコツ「『否定』で退路を断つ」について詳しくお話しします。
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「否定」を使うことで、スタンスの取れたメッセージに
「『否定』で退路を断つ」というのは、「何を否定しているか、何をやらないかをあえて明示してしまう」ことです。
そうすることで自分の立ち位置がよりハッキリします。
具体例として、新入社員のBさんが上司に来年の抱負を伝える場合が紹介されていました。
以下のように報告をしたら、上司はどう感じるでしょうか?
来年の抱負
- 生産性を上げる
- 衝突はいとわない
「生産性を上げる」の意図を明確に伝えるには?
最初の文「生産性を上げる」については、「まぁ、当たり前だよな」と流されてしまうかもしれません。
社会人として生産性を上げるのは当たり前であり、このままだと伝える意味のないことになってしまうでしょう。
しかし「生産性を上げる」というのは、この社員にとって当たり前でない場合もあります。
それはこの社員が普段、工夫して生産性を上げるのを怠り、「長時間労働に走って生産性をカバーする」というクセが指摘されていた場合です。
その場合の「生産性を上げる」というのは、その社員が労働時間を増やさずに、生産性を上げる工夫を駆使して、本当の意味で「生産性を上げる」という意味であり、社員にとっては当たり前のことではないといえますね。
けれどこのままでは上司にとっては当たり前のことであり、社員の意図が伝わりません。
そこで使うべきが「否定」による「やらないことの明確化」なのですね。
たとえば「長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる」とすればどうでしょうか?
「長時間労働ではなく、さまざまな工夫を使いこなして生産性を上げる」というBさんの立ち位置が明確になります。
上司がこれを読めば、「安易に長時間労働に流れるという自分の弱点と向き合おうとしているな」と関心を持ってくれるでしょう。
「衝突はいとわない」でスタンスをとるには?
また2つ目の「衝突はいとわない」という文についても、それだけではこの社員の立ち位置は不明確です。
しかしこの社員からすれば、突拍子もないことを言っているのではない場合もあります。
それはこの社員が、自らの意見を言うべきときや押しが必要なときであっても、相手が目上の人だと腰が引けて、保身のために意見を言わないという悪癖があった場合です。
その場合、「衝突はいとわない」というのは、この社員にとっては立派な決意表明といえますね。
ただ、この場合も「衝突はいとわない」の文だけでは上司にその意図が十分に伝わりません。
ここでも使うべきが「否定」による「やらないことの明確化」です。
たとえば「無難な道を選ぶのではなく、衝突はいとわない」とすればいかがでしょうか?
上司はその熱意を感じ取り、「そこまでの覚悟があるなら、支援をしようか」と思って、Bさんが衝突したときにフォローにまわってくれるかもしれません。
「何をしないか」の明示で、「何をするか」の意図が伝わる
このように「否定」を効果的に使うことでスタンスのとれたメッセージとなり、相手の心に響かせ、相手を動かすこともできるのですね。
私たちは何かを伝えようとするときに、「何をするか」ばかりを伝えようとしがちになります。
それも もちろん必要ですが、「何をしないか」を明示し強調することで立ち位置がはっきりし、「何をするか」もより強調して伝えることができるのです。
ぜひ覚えておいて実行したい「メッセージ化」のコツですね。
次回は、以前に紹介した新入社員Aさんの所信表明に、このコツを応用した場合どうなるかについてご紹介します。
まとめ
- 超・箇条書きのスキル「メッセージ化」の2つの目のコツが「『否定』で退路を断つ」です。「何をやらないかをあえて明示する」ことで、自分の立ち位置がよりハッキリし、相手を動かすメッセージになり得ます
- 「長時間労働に走るのではなく、生産性を上げる」「無難な道を選ぶのではなく、衝突はいとわない」など、否定を入れて「やらないこと」を明確にすることで、何をするかの意図が際立ち、強調させることができるのです
続きの記事はこちら

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