朝活主催の ゆう です。
スキルアップ!朝活では、相手にわかりやすく話を伝えるためのワークを行っています。
わかりやすく伝えるには経験を重ねるとともに、効果的なスキルを学んでいくことも大切ですね。
そこでこのブログでは、朝活ではお伝えしきれない、わかりやすく伝えるスキルを続けてご紹介しています。
先月から、『超・箇条書き』(杉野幹人著)を参考にさせていただいて、箇条書きのスキルを集中してお話ししています。
短く、かつ魅力的に伝える箇条書きのスキルは
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
の3つです。
前回は3番目のスキルである「メッセージ化」とは何かについて紹介しました。
前回の記事はこちら

「メッセージ化」とは「相手の心に響かせ、行動を起こさせること」でしたね。
どんなにわかりやすい箇条書きであっても、相手の心に響くものがなく、こちらが望む行動をしてもらえなければ、伝えることの本来の目的を果たすことはできません。
相手に良い印象を与え、動いてもらうためのスキルがメッセージ化です。
メッセージ化のポイントは「スタンスをとること、自分の立ち位置をハッキリさせる」ことです。
自分の立場があいまいであったり、当たり前のこと、一般的なことばかり言っていたりするのでは、それを読んだ人の心に何かが響くことはありません。
では立ち位置をハッキリさせるにはどうすればいいのかというと、そのための3つの工夫があります。
それは
- 隠れ重言を排除する
- 否定を使う
- 数字を使う
の3つでしたね。
今回は、メッセージ化のための1つ目の工夫である「隠れ重言を排除する」についてお話しします。
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知らず知らずに使っている?「隠れ重言」
「隠れ重言」の重言とは、意味が重複している表現のことです。
たとえば、「顔を洗顔する」や「頭痛が痛い」などの表現ですね。これは日本語として誤りですし、冗長にもなるため、当然避けるべき表現です。
これはわかりやすい重言であり、気をつけている人がほとんどですが、なかには「隠れ重言」もあります。
隠れ重言というのは、表現としての重複はないものの、当たり前であり、わざわざ伝える必要のない言葉のことです。
短く、魅力的に伝えるべき箇条書きに隠れ重言が含まれていては、相手の関心を引きつけ、心に響かせることはできないのですね。
ではどんなものが隠れ重言になるのでしょうか。スポーツを例に挙げて紹介されていました。
たとえば日本代表のサッカー中継で実況しているアナウンサーが、「日本はそろそろゴールが欲しいですね」と言ったとします。
表現上の重言はありませんね。
しかしサッカーでゴールが欲しいのは当たり前のことですし、新しい情報はありません。これが「隠れ重言」です。
普段の会話なら潤滑油として当たり前のことや一般的なことを言っても問題ないですが、こと情報量を少なくすべき箇条書きでは避けたい表現なのです。
隠れ重言を排除して、スタンスをとる
ここで、前回の記事でも紹介した新入社員Aさん(マーケティング部へ配属)の所信表明での隠れ重言を見つけてみましょう。
<私の約束:6か条>
- お客様に喜んでいただける新商品をつくります
- 差別化された新商品をつくります
- 自分の信じる新商品をつくります
- できるかぎり数多くの新商品をつくります
- 一生懸命に効率的に業務を実行します
- すべてのことで自分のベストを尽くします
この中には表現としての重なりはありません。しかしところどころに隠れ重言が存在しています。
1つ目の「お客様に喜んでいただける新商品をつくります」は、マーケティング部としては大前提ですね。当たり前のことであり、マーケティング部の先輩たちの心は響かないでしょう。
また、「差別化された新商品」も、新商品であれば当然差別化が求められます。
そして「一生懸命に効率的に業務を実行します」「すべてのことで自分のベストを尽くします」も社会人として働く上では誰しも求められることであり、わざわざ所信表明として伝える必要のないことですね。
これが「あえてベストを尽くさない」ことを表明するなら、所信表明として伝える意味も出てきます。
聞いている人たちは「おっ!いったい何を言い出すんだ」と関心を持ってくれるでしょうし、それが的を射たものであるなら、Aさんへの心象は良くなり、所信表明後に声をかけてくれるかもしれませんね。
先に挙げた隠れ重言とは反対に、「自分の信じる新商品をつくります」は合格点だといわれています。
顧客のニーズを重視するあまり、大胆な発想や独自の切り口が失われ、妥協の産物をつくってしまうこともあるので、これはマーケティング部にとって伝える価値のある情報になるのですね。
以上を踏まえて隠れ重言を排除すると、このようになりました。
<私の約束>
- 自分の信じる新商品をつくります
- 数多くの新商品をつくります
隠れ重言で当たり前のことばかりを伝え、自分の立ち位置があいまいになるくらいなら、思い切って数を絞ったほうがいいのですね。
数が少なければ、その分、聞いた相手もそれらにスッと目が向き、より集中して考えてくれるでしょう。
また、プレゼンにおいて、隠れ重言となってしまう、使用NGなワード集があることも紹介されています。
それについては次回、お話しします。
まとめ
- 短く・魅力的に伝える「超・箇条書き」のスキルとして「構造化・物語化・メッセージ化」の3つが教えられています。その中のメッセージ化とは「相手の心に響かせ、行動を起こさせること」、それには自分の立ち位置をはっきりさせることが大切です
- メッセージ化のための工夫の1つが「隠れ重言を排除する」です。隠れ重言とは周知の事実で、わざわざ伝える必要のない言葉をいいます。こと箇条書きでは、当たり前で新しさのない情報は入れる必要はありません
- 新入社員Aさんの所信表明でいえば、「お客様に喜んでいただける新商品をつくる」「すべてのことで自分のベストを尽くす」などは当たり前のことであり、言われたほうの心は響かず、わざわざ伝える必要はないのです。これらを省くことで自分のスタンスがはっきりします
続きの記事はこちら

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