7/5(木) 勇気づけるときの注意点とは?特別なときだけの注目は勇気をくじく-良好な人間関係を築く 勇気づけの方法6|心理学勉強会レポート45

ワークショップ主催の ゆう です。

今回のワークショップには初めての方2名を含む、9名の方にご参加いただきました^^

最近は雨風が強く悪天候が続いていますが、そんな中、今回も多くの方に来ていただき、嬉しく思います。

今回は「勇気づけ」がテーマということで、

どうすれば相手を勇気づけられるのか?
言われて嬉しいこと、元気づけられることは何か?

というテーマでディスカッションをしました。

「実は、相手を勇気づけているつもりで傷つけていたかもしれない」「こういう言い方は良いと教えてもらったことがある」などの意見を積極的に言っていただき、盛り上がりました(^^)

ディスカッションをすることで、普段はなかなか意識していないことにも目が向き、今後の言動を改める機会となると感じました。
続けてこのような機会をつくっていきたいと思います。

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勇気をくじく「YOUメッセージ」、勇気づける「Iメッセージ」

今回のワークショップのテーマは、
アドラー心理学に学ぶ「良好な人間関係を築く“勇気づけの方法”
についてでした。

アドラー心理学を一通り学ばれた方なら、おそらく聞いたことがある「勇気づけ」。

アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれるよう、「生きる勇気」が重要視されています。

生きる勇気を失えば、建設的な、前向きな行為をしようしなくなり、他者とトラブルを起こしたり、他者との関わりを避けたりしてしまうのです。

なのでお互いを勇気づけることが、精神的に健康に、建設的に生きていくために大切なのですね。

ではどうすれば相手を勇気づけられるかというと、相手と対等な関係(横の関係)をつくること、対等な関係から出る言葉を使うことが勇気づけになります。

対等な関係から出る言葉は「私メッセージIメッセージ)」といい、

「私は~してもらって嬉しい(~されて悲しい)」
「私は~だと思う」

というものです。

反対に、上下関係(縦の関係)から出る言葉は「あなたメッセージYOUメッセージ)」といわれ、「あなたは~だ」と、相手を批評したり、相手の良否を決めつけたりするものです。
相手が良いか悪いか判断するのは勇気くじきだといわれます。

前回は、この「Iメッセージ」「YOUメッセージ」について詳しくご紹介しました。

前回の記事はこちら

5/5(土) 相手を勇気づける“Iメッセージ”への変換の仕方-良好な人間関係を築く 勇気づけの方法5|心理学勉強会レポート38
ワークショップ主催の ゆう です。 今回のワークショップには、初めての方5名を含む、12名の方にご参加いただきました^^ 連休中ということで、来られる方がおられるか心配でしたが、予想をはるかに上回って多くの方に来ていただき、とて...

今回は、勇気づけをするときに知っておくべき注意点についてお話しします。

勇気づけるときの注意点「特別な出来事にのみ注目しない」

勇気づけるときの注意点。それは「特別な出来事であった場合は、勇気づけにならない」ということです。

特別な出来事。たとえば、子どもが試験で高得点を取ったとします。そのときはどんな人でも「おお、がんばったね!」と注目をしますよね。

しかし毎回高得点が取れるとは限りません。子どもの点数が良くなかった、前回よりも点数がガクッと下回ったなら、どう対応されるでしょうか?

喜ばない、注目しない。それどころか叱責までしたならどうでしょう。子どもは萎縮してしまい、勇気がくじかれ、高得点の取れない自分には価値がないとまで思ってしまうかもしれません。

そうなれば、試験のたびにビクビクし、プレッシャーに苦しむことになるでしょう。

このように私たちはどうしても特別なことには注目しますが、普段のがんばりや親切は当たり前だと思って、なかなか注目しようとしません。
しかしそれでは相手を勇気づけ、強い信頼関係を築くことはできないのですね。

ですから「ごく普通のこと、当たり前のこと、毎日起こっていることに注目する」のが勇気づけになると教えられています。

アドラー心理学の第一人者である野田俊作さんはこうアドバイスされています。

子どもが朝きっちり時間に起きてきた。これはすごいことですね。勇気づけたいね。うれしいものね。ありがとうって言いますね。

遅く起きたら、うれしいね。ありがとうって言います。だって生きているもの。死んだかと思ったら生きていた。

朝ご飯を食べた。うれしいね。一生懸命つくったんだもの、ありがとうって言いたい。

食べなかったら、手間がかからなくて、やっぱりうれしいね。

学校からずいぶん早く帰ってきた。うれしいね。家がそんなに住み心地がいいのかと。

遅く帰ってきた。これもうれしいね。手間がかからなくて。その間にいろんなことができるし、外で元気に遊んでくれるから。

(『勇気づけの方法(アドラー心理学を語る4)』から引用)

「いてくれるだけで嬉しい」と言ってもらい、接してもらえると、嬉しいですよね。安心します。心から勇気を得ることができます。

行為ばかりに注目するのではなく(それに注目するのも大切ですが)、存在そのものに注目し、心から相手を勇気づけていきたいですね。

まとめ

  • アドラー心理学は「勇気の心理学」ともいわれ、勇気が重要視されています。生きる勇気が持ててこそ、精神的に健康に、前向きに生きていくことができます
  • 相手を勇気づけるには、対等な関係-横の関係-から出た言葉を使うことであり、それが「私メッセージ(自分の気持ち・考えを伝えるメッセージ)」です。反対に縦の関係から出る「あなたメッセージ」は相手の勇気をくじきます
  • 勇気づけるときの注意点が「特別な出来事だけであった場合は、勇気づけにならない」ことです。特別な出来事が起きたとき、よい結果が出たときにしか注目しなければ、相手は結果を出していないときの自分は価値がないと思ってしまいます。ゆえに「ごく普通のこと、毎日起こっている当たり前のこと-朝起きてきた、ご飯を食べた、早く帰ってきたなどーにも注目する」ことが勧められています

引用した書籍

勇気づけの方法 (アドラー心理学を語る4)

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