物語化のポイント5-鮮明度がグッと上がる!経営コンサルタントも使う“固有名詞を使った例”を加えるテクニック|『超・箇条書き』から学ぶ伝える技術12

朝活主催の ゆう です。

スキルアップ!朝活では、相手にわかりやすく話をするためのワークをしています。

わかりやすく伝えるには、実践経験を積むとともに、わかりやすく伝えるためのスキルを学ぶことも大事ですね。

このブログでは、『超・箇条書き』(杉野幹人著)から、わかりやすく伝えるのに非常に有効な、箇条書きのスキルを紹介し、学びを深めています。

超・箇条書き―――「10倍速く、魅力的に」伝える技術

超・箇条書きのためのスキルには

  1. 構造化
  2. 物語化
  3. メッセージ化

の3つがあり、前回は、2番目の「物語化(相手が思わず読みたくなるよう、関心を引くこと)」のための工夫の1つである「“固有名詞”によるイメージ化」についてお話ししました。

前回の記事はこちら

物語化のポイント4-簡単だけど効果的!固有名詞によるイメージの鮮明化|『超・箇条書き』から学ぶ伝える技術11
朝活主催のゆうです。スキルアップ!朝活では、わかりやすく相手に話を伝えるためのワークを行っています。わかりやすく伝えるには実践的な練習を積むとともに、そのためのスキルを知ることも大切ですね。このブログでは、『超・箇条書き』(杉野幹人著)から...

「“固有名詞”によるイメージ化」はその名の通り、一般名詞を、読み手と共有できる固有名詞に置き換えることで、読み手はグッとイメージがしやすくなり、興味深く読んでくれる、というものです。

わずか数文字を変えるだけの簡単なスキルでありながら、印象がずっと良くなるなど、大きな効果を発揮することもあります。

今回は、新入社員Aさんのつくった箇条書きに固有名詞を入れることでどう変わるのかを見ていきましょう。

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固有名詞に置き換えることで得られる効果

新入社員Aさんが上司への報告用につくった箇条書きは以下のようなものです。

  • 目標とする営業成績は売上3億円である
  • このために、2つの改善策に集中する
    • 大口の顧客には、先輩社員に協力をしてもらって価格交渉し、販売単価を上げる
    • 中堅の顧客には、関連商品も併せて提案し、販売数を伸ばす

この前に紹介した物語化の工夫「イントロづくり」「MECE崩し」によって最初の文でグッと引き込まれ、さらにダブりのある情報はカットされ、関心を惹く箇条書きになっています。

ここでさらに固有名詞を使用すると、もっとイメージのしやすい箇条書きになります。

固有名詞に置き換えられるところはどこでしょうか。

1つは、大口の顧客の改善策にある「先輩社員」という一般名詞、
もう1つは、中堅の顧客の改善策にある「関連商品」という一般名詞です。

先輩社員とは誰のことなのか、
また関連商品とは何のことなのか、このままではわからず、イメージがしにくいですね。

しかし「先輩社員」を「山田さん」という固有名詞、
「関連商品」を「ダイヤモンド・メーカー」という具体的な商品名に変えるとどうでしょうか。

目標とする営業成績は売上3億円である

  • このために、2つの改善策に集中する
    • 大口の顧客には、山田さんに協力をしてもらって価格交渉し、販売単価を上げる
    • 中堅の顧客には、「ダイヤモンド・メーカー」も併せて提案し、販売数を伸ばす

このように固有名詞に置き換えることで、相手は「おっ」と思い、関心を持ってくれて、真剣に理解しようしてくれます

「山田さん」と置き換えたことで、上司は「山田は交渉がタフだから、彼が同席してくれるなら実現しそうだな」というイメージも湧くようになります。

「ダイヤモンド・メーカー」という具体的な商品を出したことで、上司がそれについての事前知識を持っているなら、「ダイヤモンド・メーカーはAさんのスキルではまだ売りにくいだろうから、別の商品にしたほうがいいな」と勧めるなど、具体的なアドバイスをしてくれるかもしれません。

“固有名詞を使った例”を加えるテクニック

さらに使えるテクニックが、固有名詞に置き換えるのではなく、一般名詞を使った文の下の段に固有名詞を使った例を加えることです

例えば「国内から海外に、経営リソースをシフトさせる」という文があったとします。

文としては正しいですが、これだけではイメージが湧きにくいですね。

そこで「(例)相模市の工場を廃止し、インドネシアのジャワ島に工場を新設する」という文を下に入れればどうでしょうか?
グッとイメージがしやすくなりますね。

これは抽象度の高い情報を扱う経営コンサルタントが使うテクニックの1つだそうですが、箇条書きづくりに慣れていない人でも十分に使えそうですね。

このテクニックを先の箇条書きに使うと、以下のようになります。

  • 目標とする営業成績は売上3億円である
  • このために、2つの改善策に集中する
    • 大口の顧客には、先輩社員に協力をしてもらって価格交渉し、販売単価を上げる
      (例)山田さんと一緒に価格を交渉する
    • 中堅の顧客には、関連商品も併せて提案し、販売数を伸ばす
      (例)ダイヤモンド・メーカーも提案する

このように、抽象度の高い情報を伝える際は、セットで固有名詞の例を伝えることで、抽象度が高くでも生々しさを出すことができるのですね。

ぜひ実践していただきたいと思います。

まとめ

  • 超・箇条書きのための2つ目のスキル「物語化(思わず読みたくなるよう、相手の関心を引くこと)」の工夫の1つが「“固有名詞”によるイメージ化」です。一般名詞を固有名詞に変えるだけで、相手はグッとイメージがしやすくなり、興味が引かれるのです
  • 新入社員Aさんの上司の報告の例では、「先輩社員」→「山田さん」、「関連商品」→「ダイヤモンド・メーカー」という固有名詞に置き換えることで、読んだ上司のイメージは鮮明になり、より具体的なアドバイスも得られるかもしれません
  • 一般名詞を使った文の下の段に 固有名詞を使った例を加えることも有効です。抽象度の高い情報を伝える際は、固有名詞の例も一緒に伝えるようにしてみましょう

続きの記事はこちら

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