6/2(土) 行動を変える勇気が得られる「結末の予測」とは-アドラー心理学に学ぶ 人間関係の悩み解消の3ステップ6|心理学勉強会レポート41

ワークショップ主催の ゆう です。

6月を迎え、梅雨入りが近づいたからか、蒸し暑い日が続いていますね(^^;)

その中で開催したワークショップには、初めての方2名を含む、6名の方にご参加いただきました^^

SEや管理栄養士、翻訳をされている方など、いろいろな職種の方が参加されました。

今回も参加者同士で話し合っていただくディスカッションやワークの時間を取り入れたところ、楽しまれていたと感じます。

私自身、アウトプットすることで、理解もグッと深まると実感しています。
今後もこういう時間を積極的に取っていきたいと思います。

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アドラー心理学にみる「人間関係の悩み解消の3ステップ」

今回のワークショップのテーマは、
アドラー心理学に学ぶ「人間関係の悩み解消の3ステップ」
でした。

アドラー心理学といえば、『嫌われる勇気』がベストセラーとなって、一躍注目を集めました。

『嫌われる勇気』が発売されてからはすでに4年以上が経ちますが、いまもアドラー心理学の関連書籍は出し続けられていて、根強い人気がありますね。

それはアドラー心理学の内容は斬新で、かつ実践してみて効果があるからなのだと思います。

アドラー心理学では、人間の悩みはすべて対人関係の悩みである、と教えられています。

人間は1人で生きることはできません。必ず他者とのつながりの中で生きています(無人島で生活をしたり、宇宙に飛び出したりすれば話は変わりますが)。
だから悩みもまた他者と必ず結びついている、ということなのです。

対人関係が避けられないなら、その悩みを解消して快適に生きたい、と誰もが思われるでしょう。

その対人関係の悩み解消方法を、アドラー心理学の観点から3ステップでご紹介していきます(『グループと瞑想 (アドラー心理学を語る2)』を参照)。

その3ステップとは、

  1. 課題の分離
  2. 結末を予測する
  3. 代替案(オルタナティブ・ウェイ)を実行する

です。

はじめの「課題の分離」とは、問題を「自分の課題」と「相手の課題」とに分けて、「相手の課題」には介入せず、「自分の課題」に集中する、自分にできることは何かを考えて実行する、というものでした。

そして前回ご紹介したのが2つ目のステップ「結末を予測する」でした。

前回の記事はこちら

4/5(木) 課題の分離の後は?解決策が得られる「結末の予測」-人間関係の悩み解消の3ステップ5|心理学勉強会レポート34
ワークショップ主催のゆうです。今回のワークショップには初めての方3名を含む、7名の方にご参加いただきました(^^)暖かくなったと思ったら、また少し冷え込んで、体調管理が難しい時期ですね。体調が悪くなって参加できなくなってしまった方もいて、残...

結末の予測とは、「今までやってきたことを続けるとどうなるのかを検討すること」です。

たとえば、親が子供に「勉強しなさい!」というのは、子供の課題への介入です。
それでは子供は勉強への意欲をなくしてしまうでしょう。

そのときに「親がこの先も子供に『勉強しなさい!』と言い続けていれば、果たして子供は勉強するようになるのだろうか…」
そう親に考えてもらうのが「結末の予測」なのですね。

「結末の予測」をすることで、「このままでは状況は変わらない。いやむしろ、状況はかえって悪くなるばかり」と、いまが実に不便な状況にあることに気づければ、行動を変える勇気が湧いてくるのです。

「今でやってきたことを続けるとどうなるか」が現状を変える

勉強だけでなく、LINEの返信や仕事の依頼なども同じことがいえます。

返信を求めるLINEメッセージを送って、しかも既読になっているのに相手から返事が来なくてイライラ…、という経験はされたことがある人が多いと思います。

あまりにイライラして「どうして返信してくれないの?!」と相手を問い詰めたとします。しかしそれでも返信が来なかったのでさらに厳しく問い詰める、こんな循環を続いたらどうなるでしょうか?

相手は嫌気が刺してまったく返信しなくなり、当事者同士では修復不可能な状態に…、という可能性も考えられますね。

しかしここで「自分が相手を問い詰め続けたなら、相手は返信をくれるだろうか?」と結末を予測してみると、どうでしょうか?

「相手が悪い。自分の気持ちを全然考えてくれていない」と相手を責めてばかりいたら、相手は心を開いてくれるでしょうか?

このように自分に問いかけると、「今のままの態度ではますます関係が悪くなるだけ。ではどうすれば良くなるだろうか?」と考えるようになると思います。

もちろん、相手は相手で「自分にできることは何か」を考えなければなりませんが、それは相手の課題であり、介入してはならないのですね。

「自分だけ関係改善のための努力をしているのが許せない!」という方もいます。

しかし関係改善の努力をして得するのは相手ではなく、その人自身ですその人自身が人間的に成長できれば、ほかの人との関係がますます良くなったり、仕事で評価されたりもするでしょう

それが正しい努力であるなら、その努力は必ず報われるのですね。

これが悩み解消の3ステップの2ステップ目「結末を予測する」でした。

次回は最後の3ステップ目「代替案を実行する」について詳しくお話ししていきます。

まとめ

  • アドラー心理学のカウンセリング指導者である野田俊作さんは、対人関係の悩みの解決法を3つのステップで教えられています
    1. 課題の分離
    2. 結末を予測する
    3. 代替案(オルタナティブ・ウェイ)を実行する
  • 2つ目のステップ「結末を予測する」とは、「今までやってきたことを続けるとどうなるのかを検討すること」をいいます。「これを続ければ状況は良くなるどころか、悪くなる一方である」と気づけば、行動を変える勇気が出てくるのです
  • 相手を問い詰め続けたら、相手はこちらの望むことをしてくれるだろうか、と結末を予測すれば、「相手を責めれば、ますます関係が悪くなるだけ。ではどうすれば良くなるだろうか?」と考え、より適切な行動が取れるようになるでしょう

続きの記事はこちら

8/2(木) 悩み解決の最終ステップ"代替案を実行する”とは-アドラー心理学に学ぶ 人間関係の悩み解消の3ステップ7|心理学勉強会レポート48
ワークショップ主催のゆうです。今回のワークショップには初めての方4名を含む、11名の方にご参加いただきました^^本当に暑い日が続き、体調をいつ崩してもおかしくなりませんが、そんな中、多くの方が来てくださり、とても嬉しいです。多様な人達との接...

参考にした書籍

グループと瞑想 (アドラー心理学を語る2)

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