朝活主催の ゆう です。
スキルアップ!朝活では、わかりやすく話を伝えるためのワークをしています。
まずは自由にプレゼンをしていただき、その後でほかの人はどのようにプレゼンをしているかを共有したり、伝え方のノウハウを教えている本の内容を紹介したりしています。
その紹介している本の1つが、『超・箇条書き』(杉野幹人著)です。
この本では「箇条書きこそ伝えるための最強のツールである」といわれています。
しかし箇条書きといっても、単に情報を羅列するだけでは、情報量が少なくなっただけで、相手に効果的に伝えることはできません。短く、魅力的に、かつ相手を動かすための箇条書き(=超・箇条書き)にするには技術が必要です。
前回の記事では、その普通の箇条書きを劇的に変える3つの技術が
- 構造化
- 物語化
- メッセージ化
であること、
そして、はじめの「構造化」についてご紹介しました。
前回の記事はこちら

構造化は「文のレベルを整える」こと。構造化されることでその箇条書きの全体像がスッキリし、一文一文の意味、そして他の文とのつながりが明瞭になります。
するとその箇条書きを見た人はすぐに全体像が理解でき、取るべき行動もすばやくわかって、動いてくれるのです。
ではどうすれば構造化できるかというと、そのための3つの工夫
- 自動詞と他動詞を使い分ける
- 直前と並列で考える
- ガバニング
が教えられています。
今回から、構造化のための3つの工夫を具体例を通してお話ししていきます。
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構造化のための工夫① 自動詞と他動詞を使い分ける
構造化の1つ目の工夫が、「自動詞と他動詞を使い分ける」です。
そもそも自動詞と他動詞とは何かといいますと、
自動詞は「ある瞬間の状態・現象を表す」ものです。
たとえば、
- コップが落ちる
- ボールペンがある。
- 私は驚いた
- 彼は止まる
といったものですね。
他動詞は、目的語を必要とし、「行為やそれによる因果関係を表す」ものです。
- 私がコップを落とす
- あなたがボールペンを置いた
- 彼が私を驚かせた
- 非常ベルの音が彼を驚かせる
などが他動詞を使用している文です。
もし箇条書きの中で「状態・現象を表す文」と「行為を表す文」が混在していると、その箇条書きが全体として何を伝えたいかが曖昧になってしまいます。
「ハンバークがある。サラダがある。スープがある」という文だと、テーブルにそれらのものが夕飯として並べられていると想像ができます。
しかし「ハンバークがある。サラダをつくる。スープがある」という文だと、いまいちイメージがしにくいですね。これは自動詞と他動詞を使った文、つまり「状態・現象を表す文」と「行為を表す文」が分けられていないからです。
これが
ハンバークがある。スープがある。
そしてこれからサラダをつくる。
となると、イメージがしやすくなりますね。
これは非常に簡単な例ですが、伝えたいことがもっと複雑なことであっても、自動詞と他動詞を使い分け、グルーピングすることで、全体像をスッキリさせることができるのです。
他動詞を使うところで自動詞を使っていないかにも注意を…
では前回の記事でもご紹介した新入社員がつくった、全体像がハッキリしていないダメな箇条書きに、工夫を施してみましょう。
- 營業の人員が足りていない
- 手強い競合商品があるため苦戦している
- コールセンターでの問い合わせ対応のトレーニングが間に合わない
- 営業部で期間限定のスタッフが増える
- それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して打ち手を仰ぐ
これが改善前の状態です。
これを自動詞と他動詞の文に分けると、
- 自動詞
- 營業の人員が足りていない
- 手強い競合商品があるため苦戦している
- コールセンターでの問い合わせ対応のトレーニングが間に合わない
- 営業部で期間限定のスタッフが増える
- 他動詞
- それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して打ち手を仰ぐ
このようになります。
ただ、ここで注意したいのは、本来は他動詞を使わなければならない文に自動詞を使っていないか、ということです。
「営業部で期間限定のスタッフが増える」というのは今後のことであり、状態を表すものではありませんね。
より正確に表現するには他動詞を使い、「マーケティング部が営業部に期間限定のスタッフを貸し出す」としないといけません。
文章を適切な形にした結果が以下の箇条書きです。
- 自動詞
- 營業の人員が足りていない
- 手強い競合商品があるため苦戦している
- コールセンターでの問い合わせ対応のトレーニングが間に合わない
- 他動詞
- マーケティング部が営業部に期間限定のスタッフを貸し出す
- それ以外のことは、営業部が経営会議に報告して打ち手を仰ぐ
こうすることで、自動詞の文は営業部の現状を表し、他動詞の文は今後の対応策であることがわかり、全体像が明確になりました。読んだ側としても情報処理がグッと早くなります。
箇条書きにするときに「この文は状態を表すのか、行為を表すのか」を、ぜひ意識していただければと思います。
はじめはそのことに時間がかかってむしろ効率が悪くなるようにも思いますが、わかりやすく伝えるスキルを定着させることは後々、生産性の向上に大きく寄与するでしょう。
この自動詞と他動詞の使い分けのときに、さらに全体像を曖昧にしないために知っておきたいとポイントがあります。
それについては次回、ご紹介しています。
まとめ
- 超・箇条書きのスキルの1つが「構造化(文のレベルを整え、全体像をスッキリさせること)」であり、そのための工夫の1つ目が「自動詞と他動詞を使い分ける」です
- 自動詞は「ある瞬間の状態・現象を指す(例:コップが落ちる)」もので、他動詞は「行為やそれによる因果関係を表す(例:コップを落とす)」ものです。状態・現象を表す文と、行為を表す文をグルーピングすることで、全体像をスッキリさせることができます
- グルーピングするときは、本来 他動詞を使わなければならない文に自動詞を使ってはいないか、注意をしましょう
続きの記事はこちら

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