心理学ワークショップ主催の ゆう です。
今回のワークショップには初めての方3名を含む、8名の方にご参加いただきました。
去年 別の機会に何度かお会いしていた方がワークショップには初めて参加されたのですが、「あっという間だった、もっと学びたい」と感想を言われ、嬉しく思いました(^^)
お互いに理解を含め、日常にも生かしていき、周囲とより良好な関係を築いていきたいと思います^^
いつものようにディスカッションも取り入れると、皆さん、積極的に意見を出されていました。
やはり双方向で発信することで、より理解を深めていただけると改めて感じました。今後も続けて取り入れていきます!
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行動心理学からみる「人間の3のタイプ」とは?
今回のテーマは、
行動心理学から学ぶ「良好な人間関係を築く“GIVEの精神”」
についてでした。
このテーマでは、『GIVE&TAKE』という本の内容を主に紹介しています。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
この本は、組織心理学者であるアダム・グラント氏によって書かれたもので、3万人以上を対象に行なったある調査とその考察が紹介されています。
ある調査とは、「取る」「与える」という観点で人間を3つのタイプに分類する、というものです。
その3つのタイプは、
- ギバー(Giver)―受け取るより以上に相手に与えようとする
- テイカー(Taker)―与えるより多くを受け取ろうとする
- マッチャー(Matcher)―与えることと受け取ることのバランスを取る
です。
このタイプの中で、最も成功から遠い位置にいるのは、どのタイプだと思いますか?
それはギバーです。
ギバーは良い人ゆえにだまされたり利用されたりしやすく、犯罪の被害者になるリスクがほかのタイプより高い、という調査結果が出ています。
また相手のために自分の時間を使うため、自分のことが疎かになり、それが収入の低さにつながってしまう、ともいわれています。
こんな結果を聞くと、「ギバーとして行動するのがいいと思っていたけれど、やめたほうがいいんじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし、最も成功しているのもまたギバーなのです。
なぜこんな違いが起こるのかというと、グラント氏は、ギバーに2通りあるからだと説明しています。
1つは「自己犠牲型」のギバー、そ
してもう1つが「他者志向性」のギバーです。
自己犠牲型のギバーはその名の通り、自己犠牲的に与えてしまうので消耗・疲弊しやすく、成功から遠ざかってしまうのです。
反対に他者志向性のギバーは、自己犠牲的に、盲目的に与えることはしません。相手のタイプを見極めながら、しっかりと計画を立てて他者に貢献しているのです。
相手に尽くすことを第一に考えつつも、燃え尽きないように自分への思いやりも忘れない。それが他者志向性のギバーなのですね。
『GIVE&TAKE』でグラント氏が勧めていることは、単純に ギバーになろう、ということではなく、“他者志向性のギバー”になろう、ということなのです。
ではどうすれば他者志向性のギバーとして振る舞えるのでしょうか?その他者志向性のギバーになるメソッドを4つに分けてご紹介しています。
前回は、2つ目のメソッドの、「自己犠牲型と他者志向性のギバーの違いを知る」についてお話ししました。
前回のレポートはこちら

今回から、「与えることが当たり前の環境」に身を置くことの大切さについて、紹介していきます。
「与える」ことをコンセプトにして急成長したサイト
みなさんは、「フリーサイクル」というウェブサイトを聞いたことがあるでしょうか?
こちらがそのサイトです。
このサイトの創業者はデロン・ビールさん。
どういうサイトかというと、有志で品物を出し、それらをすべて無償で提供するというものです。基本原則として、売買や交換はしてはならないのです。
サイトができた当初、この取り組みはうまくいかないと思われていました。
それは、無償で提供されるのだから、高価なもの、まだ使えるものは出品されないだろう。それどころか使えそうもないガラクタばかりが集まって、サイト運営ができないのでは、と考えられていたからです。
ところが、その予想と反することが起こったのです。
まだまだ使える2万円相当のカメラが出品されたのを皮切りに、パソコンや液晶テレビ、チャイルドシートにグランドピアノ、掃除機やフィットネスマシーンなど、非常に高価なものが次々と無償で出されていったのです。
サイトは次第に活気づいていきました。
2003年5月スタートしたときには、会員数はわずか30人だったのが、
約1年後には会員数は世界360都市で100,000人以上になり、
さらに約2年後の2005年3月には会員数が1,000,000人を突破したのです(2018年5月現在の会員数は9,200,000人以上なっていることがわかります)。
フリーサイクルが急成長した理由は?
なぜフリーサイクルは、会員数・質ともに急速に成長したのでしょうか?
サイトを運営する上で最も大きな障害になりそうなのは「テイカーに利用されるのではないか」という点です。
無償で提供された品をテイカーがせしめて、出品はろくにしなければ、フリーサイクルから良い品物はたちまちなくなり、サイトは破綻してしまいますね。
ところが、フリーサイクルの会員に「自分の儲けを最大にすることと、人に貢献することのどちらを普通優先させますか?」という質問に答えてもらったところ、「自分の儲けを最大にする」と答えた人(=テイカー)も、受けとった品の2.5倍を提供していた、という結果が出たのです。
テイカーであっても、受け取るばかりではなく、むしろ提供していたものが多かったというのは、驚くべきことですね。
フリーサイクルという空間では、その人の元々のタイプにかかわらず、あらゆる人がギバーとして行動しているのです。
そんなフリーサイクルと同じような空間が実現できれば、自分も周りもギバーとして思い切り振る舞うことができるようになります。
ではメンバーをギバーにするグループの特徴とは何なのでしょうか。
それについては次回、お話ししていきます。
まとめ
- 組織心理学者のアダム・グラント教授は、人間を3つのタイプ(ギバー・テイカー・マッチャー)に分類されました。このなかで、最も成功から遠い位置にいるのも、最も成功しているのもギバーといわれています
- ギバーが成功において両極端に分かれるのは、ギバーには自己犠牲型と他者志向性の2通りあるからです。他者志向性のギバーは相手のタイプを見極めてタイプ別の対応をし、また計画を立てて貢献をしているため、搾取されず、燃え尽きずに成功できるのです
- テイカーに搾取されずに活躍するためには、与えることが当たり前の環境に身を置くことが大切です。与えることをコンセプトにしたサイト「フリーサイクル」では、元々のタイプによらず、あらゆる人がギバーとして行動し、サイトが活気づきました
続きの記事はこちら

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