心理学ワークショップ主催の ゆう です。
今回のワークショップには、初めての方3名を含む、11名の方にご参加いただきました^^
平日にもかかわらず多くの方にご参加いただき、嬉しかったです(>_<)
今回は特に質問を多くいただく会となりました。
そもそも質問が出るというのは、納得されるような話ができていないからであり、反省すべきなのですが、質問にお答えすることで私自身の理解が深まり、とてもありがたかったです。
より納得してもらえるように、話の仕方を日々、研鑽していきたいと思います。
スポンサーリンク
「GIVE」「TAKE」からみた、人間の3つのタイプとは?
今回のテーマは、
行動心理学から学ぶ「良好な人間関係を築く“GIVEの精神”」
についてでした。
このテーマで扱っているのが、『GIVE&TAKE』という本です。
GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)
この本は、組織心理学者であり、ペンシルベニア大学ウォートン校で史上最年少で終身教授となったアダム・グラント氏によって書かれた本です。
このなかでグラント教授は、膨大な調査結果をもとに、「取る」「与える」という観点から人間を3つのタイプに分類しました。
そのタイプとは、
- ギバー(Giver)―受け取るより以上に相手に多くを与えようとする
- テイカー(Taker)―与えるより多くを受け取ろうとする
- マッチャー(Matcher)―与えることと受け取ることのバランスを取る
の3つです。
このタイプのうち、最も成功から遠い位置にいるのはギバーであること、
さらに最も成功しているタイプもギバーであるといわれています。
なぜ同じギバーであるのに、一方では成功し、もう一方では成功から遠ざかっているのでしょうか?
それはギバーに2通りあるからです。
1つが「他者志向性」、
もう1つが「自己犠牲型」のギバーです。
「他者志向性」のギバーは大きな成功を納めているのですが、「自己犠牲型」のギバーはやみくもに与えすぎるあまり消耗してしまったり、テイカーに都合よく利用されてしまったりして、成功から遠ざかってしまうのです。
そのためグラント教授は「他者志向性」のギバーになることを勧め、さらに「自己犠牲型」のギバーにならないポイントを紹介しています。
前回の記事では、相手がテイカーかどうかを見極めるのに、「愛想の良さ」にだまされていけない、ということをお話ししました。
前回の記事はこちら

「私たちには、愛想のいい人はギバーで、 無愛想な人はテイカーだという固定観念がある」とグラント教授が語っているように、私たちは、笑顔で接して優しい言葉をかけてくれるような人はギバーで、反対に仏頂面で言葉少なな人や厳しい言葉を吐く人はテイカーのように思ってしまいます。
しかし、無口な人であっても、みんなのためを思って陰で支えてくれている人、自分が間違った方向に行かないようにあえて厳しく言ってくれる人はテイカーどころか、ギバーといえますね。
逆に、愛想がいいのは、自己の評価を上げるためで、それを利用して相手をだまそう、利用しようとする人(いわゆる詐欺師タイプの人)もいます。
ですからテイカーを見極めるには、「愛想の良さ」にだまされず、その人の内面を知ることが最も重要です。
ではその人の内面を知るにはどうすればいいのでしょうか?
テイカーかどうかを見極める確実な方法
相手の内面を知る方法は、前回の記事の最後で紹介した言葉からわかります。
それが
自分にまったく利益をもたらさない人間をどうあつかうかで、その人がどんな人間かがはっきりわかる
という、イギリスの文学者サミュエル・ジョンソン氏の言葉です。
自分に利益をもたらさない相手とは、たとえばタクシーの運転手さんやレストランのウェイトレスさんなどが当てはまると思います。
自分がお客さんという立場なら、それらの人をどう扱おうが、直接的な見返りはないですよね(それらの人がマッチャーやテイカーならば、それらの人の態度に多少の変化はあるでしょうが…)。
そんな自分に利益をもたらさない相手だと、私たちの内側にあるものが出てきます。
ギバーであれば、相手がどんな人であろうと、丁重に扱うはずですね。
マッチャーなら、相手の接客態度に応じて態度を変えるでしょう。
そしてテイカーならば、「こっちは客なんだぞ!」という横柄な態度を見せるはずです。
知り合いがいない(と思っている)状況で、運転手や店員をぞんざいに扱う人であれば、その人との付き合いはよく考えたほうがいいでしょう。
いまは都合がいいから自分に良くしてくれてはいても、都合が悪くなると、私自身が今度はぞんざいに扱われかねません。
グラント教授はTEDにおいて、テイカーの見分け方をこうも話しています。
「自分のおかげでキャリアが劇的に向上したと思う人を4人挙げてください」
テイカーは4つの名前を挙げますが そのどれもが本人よりも影響力のある人の名前なのです。テイカーは上には媚び下を虐げることに長けているからです。
ギバーは自分よりも地位が下の人の名前を挙げることが多いです。あまり影響力のない人や役には立たない人の名前です。
あまり影響力がなかろうと、いえむしろそういう人だからこそ丁重に扱うのがギバーの特徴であり、テイカーはその反対(上には媚び、下を虐げる)なのですね。
自分が直接相手の態度を見ることができない場合は、相手の周囲の人から評判を聞いてみる、というのも有効です。
周囲の人なら、相手が普段は見せない本性を知っている可能性が高いでしょう。
この確実なタイプの見分け方を、ぜひ日常でやってみていただければと思います。
次回からは、他者志向性のギバーになるための3つ目のメソッドをご紹介していきます。
まとめ
- 相手がテイカー(=詐欺師)かどうかを見極めるときに重要なのは「愛想の良さ」にだまされず、その人の内面を知ることです
- 内面を知るには、その人がまったく利益をもたらさない人間をどうあつかっているかを見てみましょう。立場を利用して横柄な態度を見せる人はテイカーの傾向が強いです
- 相手の態度を直接見ることができなければ、その人に近い人から評判を聞いてみることも有効です。近い存在の人なら、その人の内面を知っている可能性が高いでしょう
続きの記事はこちら

スポンサーリンク