朝活主催の ゆう です。
スキルアップ!朝活のワークでも取り上げたことのある『7つの習慣』の内容を少しずつご紹介しています。
『7つの習慣』といえば、全世界で3000万部以上を売り上げたベストセラーですね。
初めて出版されてから20年以上経ちますが、今も関連書籍が出されるなど、現在でも愛読者が多くいます。それは、時代が変わっても通用する原則が書かれているからだと思います。
前回は、第1の習慣である「主体的である」の中で紹介されている「関心の輪・影響の輪」についてお話ししました。
前回の記事はこちら

人間は刺激や環境に影響されることなく、自ら選択をして行動することができる、というのが主体的ということでした。
反対に、刺激や環境にそのまま反応してしまう人は、反応的な人です。
反応的な人は「自分ではどうにもならない」とか「自分がこうなったのは〇〇のせいだ」というパラダイムを持ってしまい、自分の生き方にも周囲への人へも悪影響を与えてしまいます。
刺激に対して「反応的」であるか「主体的」であるかを自覚できる方法として紹介されているのが、「関心の輪(関心がある領域)」と「影響の輪(影響を与えられる領域)」です。
主体的な人は、影響の輪の中にエネルギーや時間を使っています。影響の輪の中にあることに集中することで、自分が影響を与えられる範囲も広がっていきます。
対して、反応的な人は影響の輪の外にあるものに目が向いています。
しかしそれは影響を与えられないものであり、どれだけ時間やエネルギーを使ったところで変えることができません。それどころか、自分が影響を与えられる範囲がだんだんと狭まってしまうのです。
これについて『7つの習慣』で挙げられている具体例を見ていきましょう。
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影響の輪にフォーカスし、意見を求められるようになった幹部
ある会社の社長と、経営幹部のエピソードです。
社長はいわゆるワンマンで、幹部の意見も聞かずに自分一人で決めて、強く指示を出すタイプの人です。
幹部たちのほとんど、その社長の態度を陰で批判しつつも、どうにもならないとはあきらめてしまっていました。
しかし経営幹部の中に、一人だけ主体的な人物がいたのです。その人についてこう書かれています。
彼は感情に流されず、自分の価値観に従って行動していた。率先力を発揮し、常に先を予測し、社長の立場になって考え、状況を読みとっていた。
彼にも社長の欠点はわかっていたが、それを批判したりせず、欠点を補うことに努め、自分の部下たちが社長の短所に影響されることのないように気を配った。
そして、長期的な視野、創造性、鋭い洞察力など、社長の長所を生かすようにした。
(『7つの習慣』より引用)
陰で社長を批判するというのは、影響の輪の外に時間やエネルギーを注ぐことになります。どれだけ批判しようが、社長自身が変わることはないからです。
しかし彼は社長の欠点には目を向けずに、「社長の欠点をいかに補うか」という影響の輪の中のことにフォーカスしたのですね。
社長に報告を上げるときも、社長が知りたがっていることを分析し、その分析に基づいた助言も添えるなど、社長の期待以上のことをやってのけたのです。
するとある日、コンサルタントとして社長と話していたコビー博士(『7つの習慣』の著者)はこういう話を聞いたのです。
社長は「先生、この男はたいしたものですよ。私が出せと言った情報だけでなく、私がまさに必要としている情報も出してくる。そのうえ私が一番気になっている観点から分析までして、提案をまとめてくるんですからね。
データに沿って分析し、分析に沿った提案をするんですよ。立派なもんです。あの男が担当する部署については何の心配も要らないくらいですよ」と言った。
次の会議でも、社長はいつもの調子で幹部の面々に「あれをやれ、これをやれ」と細かく指示していた。
しかし彼には違う態度をとり、「君の意見はどうだね?」と聞いた。彼の影響の輪が大きくなったのだ。
(『7つの習慣』より引用)
彼が社長の欠点ではなく、それを補うという影響の輪の中の領域に集中したことで、社長の中で彼の存在はどんどんと大きくなり、ついには彼には一方的に指示を出すのではなく、意見を求めるようになったのですね。
影響の輪が着実に広がっているのがわかります。
対して、陰で批判するだけだったほかの幹部には、社長は変わらず指示を出すのみでした。
『7つの習慣』には書かれていませんが、もし幹部の批判が社長の耳に入るようなことがあれば、社長はますますその幹部たちのことを疎ましく思うようになるでしょう。
影響の輪は広がらず、小さくなる危険性さえもあります。
なるべく影響の輪に目を向け、そこに時間やエネルギーを使っていきたいですね。
まとめ
- その人が刺激に対して「反応的」であるか「主体的」であるかは、「影響の輪の外」と「影響の輪の中」のどちらに目を向けているかでわかります(反応的な人→影響の輪の外、主体的な人→影響の輪の中)
- ある社員は、「社長の短所を批判する」という影響の輪の外ではなく、「社長の短所を補う」という影響の輪の中に気を配ったことで、社長から意見を求められるようになりました(影響の輪が拡大しました)
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